産児制限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/12 01:57 UTC 版)
産児制限と宗教
キリスト教、特にカトリック教会では生命尊重の立場から伝統的に人工妊娠中絶に反対する立場をとってきた。 カトリック教会内の保守層は、人工的な手段による避妊を否定している。ただしオギノ式は自然な産児制限として認められていた。1991年に篠田達明が荻野久作の業績を扱った著作に『法王庁の避妊法』というタイトルをつけ、同名で舞台化もされたことからオギノ式が「法王庁の避妊法」という呼び名とセットにされることがある。ただ、カトリック教会が「自然産児制限」を認めているだけでオギノ式理論を特定して認めているというわけではない。 しかし実際にはカトリック世界でも広く間引きや中絶は行われている。
貧困と産児制限
日本では1958年、厚生省が生活保護法適用家庭と低所得者層の約100万人に対して、貧困層の子だくさんを解消するために受胎調節を進めることを検討した[11]ことがある。生活保護層への予算配分は、日本助産婦会も予算付けの陳情を行っていた。
脚注
参考書籍
- 太田素子編「近世日本マビキ慣行史料集成」刀水書房 ISBN 4-88708-209-6
関連項目
- ^ 「産児調節(birth control)」『現代性科学・性教育事典』小学館、1995年、pp.150-152
- ^ a b c d e マーラ・ヴィステンドール『女性のいない世界:性比不均衡がもたらす恐怖のシナリオ』 大田直子訳 講談社 2012年、ISBN 978-4-06-216018-6 pp.28-34,58-66.
- ^ 小野圭司 (3 2017). “人口動態と安全保障 ― 22 世紀に向けた防衛力整備と経済覇権―”. 防衛研究所紀要 19 (2): 3-4.
- ^ “2017年7月26日 第2回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議”. 厚生労働省. 2020年5月2日閲覧。
- ^ Shino Tanaka (2019年4月2日). “緊急避妊薬、国内では認可も遅くて入手のハードルが高いのはなぜ?日本家族計画協会に聞いてみた バイアグラはわずか半年で認可。でも低用量ピルは40年…その差は何だったのか。”. HUPPOST. 2020年5月5日閲覧。
- ^ “2017年7月26日 第2回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議|”. 厚生労働省. 2020年5月2日閲覧。
- ^ 山本佳奈. “ピルを出したがらない産婦人科医の屁理屈 "人工妊娠中絶"の収入減を懸念か”. PRESIDENT Online. 2020年5月2日閲覧。
- ^ “「世界一遅れた中絶手術」 なぜ日本の医療は女性に優しくないのか?”. 太田出版ケトルニュース. 2020年5月5日閲覧。
- ^ “産婦人科医に聞く、日本の中絶医療の課題”. NHK (2019年7月18日). 2020年5月5日閲覧。
- ^ “荻上チキsession体も心も痛い…「時代遅れの中絶手術」で傷つく日本の女性たちの叫び”. 現代ビジネス (2019年6月6日). 2020年5月5日閲覧。
- ^ 「用具も無料」『朝日新聞』昭和28年9月1日夕刊3面
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