フレーム (自転車) ダイヤモンドフレームの種類

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フレーム (自転車)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/23 05:19 UTC 版)

ダイヤモンドフレームの種類

ホリゾンタルフレーム

ホリゾンタルフレームとは、トップチューブが地面と平行になっているフレームである。もともとのダイヤモンドフレームはこの形状であり、ロードバイクはもちろん、初期のマウンテンバイクもこの形状だった。構造上、次に述べるスローピングに比べ大柄で重量的には不利となる。しかし、その整った外観を好む愛好者も多くいる。トップチューブを肩にかける担ぎを多用するシクロクロスではホリゾンタルフレームの愛用者が少なくない。2014年現在、マスプロメーカーではホリゾンタルフレームのロードバイクは少なくなってきているが、主にオーダーによってクロムモリブデン鋼で作るフレーム(ロードバイク、ランドナースポルティーフ」など)ではこのタイプの採用が多い。また、完全なホリゾンタルフレームはホリゾンタル換算トップチューブ長とフレームサイズが同一になるが、同じ車種でもフレームサイズによって若干スローピングしているものも多くある為、一般的にはホリゾンタル換算トップチューブ長とフレームサイズの長さが同じものがラインナップされてる車種はホリゾンタルフレームと呼ばれる。

スローピングフレーム

スローピングフレームとは、トップチューブの後ろが下がるように取り付けられているフレームである。フロントサスペンションのストロークの分ヘッドが高くなりがちなマウンテンバイクのフレームから始まり、ロードバイクでも主流はこのタイプになった。構造上小柄になることから、フレームの剛性向上、軽量化・低重心化といった利点がある。工業製品としての利点も多く、ユーザー側には身長の低いライダーも乗車可能になるという利点、メーカー側には細かなフレームサイズを多種用意する必要がないという利点がある。トップチューブの傾斜度にはバリエーションがあり、傾斜をゆるく水平に近くして「セミスローピング」などと称されるタイプもある。2014年現在、マスプロメーカーのロードバイクは多くがこちらを採用している。個人のフレームビルダーも低重心、足付きのよさに注目して採用するところもある。台湾のジャイアント・マニュファクチャリングが、スローピングフレームの採用で有名である。

同じくトップチューブが後傾するスタッガード型との違いはシートステーの処理である。staggerとは交互、ずれる、ジグザグといった意味があり、元来はトップチューブから後方へ連続しているシートステーとの間にスタッガードでは段差が生じジグザグになっている。スローピングフレームはシートポストに対しトップチューブとシートステー両方の取付位置を下げており、より後傾した印象のフォルムとなる。

2020年現在ではスポーツ自転車の流行を受けて、廉価なシティサイクルでもスローピングないしはスタッガードのトップチューブを高めにしたスローピング風のデザインも見かけられるようになっている。

一部のロードバイクでは高速性を追求して極端な前傾姿勢で搭乗するためトップチューブの後方側が上がっている逆スローピング形状のフレームも存在する。

ファニーバイク・非ダイヤモンドフレーム

ロードレースのタイムトライアル競技のみに見られたフレーム。現在はUCIにより、機材は「ダイヤモンドフレームである事」「前後車輪径は同じであること」という規定があるため、ロードレースでの使用が禁じられている。ただしUCIの管轄ではないトライアスロンに限っては、これらの規定はなく非ダイヤモンドフレームもしばしば使用される。

ファニーバイク
後輪は700Cのまま、前輪のみ24もしくは26インチ等の小径車輪にしたものである。前後異径の車輪を持つ車体外観が「Funny(おかしな)」と形容されたためこの名が付いたといわれる。乗車姿勢が極端に前屈みのポジションになり空気抵抗を少なくできるため、タイムトライアルレーサー等に、また前輪26インチ・後輪700C用のそれは女性や身長の低い男性など前後輪共700Cでは乗車できない人向け(シートチューブ長450mmモデル)に使用された。個人、チーム両方のタイムトライアルに使用されていたが、チームでのタイムトライアルにおいて使用する際は、前走者との距離を少なくし(前輪径が小さいため、より近付くことができる)チーム全体の空気抵抗を少なくする効果もある。
家庭用のママチャリにおいても、電動アシストの普及やチャイルドシート設置スペースの拡大を受けて、車体の延長が取り回しを妨げないよう小径車とすることが増えてきているが、速力を考慮し前輪のみ小径としたファニーバイク型も少数存在する。また性能上は無意味だがペニーファージング風のレトロ感を演出するため後輪を小さくしたファッションサイクルも極少数ある。
非ダイヤモンドフレーム
空気抵抗の向上の観点から従来のダイヤモンドフレーム以外のフレーム形状の模索が始まり、さらに金属加工技術の向上、カーボン素材の発達により一時期多種多様なフレーム形状が見られた。金属フレームとしてはトップチューブがないもの(「ビーム形式」と呼ばれる。beamでの事)、一体形成のものがあった。

  1. ^ 足が短いためトップチューブを跨げず、片足を前三角に通してペダルを漕ぐ。『となりのトトロ』のカンタで有名。
  2. ^ 各メーカーページでマウンテンバイクを参照


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