PHYSINTとは? わかりやすく解説

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PHYSINT

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/21 02:26 UTC 版)

PHYSINT
ジャンル ステルスゲーム
対応機種 未発表
開発元 コジマプロダクション
発売元 Xbox Game Studios
プロデューサー 小島秀夫
ディレクター 小島秀夫
デザイナー 小島秀夫
シナリオ 小島秀夫
美術 新川洋司
発売日 未発表
ゲームエンジン 未発表
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『PHYSINT』(フィジント)は、コジマプロダクションが開発し、Xbox Game Studiosより発売予定のビデオゲームである。

概要

小島秀夫が監督・プロデュース・ゲームデザイン・脚本などを務める。キャラクター&メカニカルデザインは新川洋司が務める[1]。

コジマプロダクションにとって3作目のオリジナルIPであり、小島秀夫のゲームクリエイター40年にわたるキャリアの集大成と位置付けられている[2]。

キャッチコピーは「Here Comes the Feeling」「新たな冷戦が始まる」。

ジャンルは「新世代のアクション・エスピオナージ・ゲーム」と銘打たれている。「エスピオナージ」とはスパイ活動や諜報を意味しており、小島がこのジャンルを手掛けるのは2015年に発売された『メタルギアソリッドV』以来となる。

本作は『DEATH STRANDING』シリーズに続き、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)とのサポートのもとで制作されていたが、2026年6月中旬、SIEは本プロジェクトをキャンセルする旨をコジマプロダクションに通達した。2026年9月10日、コジマプロダクションは新たにXboxとパートナー契約を締結し、制作を継続することを発表した[2][3][4]。

キャスト

TBA
演 - ビル・スカルスガルド[5]
演 - チャーリー・フレイザー(英語版)[6]
演 - マ・ドンソク[6]
演 - 浜辺美波[6]

開発

2024年

2025年

2026年

  • 1月20日 - セルビアの3Lateralにて、ビル・スカルスガルド、チャーリー・フレイザーの衣装合わせ、3Dスキャンを実施[11][12][13]。
  • 9月10日 - SIEが本作とのパートナーシップの解消を発表。併せて、「XBOX Wire」にて、マイクロソフトがXbox Game Studiosにおいて本作とパートナーシップを組むことが発表された。小島によれば、同年6月中旬にSIE側から突如通達されていたものだという[4]。
  • 9月17日 - XBOX Tokyo Game Show 2026 Broadcastにて、本作の主人公をビル・スカルスガルドが演じることを発表[14][5]。併せて、ビル・スカルスガルド、チャーリー・フレイザーを起用した新たなポスターを公開した。

パブリッシャー変更の経緯

2026年6月、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)はコジマプロダクションに対し、『PHYSINT』への資金提供を継続しない方針を伝えた。小島秀夫によれば、SIEからZoomによる協議を求められた時点では、その内容を知らされておらず、ニューヨークでのイベントやロサンゼルスでの仕事を終えて帰国した後、コジマプロダクション代表の平野真二、タレント開発責任者の齊藤昭義とともに協議に参加した。SIE側ではすでに『PHYSINT』への資金提供を終了する方針が検討・決定されていたとみられるが、コジマプロダクション側には事前にその決定が知らされておらず、6月のZoom会議で初めて、今後の開発資金を提供できないとの最終通告を受けたという[15]。

小島は、告げられた内容をすぐには理解できなかったため、「今、なんと言いましたか?」と聞き返したと述べている。SIEから具体的な理由について説明はなく、同じ内容を繰り返し伝えられたという。小島は、ゲーム業界でスタジオの閉鎖やタイトルのキャンセルが相次いでいる状況自体は理解していたものの、『PHYSINT』については問題ないと考えていたため、SIEが同作から撤退し、資金提供を終了することは完全に予想外だったと説明している。また、後になってもSIEから理由の説明や連絡はなく、「これが結論だったのであれば、もっと早く聞きたかった」と述べている[15]。

小島はSIEに対して怒りや対立の感情を抱いているわけではないと説明している。SIEとは約30年間仕事をしてきた関係にあり、久夛良木健や平井一夫らとの交流にも言及し、自身も長年ソニー製品を使用してきたと述べている。そのうえで、今回の出来事を「これが現実なのだ」と受け止めたとしている[15]。

