ショーン・ドゥーリトル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/23 02:22 UTC 版)
経歴
プロ入り前
ドゥーリトルは生まれはサウスダコタ州ラピッドシティだがニュージャージー州タベナクルで育ち、少年時代は投手として活躍した。ミットフォードのショーニー高等学校時代には州の一試合での奪三振記録を更新している。また打者としても活躍し、チームを州の優勝決定戦まで導いた。高校卒業時、2004年のMLBドラフト39巡目(全体1181位)でアトランタ・ブレーブスから指名を受けるがバージニア大学へ進学した。
大学では投手兼一塁手としてプレーし、投手としては22勝を挙げ勝利数でチームの記録を更新した(後にダニー・ハルツェンによって破られる。)。2005年には第34回日米大学野球選手権[2]、2006年にはキューバのハバナで開催された第3回世界大学野球選手権大会でそれぞれアメリカ合衆国代表に選出された。大学ではライアン・ジマーマン、マイケル・シュワイマーとチームメイトだった。
プロ入りとアスレチックス時代
2007年のMLBドラフト1巡目追補(全体41位)でオークランド・アスレチックスから一塁手兼外野手として指名され、6月18日に契約を結んだ。この年は傘下のA-級バンクーバー・カナディアンズとA級ケーンカウンティ・クーガーズでプレー。A級ケーンカウンティでは55試合に出場して打率.233、4本塁打、29打点、1盗塁を記録した。
2008年はA+級ストックトン・ポーツとAA級ミッドランド・ロックハウンズでプレー。AA級ミッドランドでは51試合に出場して打率.254、4本塁打、30打点、1盗塁を記録した。
2009年はAAA級サクラメント・リバーキャッツへ昇格したが、膝の故障で28試合の出場にとどまった。オフには、ベースボール・アメリカによるアスレチックスのプロスペクトランキングで10位に選ばれた。
2010年は膝の手術の影響で、シーズンを全休した。オフの11月19日にアスレチックスとメジャー契約を結び[3]、40人枠入りした。
2011年から投手に転向した。ルーキー級アリゾナリーグ・アスレチックスで1試合に登板した。シーズンオフにはアリゾナ・フォールリーグに参加した。
2012年はA+級ストックトン、AA級ミッドランド、AAA級サクラメントでプレーし、6月4日にメジャーへ昇格。翌5日のテキサス・レンジャーズ戦でメジャーデビュー。5点ビハインドの5回2死から登板し、1.1回を無安打無失点3奪三振に抑えた[4]。この年メジャーでは44試合に登板して2勝1敗1セーブ、防御率3.04、60奪三振を記録した。
2013年は70試合に登板して5勝5敗2セーブ、防御率3.13、60奪三振を記録した[5]。
2014年4月18日にアスレチックスと5年契約(2019年、2020年の球団オプション付き)に合意した[6]。新加入のジム・ジョンソンの不調により抑えを務め、前半戦は42試合に登板し、14セーブ、防御率2.89と活躍。7月にはオールスターに初選出された。また、6月22日のボストン・レッドソックス戦では控え野手を使い果たしていた10回裏二死にかつて野手であった経験を買われて代打で起用されたが、上原浩治の前に二塁ゴロに倒れた。
2015年1月23日に肩を負傷したため開幕に間に合わない可能性がある事が報じられた[7]。5月27日に1試合だけ登板し、その後は長期離脱していたが、8月23日に復帰後は一定の登板機会を得た[8]。最終的に12試合に登板し、1勝、防御率3.95を記録した。三振奪取能力の高さは相変わらずであり、奪三振率9.9をマークした。
2016年は44試合にリリーフ登板し、2勝3敗4セーブ、防御率3.23、WHIP1.05という成績を記録した[5]。防御率やWHIPが改善したほか、持ち前の三振奪取力では2年ぶりに10.0超の数値を記録し、復活した。
ナショナルズ時代
2017年7月16日にブレイク・トレイネン、シェルドン・ノイジー、ヘスス・ルサルドとのトレードで、ライアン・マドソンと共にナショナルズへ移籍した[9]。移籍後は抑えを任され、30試合に登板して1勝21セーブ、防御率2.40と結果を残した。シーズン通算では53試合登板で2勝24セーブ、防御率2.81、WHIP0.86であった。
2018年は6月までの成績が防御率1.60と好調だったが、左足つま先の炎症により故障者リスト入りした[10]。9月7日に復帰した[11]。最終成績は43試合に登板して3勝3敗25セーブ、防御率1.60を記録した
2019年は右ひざの故障で故障者リスト入りすることもあったが[12]、リリーフ防御率がリーグ最下位のチームで投げ抜き[13]、63登板で6勝5敗29セーブ、防御率4.05だった[5]。ポストシーズンではダニエル・ハドソンと併用でのクローザーやセットアッパーとして起用され[12]、計9登板して防御率1.74を記録し、球団史上初のワールドシリーズ優勝に貢献した。
レッズ時代
2021年2月8日にシンシナティ・レッズと150万ドルの単年契約を結んだ[15]。8月24日にDFAとなった[5]。
マリナーズ時代
2021年8月26日にウェイバー公示を経てシアトル・マリナーズへ移籍した[5]。オフの11月3日にFAとなった[16]。
ナショナルズ復帰
