出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/05 04:54 UTC 版)
例
波動方程式
次の非同次の波動方程式を考える。
ただし初期条件は
とする。この解は次のように書ける。
定数係数線型常微分方程式
デュアメルの原理とは、非同次の線型偏微分方程式の解は、初めにある入力ステップに対する解を見つけて、それをデュアメルの積分(英語版)を使って積み重ねることによって求めることが出来る、という結果である。次の定数係数 m 階非同次常微分方程式を考える。
ただし
である。この非同次方程式の解を、以下に示す方法によってある同次方程式の解に書き下すことが出来る。以下の手順はすべて形式的に行われるが、解が well-defined となるために必要ないくつかの設定は無視している。
初めに、次の方程式の解 G を求める。
ここで 定める。ただし は区間 に対する指示函数である。このとき、
が超函数の意味で成立する。したがって
が、元の常微分方程式の解となる。
定数係数線型偏微分方程式
より一般に、次の非同次の定数係数偏微分方程式を考える。
ただし
とする。以下に示す方法で、この非同次方程式の解はある同次方程式の解へと書き下すことが出来る。すべての手順は形式的に行われるが、解が well-defined となるための必要な設定は無視している。
はじめに、x についてフーリエ変換を行うことで、
が得られる。 は t に関する m 階の方程式である。 の最高階の項の係数を とする。今、すべての に対して、次の方程式の解 を考える。
を定める。すると、
が超函数の意味で成立する。したがって
が元の偏微分方程式の解として得られる(ただし x に戻るための逆変換が必要となる)。