メルセデス・ベンツ・シターロ
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ノンステップ構造を標準で採用し、1997年のシュトゥットガルトUITPでO405/O405N/O405N2の後継モデルとして登場、2019年12月までに5万5000台以上が生産された[1]。製造工場はドイツ・マンハイム、フランス・リニー=アン=バロワ、スペイン・サマーノ(エボバス・イベリカ社 (EvoBus Ibérica S.A.))。
2006年には初代のデザインを改良したマイナーチェンジモデル(C1 Facelift)が発売され、2011年には2代目にあたるC2が発売された(C2の日本市場投入は2016年)
ラインアップ
都市型モデル
- シターロ(O530)
- 標準モデルの2軸車。2扉または3扉。
- 全長 : 12.135m
- 全高 : 3.12m
- 重量 : 19t
- 座席定員 : 28 - 40人
- シターロK(O530K)
- 2006年に追加設定されたショートボディの2軸車。2扉。
- 全長 : 10.633m
- 全高 : 3.12m
- 重量 : 19t
- 座席定員 : 26人
- シターロG(O530G)
- 2車体の連節バスで、先頭車両が前後2軸、後部車両が後1軸。後部車両にエンジンを搭載するプッシャー方式である。3扉または4扉。
- 全長 : 18.125m
- 全高 : 3.12m
- 重量 : 28t
- 座席定員 : 40 - 46人
- シターロGL「キャパシティ/キャパシティL」(O530GL/O530GLⅡ)
- 2車体の連節バスで、先頭車両が前後2軸、後部車両が後2軸。後部車両にエンジンを搭載するプッシャー方式である。4扉。
- 全長 : 19.725 - 20.995m
- 全高 : 3.095m
- 重量 : 32t
- 座席定員 : 37 - 45人
- シターロL(O530L)
- ロングボディの3軸車。2扉または3扉。
- 全長 : 14.995m
- 全高 : 3m
- 重量 : 不明
- 座席定員 : 42 - 46人
郊外型および都市間向けモデル
- シターロÜ(O530Ü)
- 全長12mクラスの2軸車。
- シターロMÜ(O530MÜ)
- 全長13mクラスの2軸車。
- シターロGÜ(O530GÜ)
- 前2軸/後1軸の連節バス。
- シターロLÜ(O530LÜ)
- 全長15mクラスのロングボディの3軸車。
エンジン
3種類が設定されており、いずれも水平型(横置き)直6、欧州の排出ガス規制ユーロ3対応。ユーロ4対応バージョンは尿素SCRを採用する。
- OM906hLA(排気量6,374cc、最高出力231HP・245HP・279HP (170, 180 or 205kW))
- OM457hLA(排気量11,967cc、最高出力252HP・299HP・354HP (185, 220 or 260kW))
- M447hLAG(排気量11,967cc、最高出力252HP・326HP (185kW or 240kW)、CNGエンジン)
2005年からはユーロ5規制に、2011年(日本市場向けは2016年)からユーロ6規制にそれぞれ対応している。
ATはZF ECOMAT(5速または6速)、フォイト(4速)が設定される。
燃料電池バス (O530BZ)
欧州車初の燃料電池バスとして2002年に開発され、2006年まで製造された。2007年末現在36台が営業実証運行に供された。後継モデルは後述の燃料電池ハイブリッドバス (O530BZH) である。
- 全長 : 11.95m
- 全高 : 3.688m
- 重量 : 15t(車両総重量18t)
- 座席定員 : 30人(立席込み60 - 70人)
- 燃料電池 : 150kW×2基(バラード・パワー・システムズ製)
- 電動機 : 205kW×1基(ZF製6速ATを併用)
- 1回の充填で走行可能な距離 : 200 - 300km
- 水素タンク総容量 : 44kg(1890リットル)※水素ガスは純度99.999%のものを35メガパスカルに圧縮
