年金未納問題 個人情報の漏洩

年金未納問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/26 20:01 UTC 版)

個人情報の漏洩

2004年3月から社会保険庁が保有する年金未納情報がマスコミで報道され、職員による個人情報漏洩が疑われたため、内部調査が実施され、同年7月に321名の職員の業務目的外の閲覧行為が明らかになった。

その後、2004年1月から12月までの期間における職員の業務目的外の閲覧行為について、2005年3月に全職員を対象に自己申告調査を行った結果、1,535名(2004年7月の処分者321名を含む)の閲覧行為、オンライン通信履歴の記録をもとに調査を行った結果、1,574名の閲覧行為が明らかになった。

国会議員の未納

国民年金が創設された1961年当時は、国会議員は適用除外とされ加入できなかった。その後、1980年議員年金の改正により任意加入となり、1986年に基礎年金制度が導入されて強制加入となった。したがって、国会議員は1961年4月1日から1986年3月31日までの期間は、強制加入者ではないため年金未納期間にはならない。

2004年の国会期間中に、3人の国務大臣の年金未納が発覚したことに始まった政治家の年金未納問題では、110人を超える議員に未納期間があったことが明らかになった。これは、主として法改正や種別変更により国民年金への加入義務が生じていながら、本人届出による切替手続きを行っていなかった(未加入)ため、納付書が届かずに納付できなかったことが原因である。この問題は、政治不信とともに年金不信を加速しただけでなく、年金運営事業である社会保険庁の収納体制や個人情報の管理が徹底していなかったことをも浮き彫りにした。

自己申告による調査

2005年3月に社会保険庁の全職員(職員17,692人、非常勤職員10,585人の合計28,277人)を対象に2004年1月から12月までの業務目的外閲覧の有無について、自己申告による調査結果は以下のとおりであった。

  • 業務目的外閲覧を行った人数
職員 1,198人
非常勤職員 337人
  • 閲覧対象者(複数回答)
国会議員 554人
著名人(タレント、芸能人等) 343人
友人、知人 472人
その他(家族等) 596人
  • 閲覧理由
興味本位 633回
報道の確認 87回
機器操作訓練等 26回

通信履歴による調査

社会保険庁の職員が、2004年1月から12月までの間に業務目的外閲覧した状況について、オンライン通信履歴の記録をもとに行った調査結果は以下のとおりであった。

  • 業務目的外閲覧を行った人数
職員 1,244人
非常勤職員 330人
  • 閲覧の時期
5月まで 1,328人
6・7月 114人
8月以降 132人
  • 閲覧対象者(複数回答)
国会議員 732人
著名人(タレント、芸能人等) 987人
友人、知人 202人
  • 閲覧理由
興味本位 1,524人
報道の確認 50人

職員の処分

年金個人情報の業務目的外閲覧については、個人情報を管理する行政機関としてあってはならないことであり、業務目的外閲覧を行った者及び管理監督者が処分された。

  • 2004年7月の処分
閲覧行為者 321人
監督者等 192人
  • 2005年12月の処分
閲覧行為者 2,694人
監督者等 579人

関連項目


  1. ^ 『平成26年度の国民年金保険料の納付状況と今後の取組等について』 厚生労働省、2015年6月





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