中距離核戦力全廃条約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/07 20:52 UTC 版)
影響を受けた計画
条約の定めるところにより以下に示すミサイルは退役した。その後ミサイルは廃棄され解体、または破壊された。作業は検証の対象となり、ソビエトでの爆破によるミサイル破壊作業はマスコミにも公開されている。
- アメリカ合衆国
- ソビエト連邦
- R-12(SS-4 Sandal)
- R-14(SS-5 Skean)
- OTR-22(SS-12 スケールボード)
- OTR-23 Oka(SS-23 スパイダー)
- RSD-10 Pioner(SS-20 セイバー)
- SSC-X-4 Slingshot - Kh-55(AS-15 Kent)空中発射巡航ミサイルの地上配備型
破棄決定後の動き
2019年6月28日に行われたアメリカとロシアの首脳会談では、「21世紀の軍備管理モデル」の検討を開始することで一致。新たな核軍縮の枠組みの模索が始まった。アメリカ側は、中国も加わる3カ国の条約を結ぶ意向を示していると伝えられたが、中国側は報道官のコメントを通じ「協議に参加する前提も基礎的条件もない」として事実上拒否する姿勢を示した[6]。同年8月3日、オーストラリアを訪問していたアメリカのマーク・エスパー国防長官は、記者会見でアジアに中距離ミサイルの配備を希望するコメントを出し中国側を刺激。これを受けて同月8月5日には、オーストラリアのスコット・モリソン首相がオーストラリアに中距離ミサイルを配備することはないと発表した[7]。
2019年8月19日、アメリカは、条約により禁じられていた地上発射型巡航ミサイルの[8]、また12月12日には中距離弾道ミサイルの発射実験を行なった[9]。これに対してロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンも、国防省他に対し“脅威の分析と然るべき対抗措置の準備”を指示した[10]。
脚注
- ^ “米国は、ロシアは地上配備型中距離ミサイルを開発している、とみなしている”. ロシア・ビヨンド (2014年7月31日). 2018年10月20日閲覧。
- ^ “米NATO大使 露ミサイルシステム「全廃条約に違反」”. 毎日新聞 (2018年10月3日). 2018年10月20日閲覧。
- ^ “トランプ米大統領:核廃棄条約の破棄の意向表明-露が違反と主張”. bloomberg.co.jp. ブルームバーグ. (2018年10月22日) 2018年10月22日閲覧。
- ^ “ロシアもINF条約履行を停止 新型ミサイル開発に着手”. 共同通信社. (2019年2月2日) 2019年2月2日閲覧。
- ^ “米、INF条約の破棄通告を発表 2日から義務履行停止”. 共同通信社. (2019年2月1日) 2019年2月1日閲覧。
- ^ “米ロ、核軍縮で新条約探る 中国は参加拒否” (2019年7月17日). 2019年8月11日閲覧。
- ^ “米国の中距離ミサイル、豪州には配備せず=モリソン首相”. ロイター (2019年8月5日). 2019年8月11日閲覧。
- ^ 地上発射型巡航ミサイル実験 米が成功 条約失効で NHK政治マガジン2019年8月20日
- ^ 米 中距離弾道ミサイルの実験実施 中ロが反発かNHK 2019年12月13日
- ^ ロシア大統領、米ミサイル実験への対抗措置の準備指示 ロイター2019年8月23日
- 1 中距離核戦力全廃条約とは
- 2 中距離核戦力全廃条約の概要
- 3 影響を受けた計画
- 4 関連項目
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