TIALD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/01 05:09 UTC 版)
TIALD(Thermal Imaging Airborne Laser Designator:熱画像・空中レーザー目標指示装置)は、1980年代後半から1990年代にかけてフェランティ社およびGECマルコーニ社が製造した目標指示ポッドであり、英国におけるペイブウェイシリーズのレーザー誘導爆弾(LGB)用として主力となるレーザー目標指示装置である。
歴史
イギリス空軍(RAF)が最初に導入したレーザー目標指示装置は、1979年に運用が開始されたブラックバーン・バッカニア攻撃機に搭載されたウェスティングハウス・エレクトリック社製のペイブ・スパイク(Pave Spike)ポッドだった[1]。これは昼間のみの使用に限られていたため、国防省は新たなレーザー目標指示装置の検討を開始した[1]。RAFによるLGBの実戦使用は、フォークランド紛争においてアルゼンチン軍に対しハリアーで行った攻撃が最初ある。これらの攻撃におけるレーザー目標指示は、地上設置型の指示装置を使用する前線航空管制によって行われた[1]。
1988年、フェランティ社を中心とするコンソーシアムは、パナビア・トーネードに搭載するレーザー目標指示ポッド「TIALD」の開発契約を獲得した[2]。TIALDには、GECマルコーニ社の熱線映像装置とブリティッシュ・エアロスペース社の自動映像追尾装置が組み込まれていた[2]。TIALDが初めて使用されたのは1990年5月の試験時であり、この際、バッカニアがトーネードから投下されたペイブウェイII爆弾の誘導を行った[1]。
1990年のイラクによるクウェート侵攻の際、TIALDはわずか46日間でトーネードGR1への実戦配備が急ピッチで進められた[1]。続く湾岸戦争では、量産前のTIALD 2基が使用され、229発のLGBを目標へと誘導した[3][4]。
TIALDは湾岸戦争後、イラクにおける飛行禁止空域の哨戒任務(1991~2003年)[5]、それに伴う砂漠の狐作戦(1998年)[6]、ボスニアでのデリベレート・フォース作戦(1995年)[7]、コソボ紛争(1999年)[7]、そして2003年のイラク戦争などにおいて、広範に使用された。
1995年3月、RAFは最初の改修が行われTIALDの運用が可能になったSEPECAT ジャギュアを受領した。この改修には、同機のハードウェアとソフトウェア双方の更新が必要であった[8]。ハリアーGR7への統合は1996年に開始されました[9]。
製造会社
親会社の企業としての変遷に伴い、TIALDの製造会社は、フェランティ、フェランティ・インターナショナル、GEC-フェランティ/GEC-マルコーニ[3]、BAEシステムズ・アビオニクス[10]、そしてSelex ESと名称を変えてきた[11]。
更新
アフガニスタンでの経験から、TIALDが時代遅れであると認識されるに至った。RAF 中佐は次のように述べている。
「それは1980年代に、パイロットが橋や大型建築物、航空機用格納庫といった目標に対してレーザー誘導爆弾を投下できるように設計された。航空阻止用の目標指示ポッドであるTIALDは極めて優秀であり、過去10年にわたり、デリバレイト・フォース作戦、アライド・フォース作戦(1999年)、そしてテリック作戦(2003年)で実証された通り、その任務を十分に果たしてきた。しかし現在求められているのは、都市部における近接航空支援により適したセンサーである。そこでは、小さな町や村にある施設群のように、他のものと酷似した特定の目標を識別・防護する必要があるからである。」[12]
トーネード攻撃機では、TIALDがライトニング ターゲティングポッドに換装された[13]。ハリアー攻撃機では、2007年の緊急作戦上の要求に基づき、TIALDに代わってスナイパー ポッドが採用された[11][14]。
脚注
- 1 2 3 4 5 Ripley, Tim (October 2000). “Laser Bombers”. AirForces Monthly. Key Publishing.
- 1 2 White, David (4 June 1988). “Ferranti-Led Consortium Wins RAF Laser Contract”. Financial Times. London.
- 1 2 “Tornado forecast”. Flight International. 10 December 1997. 2020年6月16日閲覧.
- ↑ Marquis, R.J. (1995). “Light from the darkenss”. GEC Review. General Electric Company.
- ↑ “House of Commons - Defence - Thirteenth Report”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ↑ Davison, John; Marshall, Andrew (18 December 1998). “Iraq Bombings: The Air assault - RAF Tornados spearhead second phase of Desert Fox campaign”. The Independent. 2022年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2020年6月15日閲覧.
- 1 2 Penney, Stewart (22 August 2000). “Aiming to Improve”. Flight International. 2020年6月15日閲覧.
- ↑ “The plane that aims for accuracy”. Engineer. 9 March 1995.
- ↑ “BAe plans TIALD vibration tests on Harrier GR7”. Flight International. 22 May 1996. 2020年6月17日閲覧.
- ↑ Hoyle, Craig (30 March 2004). “BAE to combat UK missile threat”. Flight International. 2020年6月16日閲覧.
- 1 2 Hoyle, Craig (6 March 2007). “Sniper sets sights on Harrier”. Flight International. 2020年6月16日閲覧.
- ↑ Warnes, Alan (2009). Herrick Harriers:An Unofficial Tribute to Joint Force Harrier in Afghanistan. Key Publishing.
- ↑ “All-seeing Eyes”. Vayu Aerospace & Defence Review. 30 April 2014.
- ↑ Hoyle, Craig (5 June 2007). “UK Harriers debut with Sniper pod”. Flight International.
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