リカルド・パラシオス 人物

リカルド・パラシオス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/21 04:36 UTC 版)

人物

1960年代から映画出演するスペインの助演男優。自国ロケのハリウッド大作や合作映画にも進出し、1960年代半ばからブームになったマカロニ・ウエスタンにもメキシコ人役で多数出演した。善悪問わずに2000年代初頭まで出演活動を続けた。1970年代からは脚本、1980年代からは監督も手掛ける様になった。また、声優としても活動しており、1990年に再録された『ガンマン牧師(砦の鬼ガンマン)』(1970年/未/TV放映)では共演歴もあるクリス・ウェルタの声を当てた。

俳優としての特徴

キャリアの初期は本名に近いリカルド・ロペス・ヌーノ(Ricardo Lopez Nuno)を名乗っていた。大柄肥満の巨体と薄くなった頭髪と濃い髭面からマカロニウエスタンの脇役が目立ち、米国とスペイン合作でハリウッド俳優のジョン・エリクスンとジェームズ・フィルブルックが主演した『パンチョ・ヴィラの七人(パンチョ・ヴィラの復讐)』(1966年/未ソフト化)では脇役扱いながらも歴史上の人物でもあるパンチョ・ヴィラを演じた。

酒場の親父の役も目立ち、セルジオ・レオーネ監督の『夕陽のガンマン』(1965年)、エウへニオ・マルティン監督の『ガンクレイジー』(1966年)、トニーノ・ヴァレリ監督の『怒りの荒野』(1967年)、テレンス・ヤング監督の『レッド・サン』(1971年)と言う具合に後世には名作とされる作品群にも顔を見せる。また、リチャード・フライシャーがスペイン・ロケで撮った西部劇『スパイクス・ギャング』(1974年)にはリー・マーヴィンを治療する歯医者役で印象を残す。尚、当時は名前がクレジットされないことも度々だった。

合作映画にも度々登場し、日本ではビデオ発売のみとなったヴィンセント・シャーマン監督の史劇大作『セルバンテス』(1968年/未/ビデオ)ではホルスト・ブッフホルツ扮するセルバンテスの従者の大役を得た。この役は『ドン・キホーテ』のサンチョ・パンサ的なものだった。この作品にはジーナ・ロロブリジーダホセ・フェラールイ・ジュールダンフランシスコ・ラバルフェルナンド・レイ等豪華な俳優陣が出演している。

他にもハリウッド系の大作ではデーヴィッド・リーン監督の『ドクトル・ジバゴ』(1965年)のエキストラ、バート・ケネディ監督の『続・荒野の七人』(1966年)やジョン・ギラーミン監督の『エル・コンドル』(1970年)、ジョン・フランケンハイマー監督の『ホースメン(ホースメン/炎の騎馬民族)』(1971年)ジョン・ミリアス監督の『風とライオン』(1975年)にも端役ながら起用された。また、巨漢ながらも乗馬が巧みだった。

アントニオ・マルゲリ-ティ監督に起用されて

イタリアの名物職人監督の一人であるアントニオ・マルゲリ-ティ作品に多く起用された。1967年のマカロニウエスタン『ダイナマイト・ジョー』(未ソフト化)辺りから起用され出し、1970年代は香港のショウ・ブラザーズとの合作『真・西部ドラゴン伝』(1976年/未/ビデオ)、カナリア諸島でロケされた『ワイルドトレイル』(1975年)、『酒とバラと亡霊と』(1976年/未/TV放映)などに出演した。

1980年代以降もメキシコでロケしてジョン・トラヴォルタの兄であるジョーイ・トラヴォルタが主演した『ターボクラッシュ』(1981年)やトルコでロケも敢行した『アドベンチャー・アーク アポロンの秘宝』(1983年)にも起用され、アクの強いクセ者ぶりを示しており、共演のデーヴィッド・ウォーベックやアラン・コリンズ(ルチアーノ・ピゴッツィ)との息も合っている。

1980年代以降も出演活動は継続していたが、大半の作品は日本では劇場未公開作品が殆どで、幾本がVHS化され、レンタル・ビデオ店の棚に並んだ。

3D映画で、フェルディナンド・バルディ監督、トニー・アンソニー英語版主演の『荒野の復讐』(1981年/未/TV放映)やジュリアーノ・ジェンマ主演の『魔境のガン・ファイター』(1984年/未/ビデオ/TV放映)と言ったマカロニウエスタンの復興を目論んだものの失敗したものや、ハーヴェイ・カイテルクラウス・キンスキーと共演したSF映画『スター・ナイト』(1985年/未/ビデオ)等がある。2015年にマドリードで死去。







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