『PHYSINT』は、小島がSIE社長兼CEOだったジム・ライアンに『メタルギア』シリーズに代わる新たなアクション・スパイ作品の構想を伝え、両者が協力して制作することで合意したという。しかし、資金提供終了が伝えられた2026年6月には、ライアンはすでにSIEを退任しており、発表当時とはSIEの経営体制が変化していた。小島は、ライアンがすでに退任していたことは認識しつつも、『PHYSINT』は双方が期待を寄せ、互いに合意した上で進めていたプロジェクトであったため、今回の決定をすぐには理解できなかったと述べている[15]。

SIEではライアンの退任後、経営体制の再編が進められた。2024年にはプラットフォーム事業とスタジオ事業を分離する体制が導入され、2025年4月からは西野秀明がSIE社長兼CEO、ハーマン・ハルストがスタジオビジネスグループCEOを務める体制となった。『PHYSINT』のパートナーシップ締結時と、資金提供終了が告げられた2026年では、同じSIEとの契約でありながら、経営陣や組織体制は大きく異なっていた[16]。

小島によれば、コジマプロダクションは独立会社であり、企業として継続的な資金を持つのではなく、プロジェクトごとに契約を締結することでスタジオを維持してきた。そのため、ひとつのプロジェクトが終了する前に次のプロジェクトを確保する必要があり、小島は『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』と『OD』の制作が進んでいる段階から、その次のプロジェクトである『PHYSINT』を計画していた[15]。

2026年6月当時、主要なプロジェクトは『OD』と『PHYSINT』の2つであり、プロジェクト数に応じてスタッフを雇用していたため、『PHYSINT』の契約を失えば、同作に携わっていたスタッフを削減する必要が生じる可能性があったほか、キャッシュフローが尽きてスタジオそのものが維持できなくなる可能性も考えたという。また、スタジオ設立後に銀行から融資を受けており、プロジェクトの停止やキャンセルが金融機関に知られれば深刻な問題になる可能性もあったと述べている[15]。

コジマプロダクションには約200人のスタッフが在籍しており、小島は同作が存在する事を前提としてスタジオの規模を拡大してきたと説明した。また、同作では既に俳優のスキャンを開始し、協力するアーティストとも話を進めていたため、関係者に突然ゲームの中止を伝えることは避けたいと考えたという。小島は、過去の『P.T.』の開発中止と同じことを繰り返したくなかったと述べている[15]。

小島は、『PHYSINT』に強い思い入れを持っていた理由として、コジマプロダクションの設立10周年と、自身がゲーム制作を始めてから40周年という2つの節目を挙げた。さらに、新型コロナウイルスの流行中に体調を崩したことをきっかけに、自分に残された時間を考えるようになり、キャリアのこの時点で『PHYSINT』に全力を注ぐことを決意していたと説明している。そのため、SIEから資金提供終了を告げられた後も、同作を継続する方法を探すことを決めたという[15]。

SIEとの協議直後、小島が最初に行ったのは、自身のデスクに戻って『PHYSINT』のコンセプトを書き加える事だったという。コジマプロダクション代表の平野は、「一番驚いたのは、その後の秀夫の行動です。部屋に戻って、仕事を始めたんです」と述べ、小島がいかに素早く仕事に戻ったかに驚嘆した。その後、小島、平野、齊藤の3人だけで対応を協議し、スタッフにはすぐに事情を伝えず、まず今後の方向性を固めることを決めた。小島によれば、その後数日間にわたって新たなパートナーを検討し、当初はファーストパーティとの協業を考えていたが、サードパーティやその他の企業との提携も選択肢に入れるようになった[15]。

SIEから資金提供終了の方針を伝えられた後も、『PHYSINT』の作業そのものが完全に停止したわけでは無かった。小島によれば、SIEとの会議の3日後に『PHYSINT』チームのリーダーたちを呼び、状況を説明したうえで、新たなパートナーを探すと伝えた。しかし同時に、プロジェクトがキャンセルされたことで、『PHYSINT』チームは重要な部分を担当するごく小さなチームを残し、そのほかのメンバーを全員『OD』へ移動させることとなった。もっとも『PHYSINT』は当時、敵AIをはじめとするゲームシステムについて実験を進めている段階であり、まだ大規模なチームが編成されていたわけではなかったため、変更はごく小規模なものにとどまり、大きな遅延などは特に生じなかったという。また、小島はスタッフが退職する可能性も想定していたが、実際には誰も辞めなかったと述べている[15]。

その後、『PHYSINT』チームでは新たなパートナーに提出する企画提案用の資料作成が進められた。小島は、SIEから資金提供終了を告げられたにも関わらず、チームが楽しそうに資料を作成している姿を見て、スタッフの強さを実感したと振り返っている。新たなパートナーが決定するまで、プロジェクトの状況は限定的に共有され、XBOXとの協業発表の前日には全スタッフへ事情が伝えられた。小島によれば、スタッフはプロジェクトを継続できることを前向きに受け止めたという[15]。

