シムコー湖 地質と自然地理

シムコー湖

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 15:15 UTC 版)

地質と自然地理

オンタリオ州内のシムコー湖の位置

シムコー湖は古生代オルドビス紀石灰岩の上にある。しかし、氷河堆積物が深く積もっているために、ジョージナ島の湖岸のみで岩床が露出している。しかしこの岩はクーチチング湖岸でも露出しており、そこでは堆積層が薄い。クーチチング湖の北端にある湖の出口は先カンブリア時代岩床で支配され、この湖にそって中間でまずその岩床が現れている。その結果、この湖は現在まで出口流が岩を切り取ることが出来ずにあり、それによって排水している。このことは西にある一時期小さな姉妹湖のミネシング湖と似ていない。ミネシング湖はアルゴンキン湖の名残であり、後にヒューロン湖のニピシング階だった。この湖の出口はイーデンベール近くにある堆積物に作られており、大きく抉られて、この大半を排水している。今日のミネシング湖はミネシング湿地として存在しているが、毎春雪解け水が盆地を潤すときの短期間だけ湖としての姿を取り戻している。

最終氷河が後退することで均衡が崩れ、シムコー湖はその南端でしっかりと隆起し、現在ホランド湿地と呼ばれる南の浅い部分には深い有機堆積物が積もった。植生によって作られた有機堆積物は水位の上昇とともに速度を保ち、現在では広範な市場向け野菜栽培を支えている。湖に流れ入る川の全て、および大半の水流は、水位の上昇で川の水路を満たしたので、広く深く、船が航行できる。

環境問題

シムコー湖は著しい富栄養化の犠牲になってきた。魚種によって劇的に減少したものがあり、対照的に藻類や水生雑草類が増加している。都市や田園部からのリンの排出が湖の生態系を狂わせ、過剰な水生雑草類を生み、水温を上げ、酸素濃度を下げ、それによって限られた生育域を荒れさせた。

外来種では、ゼブラ貝、エゾミソハギ、ブラック・クラッピー、トゲミジンコ、ラウンドゴビー、ホザキノフサモが見られる[6][7][8]

ゼブラ貝は黒海カスピ海原産のものが、貨物船のバラストに入って北アメリカにもたらされたと考えられ、北アメリカには1985年に入って来た。ゼブラ貝は水の透明度を上げるので、日光が湖底まで達し、それで藻類や水生雑草類が成長して富栄養化を促進させたので特に有害と考えられている[6]

キュウリウオも外来種であり、1960年代初期には観測されていた。在来のレイクホワイトフィッシュと競合すると考えられ、その生体数が減ったことに関係がある[8]

シムコー湖環境管理戦略、シムコー湖保存基金、シムコー湖地域保存公社など幾つかの民間団体が湖の環境災害を是正する取り組みを行っている。地元の活動家集団「湖の婦人達」は、ヌード写真カレンダーの販売で貯めた25万ドルを使い、政府、企業、学校、地元市民団体に湖の救済を呼びかけている。湖岸にある町や地域社会はその飲料水を湖に頼っている。

そのデリケートな生態系のバランス、さらに再生する淡水魚にも拘わらず、ヨーク地域は大規模な下水処理プラントの計画を完了させようとしている[9]。クックス湾のホランド川に立地する予定である。このプラントの目的はシムコー湖流域の開発強化を支援することである。

水上警察

オンタリオ州警察、ヨーク地域警察、ダーラム地域警察、バリー警察が湖の水上をパトロールする水上警察部隊を持っている。


  1. ^ Ontario - Lake Areas and Elevation”. Lakes. Atlas of Canada. 2010年3月15日閲覧。
  2. ^ The real story of how Toronto got its name”. Natural Resources Canada. 2006年4月17日閲覧。
  3. ^ Rayburn, Alan. Place Names in Ontario. University of Toronto Press. p. 184 
  4. ^ Data summary at the International Lake Environment Committee
  5. ^ John Paul to rest as cross makes way through Toronto
  6. ^ a b c Addressing The Issue”. 2009年8月7日閲覧。
  7. ^ Walker, Susan (2007年3月3日). “Lake Simcoe `Ladies' to the rescue”. The Star (Toronto). http://www.thestar.com/Life/article/186859 2009年8月7日閲覧。 
  8. ^ a b Invasive Species”. 2009年8月7日閲覧。
  9. ^ http://www.uyssolutions.ca/en/information/LandingPage.asp





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「シムコー湖」の関連用語

シムコー湖のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



シムコー湖のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのシムコー湖 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS