スーパーゲームボーイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/28 10:05 UTC 版)
概要
スーパーゲームボーイの差し込み口にゲームボーイのソフトを差し込み、さらに(ゲームボーイソフトと当装置がひとつの状態で)スーパーファミコンのソフト差込口に差し込むと、スーパーファミコンを接続したテレビ画面上でゲームボーイのゲームを楽しむことができる[1]。しかも自分の好みのカラーをつけて遊ぶことができる[1]。2つの差し込み作業をした上でスーパーファミコンの電源を入れると、テレビ画面にゲームボーイ・ソフトの起動画面が表示され、操作はスーパーファミコンのコントローラーで行いゲームをプレイすることができる。また単にテレビ画面上でゲームボーイソフトが遊べるようになるだけではなく、いくつかの付加機能を備えている。
- 開発に至った経緯と発表
ゲームボーイ本体に使用されていた液晶画面はモノクロ表示の上に強い残像が発生するため視認性が悪く、さらにユーザーからはゲームギアのような液晶画面のカラー化が望まれていた。任天堂は価格と携帯性の両立という理由から液晶画面のカラー化は時期尚早と判断したが、代わりにスーパーファミコンを利用しゲーム画面をテレビに表示させられる周辺機器を開発・発売することで、上記の至らない点を解決する選択肢もユーザに提供しておくことにした。それがこの装置である。
1994年3月14日に日米同時発売することが発表された[2]。
- 注意点
当装置はゲームボーイカラー(1998年10月発売)がまだ無かった段階で開発されたため、カラー専用ソフトは一切想定しておらず、カラー専用ソフトの起動はできない。また、カラー対応ソフトを使用した場合もゲームボーイカラー時の配色ではなく、スーパーゲームボーイの機能による擬似カラー割り当てでの動作のみとなっている。
付加機能
- カラー化
- ゲームボーイは白黒4階調で表示されるが、本機では4階調をそれぞれ任意の色に置き換えてテレビ画面上に映すことができる[3]。
- 対応ソフトでは最大13色までのカラー表示が可能である。
- 本機対応ソフトをゲームボーイカラー以降の本体で使用しても本機使用時の色では表示されない。
- 音質向上
- 『ドンキーコング』など、一部タイトルでは、ゲームボーイで動作させたときよりも音質が向上したり追加音声が出るものがある。
- 2人同時プレイ
- ゲームボーイでも本体とソフトを2つずつと通信ケーブルを用意すれば、2人同時に遊ぶことはできるが、当装置対応ソフトでは、他のゲームボーイ本体との接続を必要とせずに、当装置とスーパーファミコン、対応ソフト1本を揃えるだけで2人同時プレイが可能となる。
- この機能は各プレイヤーごとに別の画面を用意する必要のない対戦型格闘ゲームやパズルゲームの一部で採用されている。
メニュー画面
LボタンとRボタンを同時押しすると画面下に「システムウインドウ」と呼ばれるメニュー画面が現れ、この中のアイコンを選択することで色や枠、操作方法の設定ができる。このウインドウはスーパーファミコンマウスでも操作可能である。
- マイカラー
- ゲームボーイで使用されているモノクロ4階調に好みの色を割り振り、ゲーム画面のカラー化を行う。配色の保存はできないが、画面上に表示される12桁のパスワードを記録し再入力することで同一の配色を再現できる。説明書にはこのパスワードを記入するためのページが用意された。なお、複数の階調に同じ色を割り振ることも可能である。
- カラーパターン
- あらかじめ用意された32種類のカラーパターンと「マイカラー」で作成したカラーパターンから任意の配色を選択できる。スーパーゲームボーイ対応ソフト使用時にはゲーム側で用意されたカラーパターンで表示されるが、一部の例外を除いて変更が可能。スーパーゲームボーイ非対応ソフトでも任天堂発売のソフトであれば特定のカラーパターンが自動選択されて表示される。
- ピクチャーフレーム
- 実際のゲーム画面とテレビ画面のサイズの違いからゲーム画面の周囲に空きができるが、この部分にスーパーゲームボーイの側でいくつかの模様の中から1つを選んで付けることができる枠のこと。
