ゲイドン級装甲巡洋艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/08 02:10 UTC 版)
防御
本級の装甲板はハーヴェイ・ニッケル鋼で、チーク材の上にリベットで張られた。水線部には高さ1.35mの装甲板が艦首から艦尾の4m手前まで張られ、それぞれ厚さは艦首と艦尾40mm、船体中央部は150mmの厚さの水線部装甲が張られた。主甲板の防御は水平部が40mmで舷側装甲と接続する傾斜部は55mmであった。甲板上の主砲塔の基部(バーベット)は最大で200mm装甲で防御された。副砲の収められた砲郭は120mm装甲、司令塔は160mm装甲であった。
機関
本級の主ボイラーはフランス海軍で初めて竣工時から石炭と重油を燃料とする混焼缶が採用された。性能を比較するために各艦とも異なる形式を採用しており、「ゲイドン」がニクローズ式、「デュプティ・トゥアール」はベルヴィル式、「モンカルム」がノルマン・シガーティ式であった。搭載数は3隻とも28基で、これに推進機関として三段膨張型四気筒レシプロ機関3基3軸推進で最高出力19,600馬力で速力21ノットを発揮した。なお、「デュプティ・トゥアール」は最大出力20,000馬力で22ノットを発揮した。
同型艦
- ゲイドン(Gueydon)
- フランス、ロリアン造船所にて1898年8月起工、1899年9月進水、1903年9月竣工。1928年に練習艦へと改装後、1935年に除籍後、ハルク(倉庫艦)として使用。1942年にドイツ軍に鹵獲され、第二次世界大戦中の1943年に「プリンツ・オイゲン」のダミーシップに改造され、1944年にブレストで解体処分。
- モンカルム(Montcalm)
- フランス、F C de la Méditerranée社ラ・セーヌ造船所にて1898年9月起工、1900年3月進水、1902年3月竣工。1926年に除籍後、10月28日よりハルク(倉庫艦)として使用され、1934年に艦名をラ・ガリソニエール級軽巡洋艦に譲るために「トレミンタン(Tremintan)」に改められた。1942年にドイツ軍に鹵獲され、第二次世界大戦中の1943年に解体処分。
- デュプティ・トゥアール(Dupetit Thouars)
参考図書
- 「世界の艦船 増刊第50集 フランス巡洋艦史」(海人社)
- 「Conway All The World's Fightingships 1860-1905」(Conway)
- 「Conway All The World's Fightingships 1906–1921」(Conway)
- ゲイドン級装甲巡洋艦のページへのリンク