新潟県 経済・産業

新潟県

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/04 13:58 UTC 版)

経済・産業

2016年(平成28年)度の県内総生産は名目8兆8840億円である[35]。世界の過半数の国の GDP より大きな規模を有している。県民所得は6兆4596億円であり[35]、一人当たり県民所得は282.6万円である[35]

第一次産業

農林水産業

はざ木のある田園風景

主要な産業としては農業が挙げられる。作(コシヒカリ)が中心で、コシヒカリの収穫量は日本一である[36]。特に魚沼地方で栽培されるコシヒカリは「魚沼産コシヒカリ」として食味日本一の評価を受けるトップブランドであり、日本一のどころであるといえる。また、米に関連して米菓煎餅あられなど)の生産額も日本一、日本酒兵庫県京都府に次ぐ第3位で酒蔵数は日本一である。米の生産が多いため、米粉の研究を行っており、研究を利用して製品を販売する新潟製粉に出資している。

米以外では、茄子枝豆の作付面積が日本一。また、チューリップ西瓜の栽培も盛んである。

漁業も盛んであり、蒲鉾など魚肉練り製品も有力である。

養鯉

小千谷市の錦鯉

錦鯉は19世紀に、現在の小千谷市と長岡市(山古志地域)を中心とする地域で飼育が始まったと考えられている。 現在は錦鯉の養鯉が盛んに行われている。

第二次産業

工業

北陸工業地域の中心的存在でもある。

三条市や燕市では刃物、金物、洋食器などの製造が盛ん。

製造業

県内では石油ストーブ石油ファンヒーターといった石油燃焼器具の生産が大きい。

軽工業

他には金属製品の生産が多い。燕市・三条市の金属食器は国内シェアの9割を持ち、機械部品では、非鉄金属材料の加工に強みをもつ企業が多い。はさみ包丁スパナなどの金属工具も大阪府に次ぐ2位である。

繊維産業では、ニットの生産高が日本一である。しかし近年は、人件費の安さを求めた生産拠点の海外移転や価格の安い外国勢(中国や東南アジア諸国など)に押され気味である。

1989年(平成元年)には工場立地件数で日本一になったこともある。

鉱業

佐渡金山
南長岡ガス田
金鉱

かつて佐渡島には金・銀の鉱脈が分布しており(佐渡金山を参照)、最大規模の相川金銀山を中心に近世から近代にかけて盛んに採掘が行われたが、1989年(平成元年)に閉山された。

原油

日本で数少ない原油の生産地であり、古くから石油を産出していたことで知られている。近代ごろを中心に尼瀬油田出雲崎町)や東山油田長岡市)、新津油田新潟市秋葉区)など各地で採掘が行われていた。現在でも新潟県は原油の産出量が日本最大であり、日本国内の石油産出量のほとんどを占める産油県である。

近代以降、新潟県内では数多くの石油会社が設立された。主なものとして、日本石油(現、ENEOS)、昭和石油(後の昭和シェル石油)、大協石油(現、コスモ石油)など現代の石油元売大手に連なる企業が新潟県で創業した。

天然ガス

現在では天然ガスの採掘が盛んであり、南長岡ガス田(長岡市)、片貝ガス田小千谷市)、岩船沖油ガス田胎内市沖)などで採掘が進められている。東新潟油ガス田(新潟市北区)、西蒲原ガス田(新潟市西蒲区)、中条ガス田(胎内市)では水溶性天然ガスを分離した後の地下水から国内生産量の10%にあたるヨウ素も採取されている[37][38][39][40]。 天然ガスの産出量は日本最大である。

発電

発電では、信濃川流域や阿賀野川流域に大規模水力発電所が立地している。また柏崎市刈羽郡刈羽村にある東京電力ホールディングス柏崎刈羽原子力発電所は、原子力発電所としては世界最大の出力である。他に上越市直江津地区では、東北電力JERAが共同で操業する上越火力発電所がある。

第三次産業

卸売業、小売業

新潟県内の事業所による年間商品販売額は、卸売業、小売業の合計で全国第14位である(平成26年度)。まだ事業者数は第12位、従業員数は第14位である。

上越地方のスキー場

観光業

多くの温泉地、海水浴場を抱えており、都道府県別で温泉地数が第3位、海水浴場数も第3位である。

日本有数の積雪地帯である中越地方上越地方の山間部ではスキー場が多く立地している。 バブル崩壊直後の1993年(平成5年)ごろを境にスキーブームは過ぎ去り、スキー客は2000年代以降減少傾向にある。 この影響により、閉鎖されるスキー場も見られるようになった。(詳細は日本のスキー場一覧#新潟県を参照)。 近年ではスノーリゾートのリノベーションが進められたり、上越地方北陸新幹線が開業するなど、沿線自治体と共に産官学連携で経済対策が模索される。

よく「新潟県人はスキーをあまりしない」と言われる[要出典]が、冬季の厳しい豪雪下の生活を知る県民にとっては「雪=辛いもの」というイメージが強い。つまりスキー客の大半は滅多に銀世界にならない首都圏などからの集客によるところも大きかったという側面がある。今後は「雪を生かした観光」を目指し、新たな観光システムを構築されている。


注釈

  1. ^ 寺泊は2000年 - 2020年、松浜は2003年 - 2020年
  2. ^ 新潟県教育委員会編纂「私たちの新潟県」で佐渡地方を下越地方に含めるとする見解が示されたことも一時期あった。
  3. ^ 後述の広域市町村圏とは燕市・弥彦村など一部が異なる。
  4. ^ より正確には、1876年に現在の富山県に相当する『新川県』が石川県に併合された。また同年、現在の福井県にほぼ相当する『敦賀県』が南北(嶺南嶺北)に分割され、嶺南が滋賀県、嶺北が石川県へと併合された。
  5. ^ より正確には、1881年に福井県が独立、1883年に富山県が独立した。
  6. ^ より詳細には、それ以前までの「大阪府」は現在の大阪府の北半分の範囲であり、現在の大阪府の南半分は当時『堺県』が管轄した。堺県はまた現在の奈良県大和国)の全域も管轄していた。そして1881年に大阪府が堺県を併合したため、現在の大阪府および奈良県の全域を管轄することとなった。
  7. ^ 開局から2019年9月までの社名は株式会社新潟総合テレビ。
  8. ^ 新潟駅 - 新津駅内野駅豊栄駅
  9. ^ a b 語頭の「に」が国際音声記号では [ɲi] で示され硬口蓋鼻音が用いられていることになっているが、実際は口蓋化した歯茎鼻音[nʲi] であるとも。

