フォウ・ムラサメ 麗しのフォウ・ムラサメ

フォウ・ムラサメ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/07 16:06 UTC 版)

麗しのフォウ・ムラサメ

月刊ニュータイプ』1986年12月号に、この表題で北爪宏幸によるフォウのヌードイラストピンナップが掲載された。

これは当時流行しつつあった、同人による性的描写を伴う二次創作へのアンチテーゼとして、正式なイラストレーターによるヌードポスターを発表するという意図のもと企画されたものである、という趣旨のコメントが発表時に公開されている。かつて『月刊OUT』に掲載された「悩ましのアルテイシア」へのオマージュとも言えるこのイラストは、後年、『北爪宏幸画集 Characters of GUNDAM』に収録されている。

北爪は後年、『ガンダムエース』誌上で「若気の至りだった」という旨の発言をしている。なお、劇場版『Ζ』公開に併せて刊行された『Ζガンダムエース』の付録用イラストでもフォウの裸身を描いており、『Ζ』放映当時から約20年の間で生じた画風の変化が見てとれる。

劇場版『Ζ』における声優交代

「新訳」として新たにまとめられた劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation』では、20名以上に上る大幅なキャストの変更が行われた。その中でもフォウ・ムラサメに関しては、テレビ版声優である島津冴子が「富野由悠季総監督はフォウ役を変更する考えはなかったが、オーディションの連絡が音響監督の不手際でオリジナルキャストの島津には行っていなかった」という趣旨の手記を公開した。だが、後に富野がこの手記を否定するような発言を行ったり、島津もまた手記の公開後にこれに関する追加のコメントは行っていないなど、正確な真相は明らかになっていない。

逸話

作画監督を務めた北爪は、切れ長の目に険のある少女として安彦良和がデザインしたフォウの日常における顔を、つぶらな瞳の邪気のない美少女のように描いている。ここからは彼が、湖川友謙率いるアニメーター集団「ビーボォー」の中でも美少女系アニメに嗜好が傾いていた事実が窺えるが、主人公カミーユの設定資料にも「他愛のないお遊びはご自由に」と書き添えた安彦は、特に不快を表すこともなくこれを黙認した。

また、安彦による設定書では、フォウの後ろ髪は上向きに跳ね上がっているが、北爪は後ろ髪をストレートに垂らして描いている。劇場版II『恋人たち』の新作画カットでは表情も含めて比較的設定書に忠実に描かれているため、テレビ版からのカットとビジュアルの不統一が生じている。

総監督の富野曰く、テレビシリーズの当初の構想ではフォウは第20話「灼熱の脱出」で死なせる予定であったとの事である。しかし、そこでフォウを死なせてしまったらストーリーが1年続かない事に気付いたため、うやむやな形で生死不明という事で一時離脱させ、第35話「キリマンジャロの嵐」で再登場させたという。従って、劇場版では当初の構想を忠実に反映させた話の流れとなっている。


  1. ^ 機動戦士ΖガンダムII A New Translation 恋人たち”. GUNDAM.INFO (2019年5月12日). 2020年7月15日閲覧。
  2. ^ 小説版では過度の強化の影響で発狂状態のままサイコガンダムで暴走中に、カラバの仕掛け爆弾が足元で爆発し、サイコガンダムの転倒の衝撃で死亡した。
  3. ^ 『フォウ・ストーリー』巻末の作者遠藤のあとがきより。


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