シュピーゲル・シリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/02 02:55 UTC 版)
用語
- 機械化児童/特甲児童
- 極度の少子高齢化と犯罪・テロの増加を背景にミリオポリスにおいては児童労働と身体障害児に対するサイボーグ化が認められている。結果、機械化された身体を持ち、国家に従属する少年少女たちの存在が生まれた。
- また、機械化を受けた児童の中でも、〈特殊転送式強襲機甲義肢〉=通称〈特甲〉を国から支給され、治安維持に当たる少年少女のことを〈特甲児童〉と呼ぶ。
- (〈特甲〉は国のマスターサーバーから〈転送〉を受けなければ使用できないが、破損した〈特甲〉は再度の〈転送〉を受ければ一瞬で無傷状態に復帰できる。また特甲には痛覚がない)
- 男子は軍属となることが多く、主に女子が都市治安を担っている。本来のコンセプトはプリンチップ社発案の人間兵器。
- 児童福祉局
- 通称〈子供工場〉。身寄りのない身体障害児に機械化と操縦訓練を施し、労働児童として育成する機関。
- 貧窮した親が特に障害のない子供を向かいのビルから突き落とす事件が後を絶たない。
- 文化委託
- 戦争や災害で保全困難となった国の文化を他国が維持し、その報奨として莫大な保全予算が国連から下りる政策。金閣寺やマチュ・ピチュやアンコール・ワット等がミリオポリス内に文化保全されている。
- またこの一つに、ランダムに決定される日本の漢字名(キャラクターネーム)を名乗れば毎月の保全金と社会保障が支払われる制度がある。漢字名は25歳(準成人時)にミドルネーム、35歳(成人時)にセカンドネームとなる。
- マスターサーバー
- 都市の通信ネットワークの最上位に位置する演算装置。核にも匹敵するとされている国土防衛戦略の要。
- 超高度な演算能力と強力なアクセス権限を持ち、都市内の電子網を監視し、あらゆる電子機器へ干渉できる。 そのため、都市内での大規模破壊兵器の運用に対する抑止力となっている。
- 国家防衛を担う各省庁がそれぞれ保有しており、MPBの所有する<刕(レイ)>、MSSが1巻より独占使用を認められた<瞐(バク)>、兵器開発局が所有する<叒(カムキ)>などがある。
- 接続官(コーラス)
- マスターサーバーと脳を接続することで、マスターサーバーと積極的に連絡し、転送塔との仲介を通した〈特甲〉の転送などの各種サポートを行う職種。接続官も特甲児童であり、自らの特甲を用いてマスターサーバーと接続する。
- 犠脳体兵器
- マスターサーバーの電子干渉を排除しつつ大規模破壊を実行するための手段として、機体の制御系に人間の脳を使用したテロ用兵器。
- 機体に脳を移植するためには、生きている人間の脳を使用しなければならず、贄となる献体者を必要とする。
- 脳摘出後も肉体との電気信号を中継することで人間的な活動は可能だが、これが途絶えた場合(肉体自体が損傷して機能的な死を迎えたとき)、脳は人間としての機能を失い、兵器の中枢部となって破壊活動を開始する。
- 未成年兵士
- この時代の国連統計では全世界の少年兵(女子含)は140万人に上るとされている(現実の統計では2001年で推定30万人)。
- また、もともと戦争と身体障害者(傷痍軍人)、肉体のサイボーグ化(義肢、パワードスーツ等)には密接な関係があった。
- 孤児の身体障害児であるヒロインたちが高価な機械の手足で生活できるのは、テロリズムに対する戦いを対テロ戦争として「常に世界中が戦時下にある状況」と見なした時、優秀な兵士がいくらでも必要とされるためでもある。
- クーデター事件
- 7年前にミリオポリス軍と警察が都市治安をめぐり衝突。軍による都市占拠騒ぎまで発展し多数の死傷者が出た。プリンチップ社の関与が疑われている。この事件以来ミリオポリスの治安機構は軍の都市出動を極端に警戒している。
- “身代わり(ズュンデンボック)”
- 精神的衝撃から自分を守るため、心や記憶の一部に作られる「盾」。この盾が衝撃で破壊され消えることで、本来の精神が守られる。多重人格とは異なるらしい。
