神秘の島 登場人物

神秘の島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/05 09:53 UTC 版)

登場人物

左からサイラス、エアトン、ジュデオン、ペンクロフ、ハーバート、ナブ[1]

以下の日本語表記は『神秘の島(上・下)』清水正和福音館書店に従う

サイラス・スミス技師(Cyrus Smith)
マサチューセッツ州出身の技師。年齢はおよそ45歳。才知に富み冷静、かつ器用で運動能力も高く、政府より鉄道指揮という戦略上重要な任務を命じられていた。イリノイ州の志願兵としてユリシーズ・S・グラント将軍のもとについていたが、1865年2月に行われたリッチモンドへの攻撃で南軍の捕虜となり、監禁された。
ジュデオン・スピレット(Gideon Spilett)
ニューヨーク・ヘラルド新聞の有能な特派員。年齢はおよそ40歳。サイラスと同じくユリシーズ・S・グラント将軍の部隊で従軍記者を務める。ノートとピストルを肌身離さず、激戦区であっても平然と記事を書き続ける。スケッチや射撃の腕前にも優れている。サイラスと共に南軍の捕虜となった。
ナブ(Neb)
サイラスの召使い。奴隷の家系に生まれた黒人であるが、奴隷廃止論者であったサイラスによって自由の身にされている。年齢はおよそ30歳。頭が良く純真な性格。本名はナブコドノサー(Nebuchadnezzar)だが、ナブと呼ばないと返事をしない。サイラスが捕虜になったと聞くやいなやリッチモンドへ潜入し、主人のもとへたどり着くことに成功した。
ペンクロフ(Pencroft)
水夫。年齢はおよそ35 - 40歳くらい。ハーバートをわが子のように可愛がっている。ある用事でリッチモンドに滞在していたところが街を包囲され、足止めを食らっていた。気球による脱出を最初に提案した人物。登場人物で唯一の喫煙者である。
ハーバート・ブラウン(Herbert Brown)
ニュージャージー州出身の15歳の少年。ペンクロフのかつての船長の息子であるが、父を失い今は孤児となっている。博物学に通じており、聡明であるためサイラスも一目置いているほどである。
トップ(Top)
サイラスの飼い犬。
ジュップ(Jupe)
リンカーン島で捕らえたオランウータン。ハーバート達に教え込まれ召使いとして働く。名前はペンクロフが以前飼っていたジュピターという名前のサルより。最後は島の爆発の時に死んでしまう。
エアトン(Ayrton)
ペンクロフ、ジュデオン、ハーバートがタボル島より連れてきた人物。もとはグラント船長の部下であったが、船長とのトラブルの末、反乱を起こす。その結果オーストラリア西岸に降ろされ、後に海賊となる。スコットランドのグレナヴァン卿一行の船を強奪しようとしたが失敗し、南太平洋の孤島、タボル島に降ろされ、そこで十数年間過ごす。過去の行状を悔いており、リンカーン島の住人を自分とは異なる立派な人たちと考えているため、サイラスたちと距離を置いて接している。彼の詳しい経歴は、『グラント船長の子供たち』に書かれている。
ネモ艦長(Capitaine Némo)
リンカーン島に住む老人。

  1. ^ 『海底二万里』本編内ではアロナックスたちがノーチラス号に乗り込んだのは1867年11月7日。
  2. ^ 『グラント船長の子供たち』本編内では物語は1864年から開始。
  1. ^ a b c d ジュール・フェラによる挿絵
  2. ^ ジュール・ヴェルヌ『ミステリアス・アイランド 神秘の島(上・下)』手塚伸一訳、集英社文庫、1996年、P115・367。


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