オーラマシン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/29 01:06 UTC 版)
歩行機械
(狭義の)オーラ・マシン
ここに分類されるのは、乗用二足歩行機械のピグシーのみ。
- ピグシー (Pigsey)
- 地上人のショット・ウェポンが生み出したバイストン・ウェル史上初の「機械=オーラ・マシン」である。平時は3足歩行だが、高速走行時は2足になる。主に移動手段や物資の運搬に用いられるが、装甲を追加するなどして戦闘に転用される場合もあった。
オーラ・パンツァー
雑誌連載『AURA FHANTASM』に登場。ピグシーの発展型で、人員やオーラ・バトラーの運搬のために造られた甲虫型、あるいは亀型の多脚戦車。多足騎兵とも呼ばれる。早い内にウィング・キャリバーやオーラ・シップに取って代わられた。
- スカラベ
- ザラタン
- アケロン
航空機
グライ・ウィング
ピグシーの次に開発された1人乗りの小型グライダー状マシン。人が立って乗り飛行(厳密には「飛行」ではなく「滑空」であり航空機ではない。そのため、初の飛行型オーラ・マシンは後述の「ドロ」となる)する。移動手段として用いる以外に偵察や伝令にも使用された。なお、本体そのものに武装はないが、搭乗者がライフルなどの火器類を携行し白兵戦を行うことも可能である。また、非常時の脱出用にオーラ・バトラーやウィング・キャリバーに搭載されることもあった。
- ミュー (Mue)
- コモンの間で広く使われている一般的なグライ・ウィング。主翼は折り畳み式で使用時に左右に展長する。操縦装置の類はなく、機体にはパイロットが掴まるためのパイプステーがあるのみ。機体制御は体重移動で行う。
- シュット (Schut)
- 主にギブン家陣営で使用されていた独自仕様のグライ・ウィング。主翼はウイングトレッド付きの可変翼で胴体下から90°回転しながら展長する。機首には水上バイク式の操縦コンソールが付属する。ミューより性能は高いが構造が複雑で高価。
オーラ・プレーン・フラッタラ
小説『オーラバトラー戦記』に登場。オーラ・バトラーを生産できないミの国が開発した単なる航空機。
ウィング・キャリバー
オーラ・バトラーの移動・攻撃支援のために開発された航空機。基本的には輸送機でオーラ・バトラーとドッキングしての長距離移動支援が主な運用趣旨となっているが、支援攻撃機としても使用可能。テレビシリーズ本編に登場する以下の機種のほか、ゲーム『聖戦士ダンバイン 聖戦士伝説』に登場するリの国の「ジームルグ」がある。
バラウ
バラウ BARRAW | |
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所属 | アの国 クの国 |
設計 | ショット・ウェポン |
生産形態 | 量産機 |
全長 | 8.2メット |
全幅 | 11.1メット |
重量 | 1.9ルフトン |
動力源 | オーラ・コンバーター |
巡航速度 | 320リル |
最高速度 | 400リル |
武装 | 機関砲×4 ミサイル×4 |
搭乗者 | ガラリア・ニャムヒー リムル・ルフト 他 |
その他 | オーラ係数:0.55×2 必要オーラ力:5オーラ 限界オーラ力:不明 |
主にゲド、ドラムロの移動支援を目的にショット・ウェポンが最初に開発したウィング・キャリバー。後にビショット軍でも制式採用されている。オーラ・バトラーの離脱後は攻撃支援機として運用された。ハチを彷彿とさせる機体形状をしており、オーラ・バトラーとの合体(接合)は、ギミックの凝ったギブン家のフォウとは対照的に胴体部に跨るという空力抵抗をあまり考慮しないシンプルな形式を採用している。機体色はモスグリーン & レッド。
武装として機関砲4門と胴体下のパイロンにミサイルを4基備える(尾部の針状の突起は武装にも見えるが本編ではそのような描写はない)。コクピットは縦列複座で乗員は2名(1名でも操縦は可能。後にオートパイロット機能が搭載されオーラ・バトラー側からの無人操作も可能となった)。なお、前述の通り本機の基本設計はゲド、およびドラムロの積載を想定して行われており、ビランビー以降の大型オーラ・バトラーの場合は、積載そのものは可能だが飛行時の安定性が極めて悪かった。よって、中盤以降は後継機であるズロンに主力の座を譲っている。
オーラ・マシンが稀少な初期段階では、ある程度の身分を持った上級騎士(ガラリア・ニャムヒーなど)にのみ搭乗が許されていたが、本格的な量産以降はドロと共に「機械化部隊」の航空戦力として運用された。また、第42話でゲア・ガリングから脱出したリムル・ルフトが述べているように、オーラ力の低いコモンでも容易に操縦が可能であることから、ズロン投入後も最終決戦まで第一線で併用されている。
フォウ
フォウ FOW | |
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所属 | ギブン家 ラウの国 ナの国 |
開発 | ギブン家 |
生産形態 | 量産機 |
全長 | 13.2メット(約13.2m) |
全幅 | 11.8メット(約11.8m) |
重量 | 2.3ルフトン(約2.3t) |
動力源 | オーラ・コンバーター |
巡航速度 | 320リル(約1,320km/h) |
最高速度 | 400リル(約1,600km/h) |
武装 | 機関砲×4 ミサイル×6 回転式大型機関砲×2 オーラ・ショット×1 |
搭乗者 | キーン・キッス 他 |
その他 | オーラ係数:0.53×2 必要オーラ力:5オーラ 限界オーラ力:不明 |
バラウの開発を受けて、ギブン家が独自に開発したウィング・キャリバー。輸送用の補助戦力としてよりも、主戦力の一部としても期待されており[1]、バラウに比較すると遥かに強武装である。他の機種が機体上部にオーラ・バトラーを搭載するのに対し、本機は機体後部を90度折り曲げ、そこにオーラ・バトラーの下半身を収納(接合)するのが大きな特徴(この際、機体後部の回転式大型機関砲が前方を向き、格闘戦用の鉤爪を展開する襲撃形態になる)で、こうした複雑で高価な構造なのも戦力の乏しいギブン家の弱点を補う[1]「量より質」の設計がうかがえる。乗員は並列式(サイドバイサイド)複座で2名だが、後に無人飛行可能なオートパイロット機構が装備された。オーラ・バトラーと接合するとコクピット同士が繋がり、互いに行き来が可能になる。機首下にグライウイング・シュットも搭載されており、飛行中にコクピットからの直接発進も可能である。
主にダーナ・オシーとドレイク軍から投降したダンバインの移動支援に使われていたが、ドラムロ以外の初期型オーラ・バトラーであればドッキングは可能で、量産後のボゾンも本機によって運用された他、後に数機が作製されラウ/ナの両軍でも使用された。また、オーラ・バトラーの下半身を収納する機体構造上、内部の容積が大きく、平時は機体後部をカーゴルームとして物資の運搬などにも活用されている[注釈 1]。
武装は主翼部に機関砲4門、翼下にミサイル6基、機体後部に回転式大型機関砲2門の他、着陸脚を兼ねる2本の鉤爪(襲撃形態時のみ)を持つ(鉤爪は第5話でギャラウーを撃退する際にも使用されている)。なお、物語後半では武装強化の一環として、機首にダンバイン用のオーラ・ショットを追加した。塗装はライトグリーン。
主なパイロットは、ゼラーナ隊のキーン・キッス。
ズロン
ズロン ZLON | |
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所属 | アの国 クの国 |
設計 | ショット・ウェポン |
生産形態 | 量産機 |
全長 | 25.6メット |
全幅 | 30.0メット |
重量 | 6.9ルフトン |
動力源 | オーラ・コンバーター |
巡航速度 | 340リル |
最高速度 | 410リル |
武装 | 機関砲×2 ミサイル×6 |
搭乗者 | アの国/クの国一般兵 |
その他 | オーラ係数:0.75×2 必要オーラ力:7オーラ 限界オーラ力:不明 |
大型オーラ・バトラーの移動支援用にドレイク軍が開発した新型ウィング・キャリバー。ビショット軍でも制式採用されている。バラウの後継機だが、飛行を固定翼に頼っているため、推力自体は増加したものの旋回性能が犠牲になっている。機体色はダークブルー。オオスズメバチを思わせる鋭角的なフォルムが特徴。
武装は胴内に機関砲2門と翼下のパイロンにミサイルを6基搭載する。乗員は縦列複座で2名。オーラ・バトラー側からの無人操作や、オートパイロット機能による無人飛行(ただし、オーラ・バトラー離脱後は戦闘空域の上空で自動旋回を継続するのみ)や、離脱した母機による無線操縦も可能。オーラ・バトラーとの合体(接合)はバラウとは異なり、胴体上部のハッチが開きオーラ・バトラーの下半身を収納するフォウに似た形式を取っており(ハッチが背もたれになり機体に座る形となる)、バラウの約3倍も大型化された機体サイズと相まって重量級のオーラ・バトラーでも安定した輸送が可能となった。
次々に開発される新型オーラ・バトラーの大型化に伴い、物語中盤以降の主力ウィング・キャリバーとして活躍した。なお、バラウと同じく攻撃支援機としても運用は可能であるが、劇中では無人飛行の描写がほとんどで単独で戦闘に参加している場面は見られない。
ジームルグ
ジームルグ | |
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所属 | リの国 |
生産形態 | 量産機 |
武装 | 機関砲(オーラ・バルカン)×2 ミサイル×6 |
搭乗者 | リの騎団騎士 |
ゲーム『聖戦士ダンバイン 聖戦士伝説』に登場するリの国が独自開発したウイングキャリバー。バラウ同様、接合は跨乗式だが機体が大型であるため、後期の大型オーラバトラーも安定して搭載可能。
機体はショウリョウバッタを彷彿させるフォルムを持つ。ズロンと同じく大型の固定翼を持ち、翼全体がオーラノズルになっている。複座式だと思われるが詳細は不明(ゲームのシステム上、複座機以上でもメインパイロットしか表示されないため)。
武装は左右翼端にミサイル3発ずつ、計6基。胴体上面に機関砲[注釈 2]2門も搭載している模様。
ゲームデータ上ではフォウと拮抗するかそれ以上の性能を持つ(しかし、ズロンには一歩及ばない)。塗装はエメラルドグリーン。
オーラ・ファイター
オーラ・バトラーの機動力とウィング・キャリバーの高速性能の両立をコンセプトに設計された新しいタイプのオーラ・マシン。大きさはオーラ・シップの3分の1程度で以下に挙げるガラバの他に雑誌連載『AURA FHANTASM』に登場するグリフィンがある。
ガラバ
ガラバ GALLABA | |
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所属 | アの国 クの国 |
設計 | ゼット・ライト |
生産形態 | 試作機(増加試作機) |
全長 | 22.3メット(約22.3m) |
重量 | 14.2ルフトン(約14.2t) |
動力源 | オーラ・コンバーター |
巡航速度 | 380リル(約1,520km/h) |
最高速度 | 400リル(約1,600km/h) |
武装 | オーラ・キャノン×1 3連装オーラ・ショット×2 オーラ・バルカン×2(コンバーター) オーラ・バルカン×2(機首) ワイヤー付連装ショット・クロー×2 |
搭乗者 | 黒騎士(バーン・バニングス) ゼット・ライト |
その他 | オーラ係数:1.2×2 必要オーラ力:8オーラ 限界オーラ力:16オーラ |
格闘戦能力を捨て砲撃による一撃離脱戦法を主眼に置いた機体であり、空戦においてはオーラ・バトラーを圧倒する性能を発揮すべく設計されている。ただし、製造工程が複雑で極めてハイコストな上に、一般兵の乗った本機が存分に性能を発揮する間もなく撃破されていることから、明らかに乗り手を選ぶ機体でもあった。そのため、オーラ・バトラーに代わる次期主力機動兵器としての量産は見送られ、実戦投入は僅か6機に終わっている。
主な搭乗者は、本機の開発者でもあるゼット・ライト。他に黒騎士も使用しており、第48話では増大したオーラ力によりハイパー化している(厳密にはエレ・ハンムによって封じ込まれている)。また、ショウ・ザマとの最終決戦では、ビルバインの右腕、左脚、頭部を消失させ大破せしめたが、最後は白兵による相討ちで撃破されている。
ロールアウトは地上に浮上する以前であったが、折しもゼットが技術者から聖戦士への転身を目論んだ時期に仕上げが重なったため、最終調整が行われずに長期間放置されていた(登場シーンはあるが格納庫に座ったまま稼働せず、皮肉にも本機のコンセプトをさらに発展させたブブリィの方が先に実戦配備されている)。
武装は胴体上部にオーラ・シップの搭載砲と同程度の威力を持つロングバレルのオーラ・キャノンが1門。左右のコンバーター側面にオーラ・バルカンを各1門ずつ。両脚部に連装のワイヤー付ショット・クローが各1基ずつ。加えて3連装オーラ・ショットを内蔵するオーラ・ショット・アームが一対存在するが、この五指を廃した腕は火器の兵装スポットに過ぎず、格闘武器を保持するものではない(敵機を殴る程度のことは可能)。
