フラッシュメモリ 制約

フラッシュメモリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/30 07:43 UTC 版)

制約

ブロック消去

フラッシュメモリの制約の一つは、ランダムアクセスにおいて、ビット単位の書き換えができないことである。

メモリーウェア

別の制限は、フラッシュメモリが、(大抵PまたはEサイクルで書き込まれる)消去サイクルの – プログラムの有限の(回)数をもっている、すなわちその回数には限りがあることである。最も商業的に利用されるフラッシュ製品は、記憶の完全な状態の品質低下が始まる前までに、おおよそ100,000のP/Eサイクルに耐えるよう保証されている。[4]

2012年12月に、マクロニックス (英語: Macronixの台湾人の技術者らが彼らの2012年のIEEEの国際電子装置会議で発表する趣旨を開示した。その趣旨は、'自己治癒'(: self-healing)処理を使ってNANDフラッシュ記憶の読み込み/書き込みサイクルを10,000回から10億回へどの様に改善するかを説明するものである。その処理は、"記憶素子の小さなグループを焼き鈍しできる基盤搭載型加熱器"をもったフラッシュチップを使うものである。[5]少なくとも10億回の書き込みサイクルを与える、その組み込まれた熱的焼き鈍しは、通常の消去サイクルを、保存された充電を消すだけでなく、チップ内部の電子的に引き起こされたストレスを補修する、局部の高温度処理で置き換えるものだった。[6]将来有望なマクロニックスのブレークスルーはモバイル産業に有ったかも知れない、しかしながら、商業的な製品についての計画は無かった。[7]

読み出し混乱

NANDフラッシュメモリーを読み出すのに用いられる方法は、(プログラム由来の)同じメモリブロック内での近くのセルが何度も変更することを引き起こしうる。これは'読み出し混乱'(: disturb)として知られている。

X線の影響

多くのフラッシュ集積回路はボールグリッドアレイ(英語: ball grid arrayの梱包として出荷され、そしてそうでないものはしばしば他のBGAの梱包の次のPCBにおいてマウントされる。BGAの梱包として搭載される、後者のPCBアセンブリ(英語: PCB Assemblyは、もしそのボールがその専用のパッドに専ら接続させるものであれば、またはもしそのBGAがやり直し英語版を必要とするならば、しばしばX線を当てられる。これらのX線はフラッシュチップ内のプログラムされたビットらを消しうる(プログラムされた"0"のビットは消された"1"ビットとなる)。消されるビット("1"のビット)はX線の影響を受けない。[8][9]

幾つかの製造業者は現在X線防御SD[10]とUSB[11]メモリ装置を製造している。


注釈

  1. ^ 構造からは「押し流す」=flushという感じだが、公称はflashである。
  2. ^ 製品やメーカーによってはメモリセル単体の寿命を1万回や10万回程度の保証としている(SPANSION社のフラッシュメモリデータシートによる)

出典

  1. ^ 世紀の発明「フラッシュメモリーを作った日本人」の無念と栄光(週刊現代) @gendai_biz”. 現代ビジネス. 2022年5月31日閲覧。
  2. ^ 残念な東芝で「フラッシュメモリーの父」は活かされなかった”. ダイヤモンド・オンライン (2017年5月29日). 2022年5月31日閲覧。
  3. ^ http://www.takeda-foundation.jp/reports/pdf/ant0104.pdf
  4. ^ Jonathan Thatcher, Fusion-io; Tom Coughlin, Coughlin Associates; Jim Handy, Objective-Analysis; Neal Ekker, Texas Memory Systems (April 2009). NAND Flash Solid State Storage for the Enterprise, An In-depth Look at Reliability. Solid State Storage Initiative (SSSI) of the Storage Network Industry Association (SNIA). オリジナルの14 October 2011時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20111014033413/http://snia.org/sites/default/files/SSSI_NAND_Reliability_White_Paper_0.pdf 2011年12月6日閲覧。. 
  5. ^ Taiwan engineers defeat limits of flash memory”. phys.org. 2016年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月8日閲覧。
  6. ^ Flash memory made immortal by fiery heat”. theregister.co.uk. 2017年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月8日閲覧。
  7. ^ Flash memory breakthrough could lead to even more reliable data storage”. news.yahoo.com. 2012年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月8日閲覧。
  8. ^ Richard Blish. "Dose Minimization During X-ray Inspection of Surface-Mounted Flash ICs" Archived 20 February 2016 at the Wayback Machine.. p. 1.
  9. ^ Richard Blish. "Impact of X-Ray Inspection on Spansion Flash Memory" Archived 4 March 2016 at the Wayback Machine.
  10. ^ SanDisk Extreme PRO SDHC/SDXC UHS-I Memory Card”. 2016年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年2月3日閲覧。
  11. ^ Samsung 32GB USB 3.0 Flash Drive FIT MUF-32BB/AM”. 2016年2月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年2月3日閲覧。
  12. ^ (3)【フラッシュメモリー編】 長期間放置するとセル内の情報が消える《データ消失の謎》 - PC Online
  13. ^ 【福田昭のセミコン業界最前線】 NANDフラッシュメモリの信頼性を保つ技術 - PC Watch
  14. ^ (3/5)100年持たせるデータ保存術 - 【フラッシュメモリー】長期間の放置でデータが消える - ITpro
  15. ^ IEDM 2008 - フラッシュメモリにも中性子線ソフトエラーが発生
  16. ^ a b NOR FLASH FAQS - KBA222273 - Cypress Developer Community”. サイプレス (2018年3月26日). 2018年6月7日閲覧。
  17. ^ MemCon Tokyo 2007レポート(フラッシュメモリ編)”. Impress Watch / PC Watch. 2013年3月5日閲覧。
  18. ^ SSDの耐久性 - Hewlett-Packard
  19. ^ 寿命を迎えたフラッシュメモリのレポート - USBメモリの書き換え限界寿命が来ると何が起きるのか、実際に寿命が来たケースをレポート - GIGAZINE
  20. ^ IntelとMicronがマルチレベルNANDフラッシュの不良を解析 - PC Watch
  21. ^ フラッシュATAメモリーカード - Weblio辞書
  22. ^ メモリーカードの価格が大暴落中! - All About
  23. ^ 東芝、300億円の営業赤字に 08年中間決算 - 47news
  24. ^ 東芝,NANDフラッシュ・メモリの赤字は通期で390億円 - 日経BP TechOn
  25. ^ フラッシュメモリー製造 米国NASDAQ上場Spansion Inc.子会社 Spansion Japan株式会社 会社更生法の適用を申請 負債741億円 - 帝国データバンク






フラッシュメモリと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フラッシュメモリ」の関連用語

1
3Dメモリー デジタル大辞泉
100% |||||

2
USBメモリー デジタル大辞泉
100% |||||

3
フラッシュROM デジタル大辞泉
100% |||||

4
100% |||||

5
三次元フラッシュメモリー デジタル大辞泉
100% |||||

6
三次元メモリー デジタル大辞泉
100% |||||



9
USBウイルス デジタル大辞泉
100% |||||

10
3D-NANDフラッシュメモリー デジタル大辞泉
100% |||||

フラッシュメモリのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フラッシュメモリのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフラッシュメモリ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS