セルトリ細胞腫とは? わかりやすく解説

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セルトリ細胞腫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/20 01:09 UTC 版)

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セルトリ細胞腫
セルトリ細胞腫の低倍率顕微鏡写真(H&E染色

セルトリ細胞腫(Sertoli cell tumour)は、セルトリ細胞からなる性索性腺間質性腫瘍である。精巣または卵巣に発生する。非常に稀な疾患で、一般的に35歳から50歳の間に発症する。典型的な高分化型の腫瘍で、よく似ていることから精上皮腫と誤診される事がある[1]

セルトリ細胞とライディッヒ細胞の両方から成る腫瘍は、セルトリ・ライディッヒ細胞腫として知られている。

概要

男性の場合、セルトリ細胞腫は典型的に精巣の腫瘤または硬結として現れ、その存在は、エストロゲンを産生する場合は女性化乳房(25%)を、アンドロゲンを産生する場合は男児の仮性思春期早発症を伴う事がある[2]

診断

セルトリ細胞腫の高倍率顕微鏡写真(H&E染色

超音波検査では、セルトリ細胞腫は低エコーの精巣内病変として現れ、通常は単発である。しかし、大細胞型のサブタイプでは、大きな石灰化領域を伴う多発性・両側性の腫瘤として現れることがある。MRIを実施する事もあるが、これは通常、決定的なものではない[2]

顕微鏡検査や免疫組織化学検査は、特にセミノーマが疑われる場合に、確定診断を下す唯一の方法である[3]

治療

男性の場合、画像診断で腫瘍を特定する事が難しく、睾丸切除術を行う事が多い。セルトリ細胞腫瘍の大部分は良性なので、これで充分である。化学療法や放射線療法の有用性は証明されていない[4]

ヒト以外の場合

セルトリ細胞腫瘍は、アヒル[5]、イヌ[6][7]、ウマ等の他の動物でも発生することが知られている。

その他の画像

関連項目

出典

  1. ^ Young, Robert H. (2005-01-01). “Sex cord-stromal tumors of the ovary and testis: their similarities and differences with consideration of selected problems” (英語). Modern Pathology 18 (S2): S81–S98. doi:10.1038/modpathol.3800311. ISSN 0893-3952. PMID 15502809. 
  2. ^ a b Morgan, Matt A.. “Sertoli cell tumour of the testis | Radiology Reference Article | Radiopaedia.org”. radiopaedia.org. 2016年12月6日閲覧。
  3. ^ Henley, John D.; Young, Robert H.; Ulbright, Thomas M. (2002-05-01). “Malignant Sertoli cell tumors of the testis: a study of 13 examples of a neoplasm frequently misinterpreted as seminoma”. The American Journal of Surgical Pathology 26 (5): 541–550. doi:10.1097/00000478-200205000-00001. ISSN 0147-5185. PMID 11979085. 
  4. ^ Testis and epididymis - Sertoli cell tumor, NOS”. www.pathologyoutlines.com. 2016年12月6日閲覧。
  5. ^ “Bilateral testicular germ cell-sex cord-stromal tumor in a pekin duck (Anas platyrhynchos domesticus)”. J. Avian Med. Surg. 22 (4): 315–9. (December 2008). doi:10.1647/2007-017.1. PMID 19216259. 
  6. ^ “Use of intralesional oestradiol concentration to identify a functional pulmonary metastasis of canine sertoli cell tumour”. J Small Anim Pract 50 (4): 198–200. (December 2008). doi:10.1111/j.1748-5827.2008.00671.x. PMID 19037884. 
  7. ^ “Persistent Mullerian Duct Syndrome in a Miniature Schnauzer Dog with Signs of Feminization and a Sertoli Cell Tumour”. Reprod. Domest. Anim. 45 (3): 447–52. (October 2008). doi:10.1111/j.1439-0531.2008.01223.x. PMID 18954385. 

外部リンク

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