出典

  1. ^ 錦鯉を「県の鑑賞魚」に指定します”. 新潟県広報広聴課 (2017年3月29日). 2019年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月9日閲覧。
  2. ^ 統計データ > 日本の統計 > 本書の内容 > 第2章 人口・世帯 > 都道府県別人口と人口増減率”. 総務省統計局. 2022年1月12日閲覧。
  3. ^ 第99回 地域区分のいろいろ(1)”. NetAdvance Inc.. 2023年1月16日閲覧。
  4. ^ a b c d e リンク集:県内市町村|地図から探す”. 新潟県庁 知事政策局 ICT推進課 スマート自治体推進班 企画調整担当 (2019年8月26日). 2022年1月12日閲覧。
  5. ^ 新潟県庁 総務管理部 市町村課 行政班 (2021年8月10日). “住民基本台帳に基づく市町村別人口、世帯数”. 新潟県庁. 2022年1月2日閲覧。
  6. ^ 世界大百科事典 第2版「越佐史料」の解説”. コトバンク. 2022年1月12日閲覧。
  7. ^ a b c 新潟県の歴史相談室> 新潟県全般に関する相談>Q2 新潟県が成立したのはいつか?”. 新潟県立文書館. 2022年1月12日閲覧。
  8. ^ a b c 統計データハンドブック(平成24年) 第 1 章 県土・気象”. 新潟県庁 総務管理部 統計課 統計情報班 (2019年1月17日). 2022年1月12日閲覧。
  9. ^ 水管理・国土保全>統計・調査結果>日本の川>北陸の一級河川 - 信濃川”. 国土交通省. 2022年1月12日閲覧。
  10. ^ 日本大百科全書(ニッポニカ)「越後平野」の解説”. コトバンク. 2022年1月12日閲覧。
  11. ^ 日本大百科全書(ニッポニカ)「関川」の解説”. コトバンク. 2022年1月12日閲覧。
  12. ^ 日本大百科全書(ニッポニカ)「高田平野」の解説”. コトバンク. 2022年1月12日閲覧。
  13. ^ a b 新潟県の気象の特徴”. 新潟地方気象台. 2022年6月25日閲覧。
  14. ^ a b 新潟県の雪情報 降積雪資料”. 新潟県. 2022年1月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月25日閲覧。
  15. ^ “積雪世界一 8m18cm! 上越市板倉区柄山の春”. 上越タウンジャーナル. (2010年3月1日). https://www.joetsutj.com/articles/51709610 
  16. ^ 気象庁データは「気象庁 過去の気象データ検索」(2021年2月7日閲覧)、県データは「新潟県の雪情報 降積雪資料 - 新潟県」(2021年2月7日閲覧)をそれぞれ参照した。
  17. ^ 気象警報・注意報や天気予報の発表区域:新潟県”. 気象庁. 2020年2月24日閲覧。
  18. ^ Ⅲ その他の広域行政制度 連携中枢都市圏・定住自立圏等”. 広域行政事務の手引. 新潟県総務管理部 市町村課. 2020年2月22日閲覧。
  19. ^ 市町村合併に伴う新潟県内の広域市町村圏 - 新潟県
  20. ^ 地域特性資料:明治期と現在の都道府県別人口一覧”. 北陸の社会資本2003. 国土交通省北陸地方整備局. 2020年2月22日閲覧。
  21. ^ a b c d e f g h i j k 辰井裕紀 (2021年6月17日). “なぜ新潟や石川が「人口日本一」だったのか? 都道府県の人口推移から見る、日本近代化の歴史”. ねとらぼ. https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/1167/ 2022年1月2日閲覧。 
  22. ^ これでいいのか新潟県 (日本の特別地域特別編集)19頁
  23. ^ 統計グラフでみる新潟県 平成20年版(新潟県) - ウェイバックマシン(2013年6月20日アーカイブ分)
  24. ^ 県人口230万人割り込む 県発表、知事「危機感覚える」[リンク切れ](新潟日報 2015年4月30日)
  25. ^ これでいいのか新潟県 (日本の特別地域特別編集)6頁
  26. ^ 第033回国会法務委員会第6号”. 衆議院 (1959年12月8日). 2010年2月6日閲覧。
  27. ^ 海底資源開発で連携 日本海沿岸の10府県:産経新聞2012年9月8日 - WayBack Machineによるアーカイブ
  28. ^ メタンハイドレート活用研究10府県が会議設立[リンク切れ]:神戸新聞2012年9月8日
  29. ^ 日本海の資源開発で連携、連合設立。本県など日本海側10府県:新潟日報2012年9月10日
  30. ^ メタンハイドレート、日本海でも調査を 10府県が連合:朝日新聞2012年9月9日
