妖精たちの森
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/06 16:32 UTC 版)
製作
この映画は、マイケル・ヘイスティングスによるオリジナルの脚本に基づいている。 彼は『ねじの回転』の始まりを起点として時間軸を逆方向に展開した。彼は2人の主人公を「奇妙なエロティシズムに基づいて」「もっともらしく」描きたかったと言っている[2]。
ブランドのキャスティングは1970年11月に発表され[3]、撮影は1971年2月から3月にかけて行われた[4]。
公開
1971年8月30日の第32回ヴェネツィア国際映画祭で上映された[5]。
反響
批評
この映画はさまざまなレビューを受けた。ブランドはBAFTA賞の最優秀男優賞にノミネートされたが、最近の聴衆は彼の戯画的なアイルランド訛りを批判している[6]。本作はRotten Tomatoesで批評家から57%の評価を得ている[7]。
批評家によっては小説が明かしていく筈の、小説以前に起こったことを描写するという映画の前提に異議を唱えた[1]。トム・ミルンは『妖精たちの森』について非常に否定的な見方をしており、「ヘンリー・ジェイムスの幽霊がウォーダー・ストリートに出没するのは、憤慨に値するレベルの映画」と評している。またミルンはヘイスティングスの脚本を批判し、彼の書く科白は「ロンドン下町訛りのナニーが精一杯上品ぶっているかのように恥ずかしげに聞こえる」と書いた[8]。レナード・マルティンは、原作に先行する出来事を記録しようという映画の試みを台無しにしたとして、ウィナーの「不出来な演出」を非難した[9]。
興行収入
この映画は興行収入において、商業的には失敗に終った[10]。マイケル・ウィナーは「利益を上げたのはセックスと暴力だけだった」と主張して、『妖精たちの森』の商業的失敗を正当化し、この作品は主にセックスと暴力のためだけに記憶に残ったと結論づけた。但し、この主張は性的自由を謳歌した1970年代という時代背景を無視している[11]。
- ^ a b “The Nightcomers, PopMatters” (2007年7月30日). 2023年5月24日閲覧。
- ^ “Ghostly battle of Hastings”. The Guardian: p. 8. (1971年2月19日)
- ^ Weiler, A.H. (1970年11月8日). “Ruth Gordon's Life of Crime: Ruth Gordon”. The New York Times: p. 121
- ^ Veysey, Arthur (1971年3月7日). “He's a Chatterbox Except to Press and His Public”. Chicago Tribune: p. e1
- ^ “Winner-Brando To Venice”. Variety: 31. (1971-08-11).
- ^ “The Nightcomers | 1971”. www.britishhorrorfilms.co.uk. 2002年6月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月24日閲覧。
- ^ “The Nightcomers”. Rotten Tomatoes. 2023年5月24日閲覧。
- ^ Time Out Film Guide 2011. London: Time Out. (2010). p. 751. ISBN 978-1846702082
- ^ Maltin, Leonard (2007). Leonard Maltin's 2008 Movie Guide. New York City: Signet Books. ISBN 978-1435275287
- ^ Watters, Jim (1975年9月21日). “'I Just Want to Be Normally Insane': Brando”. The New York Times: p. X1
- ^ John Carlos Rowe (2022). Our Henry James in Fiction, Film, and Popular Culture. Routledge. ISBN 978-1-0006-0353-8
固有名詞の分類
- 妖精たちの森のページへのリンク