遅延グリーン関数

ウィキペディア

遅延グリーン関数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2021/05/05 03:33 UTC 版)

遅延グリーン関数（ちえんグリーンかんすう，英: retarded Green's functions）$G_{A.B}^{r}$とは、次のように定義されるグリーン関数(伝播関数)である：

$G_{A.B}^{r}:={\frac {\theta (t-t')}{i\hbar }}{\Big \langle }[{\widehat {A}}(t),{\widehat {B}}(t')]_{\pm }{\Big \rangle }.$

ここで$\langle \quad \rangle$は基底状態での平均値を表す。演算子の時間依存性はハイゼンベルク描像を表す。$\theta (x)$は階段関数、$[{\widehat {A}},{\widehat {B}}]_{\pm }:={\widehat {A}}\,{\widehat {B}}\pm {\widehat {B}}\,{\widehat {A}}$である。

外力に対する応答

遅延グリーン関数は、応答関数のフーリエ変換を一般化したものになっている。ある系に対する外力X(t)に対する影響を$H_{\rm {ext}}:=-AX(t)$とするとき、この系の物理量Bの応答を表す応答関数は、遅延グリーン関数$G_{A.B}^{r[-]}(t)$を使って次のように表される:

$\Phi (t)=-G_{B.A}^{r[-]}(t).$