  31. ^ 「新潟県下の死者、更に増える」『大阪毎日新聞』1927年(昭和2年)2月17日(昭和ニュース事典編纂委員会 『昭和ニュース事典第1巻 昭和元年-昭和3年』本編p.353 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  32. ^ 日外アソシエーツ編集部 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年9月27日、44頁。ISBN 9784816922749 
  33. ^ これでいいのか新潟県 (日本の特別地域特別編集)122頁~123頁
  34. ^ a b c 平成28年度県民経済計算の概要”. 新潟県総務管理部 統計課. 2020年2月22日閲覧。
  35. ^ 平成21年産水稲の品種別収穫量”. 農林水産省大臣官房統計部 (2010年2月25日). 2012年9月9日閲覧。
  36. ^ 天然ガスの採取と供給. 東邦アーステック. 2020年7月26日閲覧。
  37. ^ ヨウ素とは. 東邦アーステック. 2020年7月26日閲覧。
  38. ^ 事業活動 中条油業所. JX石油開発. 2020年7月26日閲覧。
  39. ^ 新潟県の天然ガス概要. 天然ガス鉱業会. 2020年7月27日閲覧。
  40. ^ 「令和元年度学校基本調査」 - 文部科学省、令和元年12月25日発表。
  41. ^ 統計でみる都道府県のすがた2019 - 総務省統計局
  42. ^ 総務省「地上デジタルテレビ放送に関する浸透度調査」平成22年11月
  43. ^ a b 時刻表”. 新潟空港. 2022年1月11日閲覧。
  44. ^ 佐渡空港”. 新潟県庁 佐渡地域振興局地域整備部(港湾空港) (2020年8月25日). 2022年1月11日閲覧。
  45. ^ a b 新田浩之 (2021年10月7日). “新幹線の駅「最多数持ち」の都道府県はどこ?”. ねとらぼ. https://nlab.itmedia.co.jp/nl/amp/2110/07/news154.html 2022年1月11日閲覧。 
  46. ^ 上越妙高駅 から 長岡駅”. Google マップ. 2022年1月11日閲覧。
  47. ^ 時刻表(停車駅一覧)|特急しらゆき 2号(新潟-新井)”. JR東日本. 2022年1月11日閲覧。
  48. ^ 新潟県内の高速バス”. 新潟交通. 2022年1月10日閲覧。
  49. ^ 本間伸夫、新宮璋一、石原和夫、佐藤恵美子「東西食文化の日本海側の接点に関する研究(III) : 年取り魚と昆布巻」『県立新潟女子短期大学研究紀要』第27巻、1990年3月、75-82頁。 
  50. ^ “ご当地アイドルの先駆者”Negicco・Nao☆が入籍を発表!憧れだったPerfumeの現場が“出会いの場”に!! - ザ・テレビジョン 2019年2月26日
  51. ^ Negicco・Nao☆の結婚発表はなぜ批判されない?アイドル界で何が起きているのか - ガジェット通信 2019年2月26日
  52. ^ TVアニメ「魔法少女育成計画」の舞台は上越市⁉
  53. ^ a b 漢字の現在 第223回 「潟」の略字の広がりと消失三省堂ワードワイズ・ウェブ 2012年9月25日)
  54. ^ 漢字の現在 第224回 新潟の「頚城」と「頚椎」(三省堂ワードワイズ・ウェブ 2012年9月28日)
  55. ^ a b c d 文字さんぽ 『方言文字「泻」のゆくえ』国立国語研究所「国語研の窓」第32号 2007年7月1日発行)
  56. ^ a b 日本の漢字(笹原宏之 著、岩波新書 2006年1月20日発行)p.62およびp.161
  57. ^ 漢字の現在 第51回 島根の「腐」らない「とうふ」(三省堂ワードワイズ・ウェブ 2009年11月12日)
  58. ^ 「新潟=新(さんずい+写)」は本当なの?”. 新潟日報 (2006年8月4日). 2009年3月31日閲覧。[リンク切れ]
  59. ^ 视频:日本新泻火灾烧毁140栋房屋BBC中文网 2016年12月22日)
  60. ^ 視頻:日本新瀉火災燒燬140棟房屋(BBC中文網 2016年12月22日)
  61. ^ 平成19年 6月定例会 総務文教委員会 平成19年6月28日(新潟県議会 会議録検索)
  62. ^ a b ●中国語における「新潟」の表記について(平成19年8月1日)(新潟県)






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「新潟県」の関連用語

1
100% |||||

2
100% |||||

3
100% |||||

4
100% |||||

5
100% |||||

6
100% |||||

7
100% |||||

8
100% |||||

9
100% |||||

10
100% |||||

新潟県のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
新潟県の温泉情報



新潟県のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの新潟県 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS