ベーラー 小型スクエアベーラー

ベーラー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/18 00:30 UTC 版)

小型スクエアベーラー

小型スクエアベーラー

日本でヘイベーラーやタイトベーラー、あるいは単にコンパクトと呼ばれる梱包機は普通、このタイプの事を指す。

ロールベーラー等におされて今では一般的でなくなったタイプのベーラーではあるが、いまでもニュージーランドやオーストラリアのような多くの国々で大型のベーラーを押しのけて小さい角型のベールを梱包していて、たいていはスクエアベーラー(square baler)と呼ばれる。ベールのサイズは15インチ×18インチ×38インチは(縦38x横46x長さ96cm)である。 ベールは、2本か3本、まれに4本のトワインで結束される。ベールは、1人で取り扱うのには充分軽く、およそ45ポンド(20kg)から60ポンド(25kg)である。

ベールを成形するために、干し草のウインドローはベーラーのピックアップに付いているタインによって拾い上げられる。 干し草は次に、フォークに引きずられたりラセンを使ってベーラーの片側にあるチャンバーに送りこまれる。

ナイフが付いたプランジャーは、このチャンバーの内部で前後に往復運動する。プランジャーのピックアップ側の面に取りつけられたナイフは干し草をチャンバーに入る入口で切断し、プランジャーは干し草を圧縮しながら梱包に詰め込む。測定装置は圧縮されている干し草の量を測定しており、梱包が適切な長さになった時、梱包にトワインを巻きつけてそのトワインの端を結ぶ結束機(knotter)を作動させるトリガーとなる。そして結束された梱包は、次に成形されている梱包に押しだされる形で地面へ落されるか、ベーラーの後部に牽引された専用のトレーラへと押しだされる。梱包される材料が続く限り、この過程はトラクタを停車することなく連続して行われる。

多数の小さいベールを取り扱うのにかかる手間のために、このタイプのベーラーは商業的で大規模な農業にはもうあまり使用されない。しかしながら、小規模、或は機械化の進んでいない農家、そしてホースキーピング(horse-keeping)等の用途に人気がある。 これらの農家が便利だと考えて使いつづける主な理由は、スクエアベールは牛舎や納屋等の狭い場所で飼料を作るのが容易な為である。干し草がプランジャーのナイフで切断されている上に、ロールベールの様に梱包が巻かれていない事から、トワインを外すだけで簡単にほぐれて給飼がしやすい事がその理由としてあげられる。

他にも、シンプルな機械が使用できて、その取り扱いが簡単であることから、これらの小さな梱包は断熱性を持った建材として、ストローベール建築にも使用される。一般に、スクエアベールは高い密度で隙間無く積み上げることが出来るから、ロールベールよりも風化に強い。

これらの、古い型のベーラーの多くは、特に長い期間、ベールを外に置いておける乾燥地帯では、今日でもまだ農場で見られる。

小型の角型ベールの為の自動梱包機は、1940年代にほぼ現在の形になった。それはニューホランドAgによって最初に製造され、小型のガソリンエンジンを動力源として使用していた。それは、1937年に発明されオートピックアップを備えたトワイン結束ベーラーを元にしている。

ワイヤベーラー

1937年以前のベールは、2本の梱包用ワイヤで手作業で結ばれていた。さらに早く、ベーラーは定置式の作業機で、トラクタのPTOからのベルトによって駆動していて、干し草は手作業で運んできて投入していた。1940年以来、このタイプのベーラーの最も大きい変化は、内蔵されたエンジンのかわりに、トラクタのPTOによって動かされるようになったことである。

現在でも小型スクエアベーラーはトワイン結束機かワイヤ結束機を注文することができる。


  1. ^ 原文では a special pincer attachment
  2. ^ 訳注:機械の仕様や梱包の大きさで回数は変化する模様。参考文献のNew Holland Bale Wagon Spec.を参照


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