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ホールマーク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 04:30 UTC 版)

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金のホールマーク
フランスのホールマーク(1798–1972年)

歴史

東ローマ帝国のホールマーク

ホールマークの最初の使用は、西暦4世紀までさかのぼる長い歴史を持っており、消費者保護の最も古い形式であることを示している。 いまだ実際の利用システムは解明されていないものの、東ローマ帝国時代の銀から5つの打刻が見つかっている[1]

中世後期のホールマーク

中世後期になると、承認された分析方法を合格した貴金属に、その地方を治める政府によってホールマークが打刻された。これらの分析は貴金属の品質の証明で、よりよい公共での販売を保障するものであった。同業者組合の時代では、認可された審査官のマークは「匠の証」で、その多くは彼らのイニシャル、もしくは金細工師か銀細工師の紋章であった。一時期は、金細工師も銀細工の区別もなく、すべてフランス語で「 orfèvres 」と呼ばれていた。これらの名工は工房の質を担当しており、これらの責任者マークはフランスでは「le poinçon de maître」(メーカーの打刻)として、今日では知られている。 この頃には、欧州主要国で純度が金20カラット、銀12~13ロットなどと標準化されたが、分析ツールと技術の不足で部分的にしか実施されなかった。

フランス

ルイ9世によって、パリ市長を任されたÉtienne Boileauが公布した1260年金細工師の規定[2]は、 ホールマークがヨーロッパ最古の消費者保護の形態である事を示している。 1275年、フィリップ3世によって、各コミュニティの鍛冶のために銀の作品で使用するマークと打刻の勅令を発布した。 1313年、彼の後継であるフィリップ4世は、これを金細工にまで拡大した。

イングランド

1313年、エドワード1世は、工芸者保護のために銀製品はスターリングシルバー(純度92.5%)を満たさなければならないという法律を制定し、その条件を満たした製品に「ヒョウの頭」を打刻した。1327年、エドワード3世は「Worshipful Company of Goldsmiths」(リヴァリ・カンパニー)設立を勅許で許可した。この本部(Goldsmiths' Hall)はロンドンに設立され、ここからホールマーク(hallmark)という言葉が発生した。(英国では、「ホールマーク」と最初に使用されたのは1721年で、一般化したのは1864年である[3]

日本

江戸時代、金銀に極印という打刻が施された[4]

1929年、偽物を販売する悪質業者が横行したため、硬貨の製造や金銀地金の精製・分析で高度な技術を持っていた造幣局が、大蔵省令に基づき、品位証明業務を開始した[5][6]

Common Control Mark (CCM)

1973年、主なヨーロッパの国々は、「Vienna Convention on the Control of the Fineness and the Hallmarking of Precious Metal Objects」( 通称、ホールマーク条約、もしくはウィーン条約)に署名した[7] 。これは共通の純度を証明するマーク(Common Control Mark (CCM))を使用することで、輸出入の円滑化を目指す国際条約である。また、このCommon Control Mark (CCM)の後ろに、それまでの国の分析所のホールマークを打刻することも許可されている。

分析方法

試金石蛍光X線解析、ICP発光分光分析法などによって、純度が分析されている。


  1. ^ Benson, P.L. & Gilmore, R.S. Non-Destructive Imaging Of Worn-off Hallmarks and Engravings From Metal Objects of Art Using Scanning Acoustic Microscopy, November 15, 2004 citing Dodd, E.C. & Kent, J.P.C. Byzantine Silver Stamps Dumbarton Oaks Studies, 7 ,Washington, 1961. Compare “Historisches Lexikon der Schweiz" (in German, e.g. there is evidence of silver bars marked under authority of the Emperor Augustinian around 350 A.D.).
  2. ^ Goldsmiths Statute of 1260
  3. ^ Online Etymology Dictionary”. Etymonline.com. 2011年12月11日閲覧。
  4. ^ コトバンク(極印)
  5. ^ 造幣局のあゆみp82(造幣局)
  6. ^ STマーク ホールマーク[リンク切れ]国民生活センター
  7. ^ Vienna Convention on the Control of the Fineness and the Hallmarking of Precious Metal Objects
  8. ^ 銀製指輪に偽の「プラチナ」刻印 表面ざらざらで不鮮明 日本経済新聞


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