デモリションマン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/03 06:15 UTC 版)
登場人物
- ジョン・スパルタン(シルヴェスター・スタローン)
- 主人公でロサンゼルス市警察の刑事。よく物を壊すのでデモリションマン(壊し屋)の異名で呼ばれる。刑事としては優秀で、凶悪犯を3年間で1000人近く逮捕した実績がある。1996年に宿敵のフェニックスを逮捕するが、その際フェニックスに囚われていた人質30名をブービートラップによるビル爆発で死亡させたとされ(後にフェニックスの口から、実は爆発前にすでに死亡していたことが明かされる)、業務上過失致死罪で70年の冷凍刑に処される。本来は2046年まで仮釈放は認められなかったが、2032年に同じく冷凍刑に処されたフェニックスが逃亡。彼を逮捕するためにサン・アンゼルス市警によって特例扱いで執行停止・解凍され、警察官に復職する。
- 冷凍前には妻と娘がいたが、妻は冷凍中の2010年に起きた大地震により死亡。また、娘は存命している模様だが、2032年の社会に馴染めず苦悩しており「こんな社会のどこかで生きている娘とは会いたい気がするし、会いたくない気もする」と考え、最後まで会うことは無かった。
- 尚、ノベライズでは地下街で暮らしていた娘と再会している。
- サイモン・フェニックス(ウェズリー・スナイプス)
- あらゆる犯罪に手を染めた20世紀最大の犯罪者。元はロサンゼルスで起きた暴動のリーダーで、暴動発生地域を自らの王国にしていたがスパルタンに逮捕され、冷凍刑務所に送られる。予告編によると、受けた刑は終身刑。2032年で仮釈放廃止の通達で解凍された際に拘束していた装置を解除して逃亡する。元々、秀でた肉体能力、なにより凶悪性に裏打ちされた戦闘能力の持ち主でもあったがサン・アンゼルスの支配者コクトーによって様々な能力[2]を身に付け1996年当時よりもはるかに強くなりスパルタンを苦しめる。また、コクトーを自分自身の手では殺せないように更生プログラムが組み込まれている。
- 冒頭ではスパルタンに「市にここに近づくなと警告したら、ポストマン(郵便屋)もポリスマン(警官)も来なくなった」、終盤でもコクトーに「人間は考えるアホだ、何も考えない奴はただのアホだ。」など、下品だがユーモアのある台詞をしばしば発言している。また、戦闘中でも興奮して油断する弱点があり、コクトーの手で戦闘能力を強化されてもこの弱点は改善されず、スパルタンに攻撃のチャンスを与えることがしばしばある。
- レニーナ・ハックスリー[3](サンドラ・ブロック)
- ヒロインでサン・アンゼルス市警の警部補。20世紀マニアで、刺激の無い平和すぎる毎日にウンザリしていた。脱獄したフェニックスをめぐる話し合いの場で「20世紀ではどうやってフェニックスを逮捕したの?」と疑問を口にしたことがきっかけでスパルタンを知り、ロサンゼルス市警のデータベースに保管されていたスパルタンの過去のデータを見て彼に興味を抱き、フェニックスを捕えるべく解凍されたスパルタンとコンビを組む。
- 警察署のオフィスや自宅に20世紀の品々を大量にコレクションしており、その中にはビックリ箱の類もある(人を驚かせる物品は条例に違反する、ある種の危険物扱いをされている)。また、20世紀の知識には多少の偏りがあり、劇中で遭遇したガソリン車の型番は完璧に言えたが、人を罵る言葉の類はスパルタンから何度もダメ出しをされていた。戦闘が苦手な未来の警官では珍しく、武道の心得があり、それらの知識はジャッキー・チェンの映画などを観て覚えたと言う。彼女のオフィスにはリーサル・ウェポンのポスターも飾られている。一方で21世紀にはうんざりしながらも現状にも染まっている部分があり、パトカーの中でガルシアと一緒に人気のラジオ局が流す「昔のCMソングリクエストNo.1」である「アーマー・ホットドッグ」を歌い、20世紀では子供が歌うような歌を大声で聞かされたスパルタンは「氷漬けに戻りたい」とぼやいた。また20世紀では体に悪いとされる飲食物や嗜好品が実際に21世紀では違法となったことに理解を示したり、体に直接触れるキスや性行為に対しても激しい嫌悪感を抱いており、バーチャルセックスに不満だったスパルタンが強引に迫って来た際も拒絶して彼を部屋から追い出すほどであった。
- レイモンド・コクトー(ナイジェル・ホーソーン)
- サン・アンゼルスの知事市長で、2032年における管理社会を築いた張本人。自分の理想社会に反発するレジスタンスを潰すべく、フェニックスにあらゆる能力を与える。地上で生活する人々からは平和な社会を作った救世主として尊敬されているが、レジスタンスのフレンドリーに言わせれば「欲と権力にまみれた人間」。実際、人々が何も考えず、ただ自分に従っていれば良いと考える歪んだ面があり、フェニックスからは「何も考えない奴は、ただのアホだ」、「最低の偽善者」と呆れられた。
