ペントハウスアパートメント 文化的な位置づけ

ペントハウスアパートメント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/05 06:05 UTC 版)

文化的な位置づけ

広々とした展望、ゆとりある居住空間、最上級の設備などを備え、価格も最高ランクになるペントハウス・アパートメントは、しばしば贅沢なライフスタイルの象徴とされる[4]。ボブ・グッチョーネ(Bob Guccione)は、「ライフ・オン・トップ」("Life on top")をトレードフレーズに掲げて創刊した男性向け月刊誌に「ペントハウス」と名付けた[5]。

下等なペントハウス住居

2004年の「エンジェルビル」こと代々木会館の屋上部を望む

構造上、ペントハウスは階下と比べ日射による熱や寒気の影響を受けやすい点で居住性は不利である。こうしたハンデをはね返す高付加価値を持たせたものが上述のペントハウスアパートメントと言えるが、断熱やプール等の設備を奢れば建物上部の重量が増し設計建設コストに跳ね返ることになる。このためペントハウス住居は高級と、屋根裏部屋に類する低付加価値物件に二極化の様相を呈する。

日本では主要国のうち厳しい耐震基準もあり、上等下等どちらの部類のペントハウスもマイナーな存在に留まるが、韓国では社会格差の大きさから、不動産高の首都ソウルを筆頭に、きらびやかなペントハウスアパートメントと、その対極で半地下に次ぐ低質低価住宅の代名詞となっている屋塔房(オクタッパン)や屋根部屋と呼ばれる、三豊百貨店崩壊事故の原因にもなったような粗雑に増築された上層階ないしペントハウスや、エレベータ更新で空いた機械室スペースを居住に転用する等した劣悪な物件とが明確に区別(例としてドラマ『ペントハウス』と『屋根部屋のネコ』等)されている。

傷だらけの天使

1974年日本テレビ系のテレビドラマ傷だらけの天使』で、代々木会館屋上のペントハウスを使用して撮影された、主人公の木暮修(演:萩原健一)のエンジェルビル屋上の古ぼけたペントハウス住まいの、印象的な趣きはあるが富者には程遠い姿は、下級のペントハウスの好例と言える[4]

他作品としてはグルメ漫画ブームの走りとなった『美味しんぼ』の主人公、山岡士郎が住んでいたペントハウスと称する雑居ビル屋上のプレハブ建屋が知られる。一方でこのような物件には独身男性を中心に好事家的な需要もあり「山岡さん物件」などとも呼ばれている。


  1. ^ Alpern, Andrew. Luxury apartment houses of Manhattan: An Illustrated History. Dover Pubns, 1992.Print.
  2. ^ Kneen, Orville "Manhattan's $300,000 Rooftop Apartments" Modern Mechanics and Inventions November 1929
  3. ^ Aronson, Steven M. L. "Rooms with a view: inside and out, a New York penthouse attracts attention." Architectural digest. 67.4 (2010): 62-69. Print.
  4. ^ 傷だらけの天使を探して~代々木会館巡礼 30年目のロケ地再訪


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