設定図には指定されていないが、最終回での描写から機首にオーラ・バルカン2門が存在する模様である。
なお、本編では一度も「オーラ・ファイター」という名称は使われておらず、ショウやクの国の騎士ガラミティ・マンガンは本機のことを「オーラ・ボンバー」と呼んでいた。
オーラ・ボンバー
「オーラ・ファイター」のコンセプトに加えて、「オーラ・ボム」さらには「オーラ・シップ」の概念までも採り入れた大型機動兵器。大きさはオーラ・シップより一回り小さい程度。
ブブリィ
ブブリィ BUBURY | |
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所属 | クの国 |
設計 | ショット・ウェポン |
生産形態 | 試作機 |
全長 | 34メット(約34m) |
重量 | 54.3ルフトン(約54.3t) |
動力源 | オーラ・コンバーター |
巡航速度 | 350リル(約1,400km/h) |
最高速度 | 600リル(約2,400km/h) |
武装 | フレイ・ボム内蔵有線式クローアーム×2 固定式大型オーラ・キャノン×1 固定式大型フレイ・ボム×2 旋回式連装機関砲×1 オーラ・バルカン×4 5連装ミサイル・ランチャー×2 |
搭乗者 | 黒騎士 ゼット・ライト ミュージィ・ポー 他 |
その他 | オーラ係数:0.6×2+0.4×2 必要オーラ力:20オーラ 限界オーラ力:不明 |
ズワァースの完成により、オーラ・バトラーの限界を感じたショット・ウェポンが開発した次世代型オーラ・マシン。地上浮上後に僅かに1機だけ作製された(ただし、直接作製に携わったのは当時ビショット・ハッタの下に身を置いていたゼット・ライトで、配備もドレイク軍ではなくビショット軍のゲア・ガリングであった)。
大型の機体でありながらウィング・キャリバー並みの高速性能と強力な火器を併せ持ち、ガラバ同様に空中戦においてはオーラ・バトラーを圧倒する性能を発揮する。クローアームにより敵機を引きずり回す、あるいは鷲掴みにした状態で内蔵のフレイ・ボムをゼロ距離射撃するといった独特の戦法を駆使して反ドレイク陣営を苦しめた。なお、「オーラ・ボンバー」と呼ばれるカテゴリーに分類されるのは本機1機種のみとなっている。
主な搭乗者は黒騎士、ゼット・ライト、 ミュージィ・ポーで、これらメインパイロットの他に操縦の補助操作や火器コントロール・システムの複雑さなどからコパイロット3名を含む計4名の乗員が必要であった(この事からも、本機のコンセプトにオーラ・ボムやオーラ・シップの概念が取り入れられているのが分かる)。
基本機体色は黄みがかったクリーム色。後にミュージィが搭乗した際にはダークブルーに塗り替えられている。
武装は大口径オーラ・キャノン1門と大型フレイ・ボム2門を機首に固定装備。機体上部に旋回式連装機関砲塔を1基。オーラ・コンバーター部にオーラ・バルカン4門と5連装ミサイル・ランチャー2基。機体下部にソノブイ(地上製)を投下可能な爆弾倉を持つ。接近戦にも留意されており、オーラ・バトラーですら拿獲可能な射出式の大型クローアーム(中央に地上爆撃用のフレイ・ボム1門を内蔵)を2基備える。
設定では大型クローアームの4本ある爪も独立して射出可能であるが、本編では未使用だった[2]。
オーラ・ボム
戦闘用に開発された飛行型オーラ・マシン。クラゲ型、あるいはクモ型をしており、数名が乗り込み、爆撃や空中戦を行う飛行戦闘艇。
画面ではあまり感じられないが、ドロで直径約14メット、タンギーなどは約28メット(ダンバインが全高6.9メットなので、約4倍ものサイズ)と、WW2の四発重爆撃機並の大型機である。 『聖戦士伝説』など多くのゲームでは射撃戦特化で格闘戦不可だと思われがちだが、ファミリーソフトのPCゲーム『聖戦士ダンバイン バイストン・ウェルの炎』ではフレイボム・アーム・ガンで殴るのも可能だった[注釈 3]。
ドロ
ドロ DOLO | |
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所属 | アの国 クの国 |
設計 | ショット・ウエポン |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 11.7メット 直径=13.8メット(本体) |
