ハミング限界
(hamming bound から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/04/29 05:00 UTC 版)
ハミング限界(ハミングげんかい、英: Hamming bound)は、符号(線型符号とは限らない)のパラメータの限界値を指す。球充填の限界を情報理論の観点で言い直したものと言える。ハミング限界に従った符号を「完全符号; perfect code」と呼ぶ。
定義
q進数の符号 が長さ
で最小ハミング距離
であるとき、その可能な最大サイズ(符号語の総数)を
とする。なお、q進数の符号は、
個の要素の体
上の線型符号である。
すると、次が成り立つ。
ここで、
証明
の定義から、符号語の転送において最大で
の誤りが発生したとすると、最小距離復号によって正しく復号できる(すなわち、符号化された符号語を正しく復号できる)。つまり、この符号は
個の誤りを訂正可能である。
であるようなある符号語について、
を中心とする半径
の球を考える。このような球の範囲内なら誤り訂正が正しく行われる。符号語を構成する
個の要素のうち
個まで誤りがあっても正しく復号できるため、それぞれの球には以下の符号語が含まれる(つまり、中心にある真の符号語の一部を変更した符号語群の数)。符号語の一桁は q進数であるから、とりうる値は
種類になる。
に存在する符号語の総数を
とする。全ての符号語から球の和集合をとると、結果として得られる符号語の総数は
以内となる。それぞれの球は重ならないので、それぞれの要素数の総和をとると、次が成り立つといえる。
従って、次が導かれる。
関連項目
- シングルトン限界
- ギルバート-バルシャモフ限界
- プロトキン限界
- ジョンソン限界
ハミング限界と同じ種類の言葉
- ハミング限界のページへのリンク