ナベカムリ属
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/14 15:29 UTC 版)
下位分類
多くの種があり、それらは殻の形で区別されている。形態としては輪郭が滑らかなもの、多角形を為すもの、縁に稜や突起を持つものなどがある。ただし、そのような明確な特徴だけでなく、殻の径、殻の高さ、口の径などやそれらの間の比率によっても種が区別される。
日本ではナベカムリ A. vulgaris が古くからこの和名で知られてきた。広く池沼や水たまりに見られ、主として泥や水草の上を這い回り、またプランクトンとしても発見される[12]。
他に岡田他(1988)では以下の種に和名が与えられている。
- A. arenaria スナナベカムリ
- A. artocrea オカメナベカムリ
- A. dentata トゲナベカムリ
- A. discoides ヒラナベカムリ
この他にも岡田他(1988)、水野・高橋編(1991)、月井(2010)には日本産としてさらに多くの学名が示されている。
類似のもの
フセツボカムリ属 Centropyxis のものはやや扁平な殻を持つもので、やはり下面に偽口部を持つ。ただしその穴が中央を外れ、殻全体として左右相称になる点で異なる。また分泌物による殻の表面に砂粒など外部の物質を貼り付ける点でも異なっている[13]。
Archerella 属も褐色の殻を持つが、殻の開口部は2か所、仮足が葉状ではなく糸状であり、細胞内に共生藻を持つことで本属とは異なる。分子系統解析によれば、Archerella 属は淡水性のラビリンチュラ類であることが示されている[14]。
- ^ 月井(2010),p.34
- ^ 水野・高橋編(1991),p.338
- ^ Lahr & Lopes(2009),p.128
- ^ 水野(1964),p.27
- ^ 一瀬・若林監修(2005),p.71
- ^ 月井(2010),p.34
- ^ この項は主としてFeres et al.(2016)
- ^ Lahr & Lopes(2009),p.128
- ^ Tsyganov & Mazei(2006)
- ^ 一瀬・若林監修(2005),p.71
- ^ 月井(2010),p.34
- ^ 岡田他(1988),p.38
- ^ 水野・高橋編(1991),p.346
- ^ Gomaa, F., Mitchell, E. a. D., & Lara, E. (2013). “Amphitremida (Poche, 1913) Is a New Major, Ubiquitous Labyrinthulomycete Clade.”. PLoS ONE 8 (1): e53046. doi:10.1371/journal.pone.0053046.
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