スポールブール スポールブールの概要

スポールブール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/14 23:00 UTC 版)

スポールブール
スポールブール
統括団体 国際スポールブール連盟
起源 フランス
特徴
カテゴリ 球技
ボール 専用真鍮球
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ティールの様子

概要

全長27.5mのコート内で、小さい目標球(ビュット)に向かって金属製のボール(ブール)を転がし、自分のボールを相手よりもビュットに近づけたり、自分のボールを投げてほぼノーバウンドで相手のボールに当てて弾き飛ばし、相手ボールの方をビュットから遠ざけることで得点を競うのが原型である。またこれから派生し、ボールを投げてほぼノーバウンドで標的球に当てることを競う種目もある。

似たスポーツにペタンクがあるが、これはスポールブールやプロヴァンサルゲームをベースに1907年にフランスで考案されたスポーツである。

スポールブールの国際組織としては、1946年に設立された国際スポールブール連盟 (Fédération Internationale de Boules) があり、現在は世界67か国・地域が加盟している。日本は1983年から加盟している。

また、スポールブールやペタンクなどは「ブールスポーツ」と総称され、この国際競技連盟で、国際スポールブール連盟の上部組織でもある世界ブールスポーツ連合 (Confédération Mondiale des Sports de Boules) は国際オリンピック委員会 (IOC) 加盟団体である。スポールブールはオリンピック種目への格上げの動きがされている[要出典]。オリンピックの補完的な競技大会であるワールドゲームズの種目となっている。日本の国内競技連盟日本ペタンク・ブール連盟

スポールブールは、フランス政府により2012年に、フランス無形文化遺産に指定された。[1]

歴史

ボールを目標球に近づけること自体は、原始的な発想であり、古代エジプト古代ギリシャの文献によりスポールブールの原型は約5,000年前まで遡ると考えられており、それゆえ世界で最も古い球技の一つという説がある。当時は石を研磨したボールが用いられていた。古代ギリシャではスファエラ(球形の意味)と呼ばれる球技が行われていたことが文献で示されている。古代ローマでもカラカラ寺院等には、今のスポールブールと同じようにボールを投げている人や、得点を測定している人のフレスコ画が残っている。中世においてもラブレーディドロスペインの画家ゴヤなどもスポールブールで楽しんでいたとの記録があり、中世のフランスでは、この球技の人気があまりに高まりすぎたため、14世紀に国王シャルル5世がブール禁止令を出したほどであった。

近代に入り、スポールブールが徐々にスポーツとして扱われ始め、1850年にはスポールブールの初めてのクラブ組織として「le Clos Jouve」がフランスで設立された。ルールが統一化された競技として組織化された後での最初の大会は、1894年6月3日から5日にかけて1,200人が参加してフランスリヨンで行われた大会である。20世紀に入り、フランス各地でスポールブールのクラブ組織が設立され、1922年にはそれら地方クラブ組織の統括団体として「Union Nationale des Fédérations boulistes (UNFB) 」が設立された。1933年には、フランスのスポールブール全国統括連盟として "Fédération nationale des boules (FNB) "設立に発展した。1946年には、国際スポールブール連盟 (Fédération Internationale de Boules) が設立された。

コート

コートは長さ27.5m、幅2.5m~4mと規定されている。なるべく平坦な地面である必要がある。ヨーロッパ大陸や南米各国、中国等には屋内の専用コートがあり、特にフランス国内には410か所の屋内専用コートがあり、コンクリートの上に砂を撒いたコートが完備されている。コートラインの各名称は以下の通り。

フットライン (Ligne pied de jeu)
コートの全長27.5mの端から7.5mのところに引かれる。このラインの手前から投球を行う。
ファーストライン (1ère ligne)
フットラインから12.5mのところに引かれる。
セカンドライン (2ème ligne)
ファーストラインから5.0m(女子は3.5m)のところに引かれる。ファーストラインとセカンドラインの間に最初にビュット(目標球)が置かれる。
サードライン (3ème ligne)
セカンドラインから2.0m(女子は1.5m)のところに引かれる。このサードラインを越えたボールはアウトになる。
エンドライン (Ligne extrême)
サードラインから0.5m(女子は2.5m)のところに引かれる。このエンドラインが27.5mコートの端になる。
サイドライン (Ligne latérale)
幅2.5m~4mのコートの左右に引かれる。このサイドラインを出たボールはアウトになる。

これらのコート様式や用具、競技の進め方は、全57条の項目からなるスポールブール国際競技規則(国際スポールブール連盟が制定)にて規定されている。




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