2022年3月14日にナショナルズと単年契約を結んだ[17]。開幕後は中継ぎとして6試合(5.1回)に登板し、被安打1、無四球、無失点という上々の滑り出しであったが[18]、左肘の故障のため4月20日に故障者リスト入りした。7月には手術を受け、そのままシーズンを終えた[19]。オフの11月6日に一旦FAとなり[20]、同日にマイナー契約で再契約を結んだ[21]。
2023年はマイナーで11試合に登板したもののメジャー復帰は果たせず、9月22日に現役引退を表明した[22]。
- ^ Explaining Nats Players Weekend nicknames MLB.com (英語) (2017年8月25日) 2017年9月22日閲覧
- ^ 第34回 日米大学野球選手権(2018年12月30日閲覧)
- ^ Jane Lee (2010年11月19日). “Top prospect Taylor among roster additions” (英語). MLB.com. 2014年7月27日閲覧。
- ^ “Scores for Jun 5, 2012” (英語). ESPN (2012年6月4日). 2014年7月27日閲覧。
- ^ a b c d e MLB公式プロフィール参照
- ^ Jane Lee (2014年4月18日). “A's, Doolittle agree to five-year contract” (英語). MLB.com. 2014年7月27日閲覧。
- ^ Jane Lee Doolittle unlikely for Opening Day with shoulder injury MLB.com (2015年1月23日) 2015年1月24日閲覧
- ^ Sean Doolittle 2015 Pitching Gamelogs - Baseball-Reference.com (英語) . 2015年10月25日閲覧。
- ^ Jane Lee (2017年7月16日). “Nats acquire Doolittle, Madson from A's” (英語). MLB.com. 2017年7月19日閲覧。
- ^ “Nationals closer Sean Doolittle placed on disabled list”. HardballTalk. 2019年2月14日閲覧。
- ^ “Nationals activate All-Star Doolittle from DL”. ESPN.com. 2019年2月14日閲覧。
- ^ a b Patrick Reddington. “Washington Nationals’ Sean Doolittle on IL stint in August; what Daniel Hudson brings to the bullpen + more...”. Federal Baseball. 2019年11月6日閲覧。
- ^ “2019 MLB Team Pitching Stats - Major League Baseball - ESPN”. ESPN. 2019年11月6日閲覧。
- ^ Manny Randhawa and Paul Casella (2020年11月16日). “2020-21 free agents, position by position” (英語). MLB.com. 2020年11月19日閲覧。
- ^ “Reds Sign Sean Doolittle” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年2月8日閲覧。
- ^ “160 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). MLB Players.com (2021年11月3日). 2021年11月5日閲覧。
- ^ Tim Dierkes (2022年3月14日). “Nationals To Sign Sean Doolittle” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年6月13日閲覧。
- ^ Darragh McDonald (2022年4月20日). “Nationals Place Sean Doolittle On Injured List”. MLB Trade Rumors. 2023年9月23日閲覧。
- ^ Anthony Franco (2022年7月15日). “Sean Doolittle To Undergo UCL Internal Brace Surgery”. MLB Trade Rumors. 2023年9月23日閲覧。
- ^ “131 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). mlbplayers.com (2022年11月6日). 2022年12月7日閲覧。
- ^ Maury Ahram (2022年11月9日). “Nationals Re-Sign Sean Doolittle To Minor League Contract”. MLB Trade Rumors. 2023年9月23日閲覧。
- ^ “Sean Doolittle: Announces retirement from baseball” (英語). cbssports.com (2023年9月22日). 2023年9月23日閲覧。
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