SkyDrive (空飛ぶクルマ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/30 22:17 UTC 版)
SkyDriveとは、日本のスタートアップ企業SkyDriveが開発中の空飛ぶクルマ(電動マルチコプター、eVTOL)。
概要
SkyDriveは、2014年の1月から開発が行われているeVTOL型の空飛ぶクルマである[1][2]。実用化は2025年を予定[3]。
当初、機体サイズは身近な空の移動を実現するため世界最小を目指し、高さ2m、幅4m、長さ4mほど、 地上走行可能(空陸両用車)になる予定であった[4][5]。その後、3人乗りで飛行速度は100 km/h、地上の走行機能は持たないものに変更した[6][注 1]。2023年現在の設計では自動車との類似性は低いものとなっている。
機体
機体材料は軽量でありながら壊れ難い炭素繊維強化プラスチックを[8]アルミ合金と併用する[9]。機体上部に配置された計12基のローターとモーターで飛行し、また、トラブルをセンサーが察知した際は避難モードが作動し安全に着陸するシステムも搭載される[10]。
諸元
出典:「FLYING CAR- 空飛ぶクルマ」[9]
- 全長:約11.5 m
- 全幅:約11.3 m
- 全高:約3 m
- 最大離陸重量:1,400 kg
- 燃料:バッテリー
- 駆動方式:モーター・ローター × 12
- 最大巡航速度:100 km/h
- 航続距離:15 - 40 km
- 乗員:3名
歴史
- 2012年
- 9月、前身団体であるCARTIVATOR発足
- 2014年
- 1月、Skydrive開発開始
- 2019年
- 2020年
- 2021年
- 10月、「SD-05」の型式証明を国土交通省に申請[14]。
- 2022年
- 3月22日、スズキと「空飛ぶクルマ」(eVTOL)の社会実装を目指して連携協定を締結したと発表[15]。連携内容は技術と事業の両面で、機体開発や量産体制の確立、インドを中心とした海外市場の開拓など[15]。
- 6月7日、「SD-05」の認証や内装などに関してジャムコとの提携を発表[16]。
- 7月18日、「SD-05」のバッテリーシステム開発でアメリカのEPシステムズとの協業を発表[17]。
- 9月26日、「SD-05」のデザインと仕様を発表[18]。12基のプロペラを搭載し、最大巡航速度は時速100 km/h[18]。「SD-05」は全長9.4 mで最大搭乗人数2人、最大航続距離は10 km、飛行時間は5 - 10分となっている[18]。価格は1億円程度を想定し、1回当たりの充電時間は30分未満を目指している[18]。2025年の大阪万博で会場輸送することを目指していた[18]。
- 2023年
- 2024年
- 6月14日、大阪万博での商用飛行断念。デモ飛行に変更[21]。
- 2025年
- 4月9日、大阪万博メディアデーにてデモ飛行実施[22]。
脚注
注釈
出典
- ^ “TIMELINE タイムライン”. skydrive2020.com. 2020年12月21日閲覧。
- ^ “空飛ぶクルマの実現に向けた地方公共団体及び事業者等の動向調査”. 三菱総合研究所. p. 15. 2020年12月14日閲覧。
- ^ “TIMELINE タイムライン”. skydrive2020.com. 2021年10月5日閲覧。
- ^ “『空飛ぶクルマ』を開発するSkyDrive(スカイドライブ) 世界初披露の機体「有人機SD-03」で、公開飛行試験を成功”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES. 2020年12月21日閲覧。
- ^ Vol.10 No.5 3 日本発の空飛ぶクルマ“SkyDrive”|JSAE Engine Review
- ^ a b “空飛ぶクルマ、仕様変更等のお知らせ”. スカイドライブ. 2023年7月1日閲覧。
- ^ “令和元年度 内外⼀体の経済成⻑戦略構築にかかる国際経済調査事業(空飛ぶクルマの実現に向けた地方公共団体及び事業者等の動向調査)調査報告書”. 三菱総合研究所、経済産業省. 2023年7月1日閲覧。
- ^ “SkyDrive、TCMと空飛ぶクルマの材料適合性試験を開始。2025年サービス開始を目指した軽量化”. DRONE. 2022年7月28日閲覧。
- ^ a b c “FLYING CAR- 空飛ぶクルマ”. スカイドライブ. 2024年5月28日閲覧。
- ^ a b “Skyドライブ オンライン勉強会”. 日本自動車ジャーナリスト協会. 2021年10月4日閲覧。
- ^ “ついに「空飛ぶクルマ」に人が乗った!SkyDriveが有人試験スタート”. 自動運転ラボ (2020年1月8日). 2020年12月21日閲覧。
- ^ 佐藤剛裕 (2022年8月26日). “空の移動革命への挑戦 ~日本発 空飛ぶクルマと物流ドローンの開発~” (PDF). 内閣府地方創生推進事務局. p. 8. 2024年7月27日閲覧。
- ^ “「空飛ぶクルマ」開発のSkyDriveが39億円を調達、世界初披露の有人機「SD-03」公開飛行試験に成功”. Tech crunch. 2020年12月21日閲覧。
- ^ 自動運転ラボ編集部 (2021年11月6日). “「空飛ぶクルマ」の型式証明、申請・審査の流れは?SkyDriveが申請第1号に | 自動運転ラボ”. 株式会社ストロボ. 2022年5月11日閲覧。
- ^ a b “スズキとSkyDriveが協定、空飛ぶクルマの量産やインド進出を検討”. 日経クロステック(xTECH). 日本経済新聞社 (2022年3月24日). 2022年3月27日閲覧。
- ^ “SkyDriveが型式ノウハウ持つジャムコと協業 認証取得へ体制強化”. DroneTribune (2022年6月7日). 2022年7月28日閲覧。
- ^ “SkyDrive、空飛ぶクルマ商用機「SD-05」のバッテリーシステムに米EPシステムズを選定”. ドローンジャーナル (2022年7月21日). 2022年7月28日閲覧。
- ^ a b c d e “空飛ぶクルマ、新機種を発表 2人乗り、最高時速100キロ”. 産経ニュース. 産経新聞社 (2022年9月26日). 2022年10月6日閲覧。
- ^ “空飛ぶクルマ「SD-05」の個人向け予約販売も開始!第一号機は千葉功太郎氏が予約購入”. SkyDrive. 2023年4月14日閲覧。
- ^ “「空飛ぶクルマ」2億円で個人向け販売…2人乗りで航続距離は最大10km”. 読売新聞社. 2023年4月14日閲覧。
- ^ スカイドライブ、大阪万博「空飛ぶクルマ」商用飛行断念 - 日本経済新聞
- ^ SkyDrive、大阪・関西万博のメディアデーにて、空飛ぶクルマの公開フライトを実施 | 株式会社SkyDriveのプレスリリース
外部リンク
- SkyDrive (空飛ぶクルマ)のページへのリンク