重量 | 3.4ルフトン |
動力源 | オーラ吸気 |
巡航速度 | 160リル |
最高速度 | 170リル |
武装 | フレイ・ボム×4 |
搭乗者 | ガラリア・ニャムヒー キブツ・キッス 他 |
その他 | オーラ係数:0.5×2 必要オーラ力:4オーラ 限界オーラ力:不明 |
ショット・ウェポンが開発した初の空飛ぶ戦闘用オーラ・マシン。ドレイク・ルフト領内に跳梁跋扈するガロウ・ランを討伐すべく、フレイ・ボム(火焔砲)を搭載した対地攻撃用の爆撃機として設計された。
機体色はブルーグリーンとオリーブドラブ。最初期に完成したオーラ・マシンということもありオーラ力の転換係数は低く、コモン1人では浮くのがやっとであり、4人乗ってようやく戦闘が可能な状態だったといわれている[3]。だが、完成当初の「空を飛べる」という戦力的なアドバンテージは城攻めなどでは極めて有効で、初期ドレイク軍の軍事展開上、大きな力の礎となった機体である。また、本機はドレイクの軍事資金調達のためにクの国を始めとする近隣諸国へ積極的に売却もされており、ラウの国では本機を参考にコピー改良型ともいえるグナンを製造している。
形状は円盤状の胴体に触手状の「フレイ・ボム・アームガン」を4基備えたクラゲを彷彿とさせるもので、このアームガンは先端にフレイ・ボム1門が内蔵され、オーラ・マルス(筋繊維)によるフレキシブルな可動範囲と広い射角を確保している。胴体下には大気中のオーラを吸排気する釣鐘状のインテークが4つ並び、乗り組んでいるクルーを触媒にしてオーラ力を動力に変換するシステムで空を飛ぶ(このため、飛行中は呼吸にも似た音を発する。なお、本機の動力源をオーラ・コンバーターとしている資料もある)。オーラ・マシンとしては安価で製造が容易であり、操縦も簡単なことから機動部隊拡張の際には真っ先に大量生産された。ただし、対オーラ・マシン戦を考慮する以前の機体であるため、空戦での機動性能は低くオーラ・バトラーが相手ではやられ役になってしまう場合が多かった。
短期間で長駆の発展を遂げたオーラ・マシン群の中で本機は急速に旧式化して行ったが、その生産・配備数の理由から新型のオーラ・ボム“タンギー”へと完全には代替されず、最終決戦まで第一線に留まっている。輸送艇や連絡艇としても重宝されていた。
グナン
グナン GNAN | |
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所属 | ラウの国 ナの国 |
開発 | ラウの国 |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 6.5メット 直径=15.1メット(本体) |
重量 | 3.0ルフトン |
動力源 | オーラ吸気 |
巡航速度 | 170リル |
最高速度 | 200リル |
武装 | フレイ・ボム×3 オーラ・バルカン×3 |
搭乗者 | ラウの国/ナの国一般兵 |
その他 | オーラ係数:0.5×3 必要オーラ力:4オーラ 限界オーラ力:不明 |
ラウの国で開発された機体で、ナの国でも使用された反ドレイク陣営の主力オーラ・ボム。基本的にはドロのコピー改良型で、機体全体の小型化と約5割の出力増加で高性能化が図られているが、本機は大気中のオーラを吸気して飛行する従来型オーラ・ボムの延長線上にあり、オーラ・コンバーターを備えたことで飛躍的に性能を向上させたクの国のタンギーに比べると、かなり見劣りのする機体であった。
形状はドロに準じるクラゲ状の円盤型で、武装は伸縮自在な3本のフレキシブルアーム(フレイ・ボム・アームガン)の先端にフレイ・ボムを各1門ずつ内蔵する。また、アームガンの数はドロの4本から3本に減じているが、これを補うために胴体の三方にオーラ・バルカンが1門ずつ搭載されており、機体形状の見直しと相まってドロと同程度の戦闘力は確保されている。機体色はカーキ & ブラウン。王族の親衛隊用はブルーホワイト。
名のあるキャラクターの愛機にはならなかったものの、大量生産され反ドレイク陣営の戦力の一翼を担った。戦闘以外にもオーラ・シップ間の連絡艇としてや輸送任務などにも従事した。乗員は4名。他に若干名の同乗も可能。
タンギー
タンギー TANGIE | |
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所属 | クの国 アの国 |
