グーグル八分
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グーグル八分発見システム「∞Eyes」
2007年、情報処理推進機構が主催する未踏ソフトウェア創造事業(2007年第2期)にて採択されたプロジェクトの中に、「グーグル八分発見システム」が含まれている[22][23]。本システムの開発者は「悪徳商法?マニアックス」の管理者であることが明らかにされた[24]。
同ソフトウェアは他のサーチエンジンとGoogleの検索結果を比較し、その差から具体的にどのサイトがグーグル八分を受けていることを発見するシステムであるとされる[25]。
他の検索エンジンにおける検閲
Googleと並ぶインターネット検索サービス会社であるYahoo!に対して、グーグル八分ならぬ「Yahoo!八分」という言葉が一部で使われているが、そのような「Yahoo!八分」についてはその実例が確認されていない[7]。MSNもMicrosoftは検閲を実施しないと明言している[26]。
ただし、中国においては、国境なき記者団が主要検索サイトの検閲の実態を2006年6月15日に調査したところ、Google、Yahoo!、MSNはすべて共産党政府に都合の良い検閲を行っていることが明らかになったという[26]。
MSNは自社のブログサービスMSN Spaceのブログコンテンツについて、アメリカ政府からの法律違反を指摘され、かつ法的拘束力があった場合、またはMSNの利用規約に反している場合は、そのブログコンテンツへのアクセスを遮断する方針であることを、2006年1月31日に発表している。ただしアクセス遮断は国ごとの対応であるとされる。また法律違反からアクセスを遮断する場合はユーザへの説明責任を果たすとしている[27]。
各社の判断による検閲
MSNの「MSNモバイルサーチ」は2004年11月6日にガイドラインを改定し、インターネットを介して起こる昨今の社会問題に配慮し、検索結果から自殺サイト等7つの分類の反社会的サイトの表示をしないと発表した[28]。
アダルトサイト
MSNでは、Googleと同様にアダルトサイトへのフィルタリングがなされている[28]。
検索エンジンにおける検閲を回避する方法
検索エンジンによる検索結果から特定情報が排除される状態を回避するためには、1つの検索エンジンのみの検索結果に頼ることなく複数の検索エンジンで検索して内容を比較する必要がある。
グーグル八分を発見する∞Eyesを利用したり、複数の検索エンジンの検索結果を表示するメタ検索エンジンを利用して検索結果を比較対照する事である程度回避できるようになる。小規模な範囲の検索なら検索エンジンを自作し、独自の検索データベースを構築する事も可能。インターネット全体を対象にした大規模な検索を行う時にはPeer to Peer通信で分散コンピューティングを行う事で簡便に検索をする事が出来るen:Distributed search engineを利用するen:InfraSearch、Opencola、en:FAROO、en:YaCyなどの検索エンジンがある。
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- ^ ドキュメントDVD 『NHKスペシャル“グーグル革命の衝撃”あなたの人生を検索が変える』 ポニーキャニオン、2007年9月 商品番号PCBE-51502
- ^ “グーグル、Web検索「補足結果」表示を廃止 - 補足インデックス改良に伴い今夏より”. SEMリサーチ (2007年8月1日). 2007年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年5月22日閲覧。
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- ^ “「グーグル八分発見システム」を悪徳商法?マニアックス管理人が開発へ, IPAの未踏ソフト採択プロジェクトが決定”. ITpro. (2007年7月31日)
- ^ “祝!未踏ソフトウェア創造事業に採択されました”. (2007年7月31日). オリジナルの2007年8月19日時点におけるアーカイブ。
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- ^ a b “中国での検閲はYahoo!が最悪――国境なき記者団”. ITmedia. (2006年6月17日) 2009年5月22日閲覧。
- ^ “Microsoft、ブログ検閲への対応方針を公開”. ITmedia. (2006年2月1日) 2009年5月22日閲覧。
- ^ a b “MSN(R)が、モバイル検索サービスのガイドラインを改訂”. マイクロソフト株式会社. (2004年11月9日). オリジナルの2013年4月27日時点におけるアーカイブ。
- 1 グーグル八分とは
- 2 グーグル八分の概要
- 3 概要
- 4 グーグル八分と検索エンジン・ナショナリズム
- 5 グーグル八分発見システム「∞Eyes」
- 6 脚注
- グーグル八分のページへのリンク