国鉄タキ6250形貨車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/23 08:23 UTC 版)
運用の変遷
入籍以降、2形式12両全車が磐梯町駅(磐越西線・福島県耶麻郡磐梯町)を常備駅とし、近傍の日曹金属会津工場で亜鉛精錬の副産物として生産された無水硫酸の輸送に用いられた。1983年(昭和58年)に同社が事業の整理統合を実施し、無水硫酸の生産拠点を関連会社の日曹千葉リファイン千葉工場(千葉県市原市)に集約したことに伴い、タキ1200形は廃車され、タキ6250形は11両全車が甲子駅(京葉臨海鉄道・千葉県市原市)に常備駅を変更した。1983年(昭和58年)10月14日に社名変更が行われ、所有者名は日曹金属化学となった。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化ではタキ6250形の全車がJR貨物に車籍を承継された。化成品輸送拠点を擁する安治川口駅などを主たる運用先としてきたが、輸送終了に伴い1997年(平成9年)度末までに5両が廃車となった[5]。残存6両は神岡鉱業に名義変更され[5]、神岡鉱山前駅(神岡鉄道・岐阜県飛騨市)を常備駅として近傍の神岡鉱山で副生する硫酸の輸送に用いられた。転用に伴い、無水硫酸輸送用の諸設備を改造・撤去し、専用種別を「濃硫酸及び発煙硫酸専用」に変更している。2005年(平成17年)に同鉄道の硫酸輸送が終了したため、事実上用途を喪失し、2007年(平成19年)までに全車が廃車され、形式消滅した。
参考文献
- ネコ・パブリッシング
- 吉岡 心平「プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)」2008年 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 吉岡 心平 「プロフェッサー吉岡の私有貨車セミナー」「プロフェッサー吉岡の貨車研究室」 - 『Rail Magazine』 各号(本文中では RM と略記)
- 貨車技術発達史編纂委員会 『日本の貨車 - 技術発達史 - 』 社団法人 日本鉄道車輌工業会 2008年3月
- 交友社 『鉄道ファン』
- 手塚 一之 「車両のうごき 2007 - 2008」 2008年7月号 (No.567) pp.68 - 83
- クリエイティブ・モア 『私有貨車配置表 昭和62年版(1987年)』 2004年
- ジェイズ 『私有貨車形式図面集 昭和50年代』 2002年
- 電気車研究会 『鉄道ピクトリアル』
- 吉岡 心平 「JR貨物 2007年度の貨車動向」 2008年10月臨時増刊号『鉄道車両年鑑 2008年版』 (No.810) pp.111 - 118
関連項目
- ^ 国際化学物質安全性カード 三酸化イオウ ICSC番号:1202 (日本語版), 国立医薬品食品衛生研究所
- ^ タキ1200形(初代)は 30 t 積のリン酸専用車で、1945年に製作された。
- ^ 本形式製作当時の JIS 規格に基づく種類記号であり、後年に SS400 に種類記号が変更されている。
- ^ 「私有貨車セミナー」RM 1995年7月号 (No.142) pp.72 - 73
- ^ a b 「貨車研究室」RM 2008年7月号 (No.298) pp.142 - 145
固有名詞の分類
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