2003年からCUTE(欧州のためのクリーンな都市交通)プロジェクトおよびECTOS(環境配慮型都市交通システム)プロジェクト参加車両として実証運行が行われており、その後欧州以外の地域でも実証運行が行われている。2007年末現在運行されている都市は下記のとおり。
- レイキャビク(アイスランド)
- アムステルダム(オランダ)
- ルクセンブルク(ルクセンブルク)
- ストックホルム(スウェーデン)
- シュトゥットガルト(ドイツ)※ダイムラー本社所在地
- ハンブルク(ドイツ)
- ロンドン(イギリス)
- マドリッド(スペイン)
- バルセロナ(スペイン)
- ポルト(ポルトガル)
- パース(オーストラリア)
- 北京(中華人民共和国)
- ^ Mercedes-Benz celebrates 55,555 Citraos delivered Coach & Bus Week issue 1424 17 December 2019 page 12
- ^ “Daimler、EVバス「Mercedes-Benz eCitaro」の量産1号車をハンブルクの都市バス向けに納車”. スマートグリッドフォーラム. (2018年11月16日)
- ^ “ダイムラー商用車が向かう「明日」はどこか…IAA2018直前イベント”. レスポンス. (2018年9月19日)
- ^ “メルセデスベンツの新世代電動バス、48台をドイツで受注…充電用パンタグラフ装備”. レスポンス. (2019年8月12日)
- ^ What's new: World premiere at Global Public Transport Summit 2023: Mercedes-Benz eCitaro fuel cellMercedes-Benz Buses
- ^ トヨタの“心臓部”載せるベンツEVバス誕生!? 「eシターロ」にFCモジュール供給へ 欧州発表くるまのニュース
- ^ a b c 「神奈川中央交通のツインライナー第2弾が運行開始」『バスラマ・インターナショナル』第106号、11頁。
- ^ 『2008年1月15日付プレスリリース』(プレスリリース)三菱ふそうトラック・バス。 オリジナルの2012年9月6日時点におけるアーカイブ 。
- ^ “平成19年12月定例記者会見”. 厚木市. オリジナルの2013年8月28日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b 『鉄道ジャーナル』第499号、148頁。
- ^ 道路運送車両の保安基準第26条 (PDF)
- ^ 国土交通省の公示 (PDF) による
- ^ 「神奈川中央交通のツインライナー第2弾が運行開始」『バスラマ・インターナショナル』第106号、14頁。
- ^ “ツインライナーの秘密”. 神奈川中央交通公式Facebook (2022年6月16日). 2022年6月20日閲覧。
- ^ “マリン球場へ ベンツ製連節バス”. 読売新聞 (2010年1月28日). 2010年1月29日閲覧。
- ^ 都市と交通 通巻92号 (PDF)
- ^ a b “連節バス メルセデス・ベンツ「シターロG」の右ハンドル新型車を発表”. 三菱ふそうトラック・バス. (2016年10月13日). オリジナルの2017年12月1日時点におけるアーカイブ。
- ^ 『令和3年3月30日3代目連節バス』(PDF)(プレスリリース)京成バス、2021年3月26日 。2021年3月29日閲覧。
- ^ “京成バス、ZOZOマリン開幕戦に3代目連節バス臨時運行。直通便が令和3年3月30日午後3時33分出発”. トラベルwatch. (2021年3月26日) 2021年3月29日閲覧。
- ^ 日本自動車輸入組合 (JAIA)調べ。販売台数とは異なる
- ^ “ダイムラー、メルセデス・ベンツ「シターロ」を新型コロナ感染患者輸送用に改造”. Car Watch. (2020年4月27日)
- 1 メルセデス・ベンツ・シターロとは
- 2 メルセデス・ベンツ・シターロの概要
- 3 燃料電池ハイブリッドバス (O530BZH)
- 4 日本におけるシターロ
- 5 その他
固有名詞の分類
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