開発 | クの国 |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 10.5メット 直径=飛行時27.9メット 直径=着陸時22.2メット |
重量 | 5.2ルフトン |
動力源 | オーラ・コンバーター |
巡航速度 | 220リル |
最高速度 | 280リル |
武装 | オーラ・キャノン×3 ボールマウント式オーラ・キャノン×1 フレイ・ボム×4 ワイヤー付ショット・クロー×4 |
搭乗者 | ジェリル・クチビ 他 |
その他 | オーラ係数:0.5×4 必要オーラ力:5オーラ 限界オーラ力:不明 |
クの国が独自開発した主力オーラ・ボム。ドロの発展型に属さない唯一のオーラ・ボムであり、外殻の厚いカニ状の甲殻類(ただし、脚は4本でデザインを担当した出渕裕はクモをイメージしたとしている)を思わせる鈍重なフォルムに反して、機体にオーラ・コンバーターを搭載することでオーラ・バトラーに匹敵する機動力を得ることに成功した新型機。巡航速度220リル、最高速度は280リルという、反ビショット・ドレイク陣営の主力オーラ・バトラー・ボチューンを上回るスペックを持つ[注釈 4]。
従来のオーラ・ボムは、主に対地攻撃に主眼を置いた爆撃機的な存在なのに対し、本機は対オーラ・マシン用の戦闘攻撃機的な性格を持った空戦向きの機体である。
初登場の第24話ではアの国の新型機レプラカーンを圧倒し、第28話ではジェリル隊がダンバインをあと一歩まで追い詰め[注釈 5]、第39話ではトッド・ギネスの捕らえたマーベル・フローズンのダンバインをショット・クローで移送するなどの活躍を見せている。
武装は強力で機首にオーラ・キャノン3門、四肢にあたるフレイ・ボム・アームガン(ドロのものとは違い非触手系)内にフレイ・ボム(火焔砲)とワイヤー付ショット・クローを各1基ずつ。そして胴体下に全周射界の爆撃用ボールマウント式オーラ・キャノンを1門装備する。
コストパフォーマンスが高く大量生産されてビショット軍の中核を担った。物語中盤以降はドレイク軍でも本機を制式採用している。機体色はローズマダー & グレイ。オーラ・ノズルはイエロー。なお、ジェリル・クチビの搭乗した機体には脱出用装備として機内にグライ・ウィング、ミューが搭載されていた。
その他
小説『オーラバトラー戦記』には以下のオーラ・ボムが登場している。
- ドーメ
- ドメーロ
- ドッフオ
注釈
- ^ 地上界に浮上した際には、IBN社から購入した軍事用レーダーの搬送に使われた。
- ^ ゲームデータ上では「オーラ・バルカン」となっている。
- ^ 命中率や威力は低いが、タンギーなどは高威力の設定になっている。
- ^ もっとも、オーラ・マシンの性能は搭乗者のオーラ力次第で上下するため、この数値はあくまで性能表上での目安である。
- ^ ビルバインの介入がなければ、ジェリル機は拘束したダンバインに機首オーラ・キャノンを直撃させていた。
- ^ ただし、第30話でマーベル・フローズンが血気に逸るショウ・ザマのビルバインに対し、「背中のキャノン、もう弾が無いんじゃなくて?」といって諫めた事実もあって考えにくい。
- ^ ただし、物語の演出上、ワイヤーを切断するなどの鋭利さを強調した描写や剣を投擲するといった特殊な用法も見られたが、剣としては標準的な使い方で問題はない。そも、装甲化された相手に切れ味の良い剣、つまり薄い刃をぶつけては、すぐに刃こぼれしてしまう。史実の中世ヨーロッパや日本の戦国時代でも、「折れない」ことが重要視されている。
- ^ ツクダのウォー・シミュレーションゲーム『オーラバトラー』シリーズでは、オーラ・バルカンと機関砲は明確に区別されており、威力・射程共に機関砲の方がオーラバルカンよりも高い。
- ^ 片手をガッシュの後部に接続し、もう片手は本体を握って方向を定める必要がある。
- ^ フェイは自分の投げた二発目のグリネイドをビルバインに弾き返されて、結果として自爆・撃墜されてしまった。
- ^ ウォー・シミュレーションゲーム『オーラバトラー』シリーズでは、オーラショットに比べてボゾン砲は短射程である。
- ^ 同型のランチャーはゲーム『聖戦士ダンバイン 聖戦士伝説』に登場した、アルダムも使用している。
出典
固有名詞の分類
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