- あらかじめ用意されている9種類のピクチャーフレームから任意のフレームを選択できる。スーパーゲームボーイ対応ソフト使用時にはゲーム側で用意されたピクチャーフレームが表示される。
- なお、特定のフレームを選択してシステムウインドウを閉じ、ボタンに一切触らず(ゲームもプレイしないで)しばらく放置するか、またはシステムウインドウを閉じた直後に、1P側のコントローラで「L L L L R」と入力することで、フレームのアニメーションを見ることができる。特定のフレームではマリオ達が出現する。
- ボタン設定
- スーパーファミコンのBボタンにゲームボーイのA、Bボタンのどちらを割り当てるかを選択する。なお、どちらのタイプでも、Yボタンは常にBボタン、Aボタンは常にAボタンとして扱われる。このボタン選択はスーパーファミコン用ソフト『スーパーマリオコレクション』のものに近い。
タイプA | タイプB | |
---|---|---|
十字ボタン | 十字ボタン | 十字ボタン |
A | B | A |
B | Y | B |
START | START | START |
SELECT | SELECT | SELECT |
POWER | - | B |
- タイプA
- スーパーファミコンのBボタンにゲームボーイのAボタンを割り当てる。この設定では、基本的にYボタンをB、BボタンをAとして使用することがほとんど。
- タイプB
- スーパーファミコンのBボタンにゲームボーイのBボタンを割り当てる。よって、そのままBボタンをB、AボタンをAとして使用できる。
- 電源投入時はタイプB(B→Bボタン)に割り当てられている。
- らくがき
- 専用のピクチャーフレームに落書きをすることができる。ピクチャーフレームの部分だけでなくゲーム画面の上へ重ねて落書きをするよう設定することも可能である。ただし絵の保存はできない。
- スタッフロール
- 「R R R L L L R R R R R R R」と入力することでスタッフロールを見ることができる。スーパーゲームボーイとスーパーゲームボーイ2ではBGMが異なる。
この他、ゲームの実行速度を変更してプレイする隠しモードが存在する。ただし、切り替えるためにはホリ電機のスーパーゲームボーイ専用コントローラ「SGBコマンダー」が必要である。
またごく一部にはカラーパターンまたはピクチャーフレームのどちらか一方が用意されていないソフトや、メニュー画面のうちボタン設定以外のアイコンが利用できずにソフト固有のカラーパターンとピクチャーフレームの使用を強制されるソフトが存在する。
注釈
- ^ 1998年は29タイトル、1999年は93タイトル、2000年は39タイトル、2001年は7タイトル、2002年は1タイトル
- ^ 1998年は6タイトル、1999年は1タイトル
- ^ 1999年は22タイトル、2000年は26タイトル、2001年は2タイトル
- ^ ゲームボーイ&カラー共通ソフトとしても最後。
- ^ 動作はゲームボーイアドバンスに準じる。ゲームボーイプレーヤーでもゲーム画面部周囲に枠が生じるが、スーパーゲームボーイ使用時のピクチャーフレームは表示されない。この他のスーパーゲームボーイ固有機能も一切利用できない。
- ^ PAL版SNES発売国のうちフランスはSECAM方式を採用。
- ^ 香港では超級任天堂(NTSC出力の日本版スーパーファミコンの説明書・ACアダプターを香港向けにローカライズしたもの。SHVC-001(HKG))とPAL版SNES(SNSP-001(HKG))の双方が発売された。
- ^ ゲームボーイプレーヤーでは、ゲームキューブのテレビ上のピクセルが正方形であるため画面サイズの変更をしない限り横長にはならない。
- ^ スーパーゲームボーイ2では実際と同じ動作速度に修正された。
出典
- ^ a b c 任天堂公式ページ【スーパーゲームボーイ】
- ^ 「GBソフトが使える SFC周辺装置 任天堂が6月にも発売」『ゲームマシン』(PDF)、第470号(アミューズメント通信社)、1994年4月15日、4面。
- ^ M.B.MOOK『懐かしゲームボーイパーフェクトガイド』 (ISBN 9784866400259)、4ページから5ページ
固有名詞の分類
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