かつら (装身具) かつらの近代化

かつら (装身具)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/20 21:30 UTC 版)

かつらの近代化

近代的な男性用かつら

以前は舞台用あるいは女性のおしゃれ用として考えられてきたが、近年では目覚しいほどの技術の発展により、男女問わずかつらの使用者は2009年頃から増える傾向にある。

使用者が増えた大きな理由は、かつらの製作技術がすぐれたことによるものである。また、男性用に限っては、以前よりかつら使用者への他人からの偏見が減少したためである。2000年頃から登場した、特に男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia=AGA)による社会的偏見視から人々の目を遠ざけることを目的として欧米で開発された"頭皮一体型の薄型かつら"の普及は目覚しいものがある。通称は"貼るタイプ"のかつらである。

また、普及した要因の一つとして、これまで「かつらは車一台分」や「かつらで年収がわかる」といわれるほど高価とされてきたため、ごく一部の人が利用してきたという概念を覆した点にある。

従来式と呼ばれるかつらは、比較的生地の厚いかつらのことを指し、製品の短い寿命から価格との折り合いがつかなくなり年々生産が減少している。

価格

コスプレハロウィンといった仮装あるいは変装用を目的としたかつらは、これまでと比べすでに価格は仕入れ値に近い底をついており、比較的安価なもので2千円、高価なもので1万円となっている。

年齢層の高い女性用のヘアピースと呼ばれる部分かつらは、製品価格に大幅な差が生じていて、5千円 - 30万円である。差が生じる要因としては、企業戦略に基づく広告宣伝費や、消費者が快適に使用するために独自開発された人工毛や生地による違いとされる。

頭皮一体型のかつらは、ビジネスマンなどが通常の勤務に装着しても不自然でないことが重要な要素となるため、価格に大幅な差が生じる。相場としては、大企業のもので(4枚50万円 - 70万円)中小企業や個人事業のもので(1枚2万円 - 10万円)というのが一般的である。

従来式と呼ばれる比較的生地の厚いかつらは、製品が酸化して使い物にならなくなるまでの消耗品としては価格が高いため、年々需要は減りつつある。

現在は大企業でもほとんどの場合が、近代化したかつらを主力製品として製造し販売を行っている。

製造・生産

現在では、主に中国[4]タイインドネシア北朝鮮などの国で製造されている。製品の自然さを追求すると、手植えによる職人の技術が必須であるためでもある。機械植えで製造できる製品は、変装用途を目的とした比較的安価なかつらと、一部の近代化した薄型のかつらのみである。


  1. ^ a b かつら『大辞泉』
  2. ^ はちまきの話、折口信夫、1926(大正15)年6月、青空文庫
  3. ^ a b c カツラ『大百科事典. 第5巻』平凡社、1931年
  4. ^ “中国の人毛加工製品、輸出が急成長”. AFPBBNews (フランス通信社). (2014年8月22日). https://www.afpbb.com/articles/-/3023875?ctm_campaign=txt_topics 2014年8月23日閲覧。 


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