- 古くは冷凍刑務所の考案者であり、現在でも冷凍刑務所や冷凍刑に処された囚人に対して絶大な影響力を持ち、フェニックスから部下として犯罪者の解凍を求められた際にはその手配をしている。また、自身はスパルタンに対して「君は本来死刑になっていたが、温情ある冷凍刑務所に送られたのを感謝すべきだ」と言い放った。しかし最後はフェニックスに裏切られた挙句の果てに彼の部下に拳銃で射殺され[4]、遺体は暖炉に放り込まれるという悲惨な結末を迎える。
- エドガー・フレンドリー(デニス・リアリー)
- コクトーの理想社会に反発するレジスタンスのリーダー。自由に生きることを望んでおり、コクトーが中心の管理社会を憎んでいる。本人はコクトーに禁止された犯罪を含むあらゆる行為を楽しんでやると豪語しているが、地下に住む人々を飢えから救おうと食料強奪を試みたり、地下で銃を乱射して人々を虐殺するフェニックスに愛銃で勇敢に反撃するなど、リーダーシップや行動力に満ちた人物。
- 終盤ではフェニックスとの決戦に向かうスパルタンに協力する。
- アルフレド・ガルシア(ベンジャミン・ブラット)
- レニーナ・ハックスリーの同僚。レニーナとは違い、平和すぎる毎日に何の不満も無く、むしろレニーナが低俗で野蛮な文化に毒されていると忠告した。しかし、フェニックスの捜査で地下街へ行った時、乱闘の末に頭を打ったらしく、スパルタンらと合流した際にはすっかり地下街の文化に染まっていた。緊張すると童謡を口ずさんでしまうクセがあるが、地下街の乱闘ではフェニックスに立ち向かう意外な勇敢さを持つ。また、ハックスリーが持ってきたスパルタンによる2032年では考えられない、アール署長が嫌悪感を露わにした暴力的な記録映像を、アール署長とは対照的に興味津々に観ている描写もある。
- ザッカリー・ラム(ビル・コッブス/グランド・L・ブッシュ)
- 1996年ではロサンゼルス市警察航空隊の新米操縦士だった。スパルタンがフェニックスのアジトに乗り込む時に、彼をヘリコプターで運んだパイロット。操縦は上手いが、2032年ではサン・アンゼルス市警の地上勤務の警察官で、再会したスパルタンに「上が飛ばしてくれない」とぼやいていた。
- スパルタンとは対照的に、20世紀に生まれ育ち冷凍されることなく21世紀の世界を生き年老いた人間。そのため、フェニックスが脱獄を図った当初に警察のコンピューターが発した「コード187」が殺人事件発生を指すものだと知っていた。また、スパルタンとの再会時には抱擁を交わし、スパルタンの汚い言葉も普通に聞く、ハックスリーが言うところの「20世紀の男の友情の形」を披露した。
- ノベライズではフェニックスに射殺されてしまう。映画では殺されるシーンは無いものの、スパルタン達と地下街の入り口まで同行したのを最後に登場しなくなる。
- ウィリアム・スミサーズ(アンドレ・グレゴリー/マーク・コルソン)
- 1996年では冷凍刑務所の副所長で、2032年では同刑務所の所長。スパルタンへの冷凍刑執行に立ち会った。2032年ではハックスリーとはコムチャットを行う仲で、犯罪はもう起こらないと語っていたが、フェニックスの脱獄に際し目の前で看守2人を殺され、自身も重傷を負った上に扉の眼球認証システムを動かす材料として片目を奪われ、フェニックスによる21世紀の犯罪の犠牲者となった。
- ボブ(グレン・シャディックス)
- コクトーの秘書。肥満体型で手袋とメッシュの入った髪の毛が特徴。非常に気が弱く、自分の保身のためならフェニックスやフレンドリーにあっさりと寝返ってしまう性格。
- ノベライズでは、性格を矯正する薬をコクトーによって投与され、このような性格になったとフェニックスに語っている。
- ジョージ・アール(ボブ・ガントン)
- サン・アンゼルス市警の警察署長。コクトーに心酔しており彼の推進する社会に染まりきっている。警察署長という立場でありながら自分で考えずにフェニックスの今後の行動をコンピュータに任せて的外れな予測をしたり、後半ではスパルタンを逮捕しようとした時も口では強気でありながら強行手段に移せない、暴力を嫌う小心者である。フェニックスの捜査のためにスパルタンを解凍することに最後まで反対しており、スパルタンとも非常に仲は険悪で、彼を「野蛮人」と呼んだり、「(20世紀が)野蛮な時代とはいえ、よく警察官になれたものだ」と言うこともあった。また、部下のレニーナからも「クソ親父」と陰口を呟かれることさえある。
- ^ a b “Demolition Man (1993)” (英語). Box Office Mojo. 2010年4月1日閲覧。
- ^ コンピューターの分析で明らかになっただけでも、市街地での戦闘術、拷問方、ハッキング、サバイバル術、テロ戦術、武器操作、格闘技、殺人術、爆薬操作、暴力思考が組み込まれ、レニーナからは怪物と称された。
- ^ ハックスレイと記述される場合もある。
- ^ 彼自身フェニックス本人には「コクトーを殺せないようにする」更生プログラムを組み込んでいたが、フェニックスの部下とするために解凍させた犯罪者達には更生プログラムを組み込んでいなかった模様。
- ^ ただし日本でのタコベルは、後に2015年に再進出している。
固有名詞の分類
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