- 揺籃状態
- 人格改変プログラムの急激な進行に伴い発生する、過去の幸福な記憶に包まれ安らぎに満ちた瞑想に近い状態。自他や敵味方の区別が曖昧になるため、同士討ちの危険がある。
- EI(イースター・エッグ)兵器
- サードアイの遠隔操作兵器。巨大な銀色の卵(多機能戦術型〈タイタノマキア〉)、円筒を生やした化物兜(強襲型〈ギガントマキア〉)の2種。
- “4JO(フィアー・ヨット・オー)”
- シャーリーンがかつて開発に携わった試作型機械化キメラウィルス。遠隔操作で感染経路や症状の調整・ウイルスの自壊も可能。正体は政府が開発したテロリストにわざと流すための欠陥兵器〈トロイの木馬〉。
- 特甲レベル3
- 戦時状況並みの脅威下のみ許可される高度兵装。レベル3装備の特攻児童は単独行動が基本。
- レベル1は地上戦用、レベル2は空中戦用。基本装備では『オイレン』の3人はレベル1・B、『スプライト』の3人はレベル2・Aに相当。
- 特甲レベル4
- 特甲兵器の完成型とされるが、開発顧問たちの相次ぐ死により開発中断された。
- 人格改変プログラム
- 特甲の四肢は痛覚オフ可能だが、「記憶の痛み(幻肢痛?)」は消し切れない。この痛みを制御するため「人格改変化・変通抑制プログラム」=“無(オフ)モード”が開発された。
- 特甲児童たちの心身を“無モード”によって守ると同時に、何の苦痛もない“無モード”への過剰適応をも防止するはずであった。
- だがプログラムが適用されたレベル3で、激しい攻撃意欲・他者認識能力の喪失による同志討ち等が認められたため、適用中断されている。
- 人格改変化も変通抑制も非常時において人間の心に起こるべくして起こることであり、レベル3の暴走においても何らかの引き金ではないかと推測されているが、真相は未だ不明である。
- 人格改変化
- 変通抑制
- 人格の時間面
- フロー状態
- 進行すると人格崩壊に至るが、人格の時間面を自ら進めることが出来れば助かるらしい。
- リヴァイアサン(世界統一ゲーム)
- 作中でプレイされる架空ゲーム。
- “アイギス”
- MSSのセーフガード用通信解析車両。“山猫事件”を教訓に導入。本部解析課と同等の能力を持ち、相互監視を行うことで情報汚染を防止する。
- “サテュロス”
- 直立した黒山羊のような全身パワードスーツ。本来は身体障害者支援機器であり、四肢を失った者でも戦場に送り出せる。速度重視のシレンティ型、防御重視のサテュルリシキー型がある。
- “アルキオネウス”
- 氷結装甲型EI兵器。外見は巨大な三連砲つきの2階建てパス。吸い上げた水をコンクリート状にして装甲を形成するため無限に修復可能。
- ブリリアント・モデル
- ガラテア・コンプレックス
- 内的導引性ビジョン
- 特甲児童の脳内に埋め込まれた電子チップによって発生する幻覚。
- ローデシア
- 徹底した白人主義の武装集団。挨拶から靴紐の結び方まで細かい規則がたくさんある。
- アルレッキーノ
- イタリア系マフィア。金で雇われる殺し屋集団。団員は白スーツに仮面をつけている。
- ^ 『おすすめ文庫王国 2007』本の雑誌社、2007年12月10日、29頁。ISBN 978-4-86011-078-9。
- ^ 冲方丁 (2008年3月16日). “剣が峰日記”. ぶらりずむ黙契録. 2008年11月8日閲覧。
- ^ 『オイレンシュピーゲル壱 Black & Red & White』あとがき、296-299頁。
- ^ 「私の隠し玉&私のハマっている○○」『このミステリーがすごい! 2009年版』、宝島社、2008年12月、48頁、ISBN 978-4-7966-6716-6。
- ^ a b c d e f g “少年シリウス オフィシャルサイト|オイレンシュピーゲル|既刊コミック|講談社コミックプラス”. 講談社. 2013年2月19日閲覧。
固有名詞の分類
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