外部企業への企画提案の際、小島は、従来のように単一のゲームタイトルへの資金提供を求めるのではなく、『PHYSINT』をゲームだけにとどまらない新規IPとして展開する構想を提示する必要があると考えた。ゲーム、映画、ドラマ、アニメーション、テレビ、コミック、音楽などへの展開を視野に入れ、これらを含むIPを共同で構築することを提案したという。また、必要なのは資金だけではなく、技術支援、マーケティング、プレイテストなどを含む総合的な支援であると考え、ゲーム会社だけなく映画会社、映画スタジオ、ストリーミング企業なども候補として検討した[15]。

その過程で、小島は、すでに『OD』で協力関係にあったXBOXに『PHYSINT』の企画提案を行った。小島によれば、XBOX側は企画内容を高く評価し、技術面でも支援できると回答したという。XBOXとの既存の関係に加え、ゲームだけでなく映画やアニメーションなどを含むIP全体の展開を視野に入れていたことが、協業を決めるうえで重要だったと説明している。また、XBOXからは企画提案について「この企画提案は素晴らしい。こんな企画提案は見たことがない。」と評価されたという。さらにXBOXは、ブルームバーグに対し、この決定は「簡単な判断だった」と語っている[15][17]。

開発環境について、小島はXboxとの協業決定後もゲームエンジンを最終決定していないと説明している。Xboxからは新技術に関する支援を受ける予定であり、小島はXboxの研究施設や最先端技術に触れた経験にも言及した。『PHYSINT』では利用可能な新技術を積極的に取り入れる考えを示しており、エンジンを含む技術面では引き続き試行錯誤を行っている[15]。

また、小島は『PHYSINT』をゲームとして完成させるだけでなく、将来的には同作の実写映画も制作したいという構想を示している。一般的にはゲーム発売後に映画化が行われることが多いが、ゲームと映画の制作時期をより近づけたいと考えており、デジタル制作環境の発達によってゲームと映画で同一のアセットを利用できる可能性にも言及している[15]。

Xboxとの協業に至った経緯について、小島はフィル・スペンサーとの長年の関係にも触れている。スペンサーの退任後、2026年4月にレドモンドを訪問して現CEOのアーシャ・シャルマと会談し、将来の方向性について意気投合したと説明している。小島はXboxについて、単なる経営者の交代ではなく、組織構造や将来構想そのものが変化していると感じたとしている[15]。

『PHYSINT』の対応プラットフォームについて、小島自身にも確かなことは分かっておらず、Xboxに確認すべき事項だとして回答を避けている。そのうえで、Xboxにはできるだけ多くのゲーマーに作品を届けようとする姿勢があると感じていると述べ、対応プラットフォームについては今後の発表を待つ必要があるとしている[15]。

プロジェクト立ち上げの経緯

コジマプロダクション設立後、小島秀夫は「新しいことに挑戦する」という理念を掲げ、既存のジャンルにとらわれない新規IPの創出に注力していた。2019年に『DEATH STRANDING』を発売し、独立したゲームクリエイターとして異例の成功を収めた小島は、さらに新しい表現を求めてホラーゲーム『OD』の開発にも着手していた。その一方で、独立からの約10年間、小島のもとには『メタルギア』『ZONE OF THE ENDERS』『P.T.』『ボクらの太陽』などの、コナミ在籍時に手がけた過去作の新作や、復活を望む古参ファンからの声も寄せられていた[3][18]。

本作のプロジェクトが立ち上がる直接的な契機となったのは、小島自身の個人的な体験であった。小島は、自身の家系に早死の傾向があったことから寿命への意識はあったものの、新型コロナウイルスのパンデミック下であった2020年に大病を患い手術を経験したことで、人生の有限性を強く再認識することとなった。「制作はもう続けられないかもしれない」と感じるほど心身ともに衰弱し、遺書と共に企画案の詰まったUSBメモリを秘書に託すほどの状態であったという[3]。

この経験を経て、小島は今後の創作について深く思い悩むことになる。「残された時間でどんなゲームを何作作るべきか?」また以前から多数のオファーがあった「映画制作の道へ進むべきか?」という葛藤もあった。2023年5月、この迷いについて友人の映画監督ギレルモ・デル・トロに相談したところ、「君が創っているものは唯一無二の“映画”だ。今のままの物創りを続けるべきだ」と強く後押しされた。この助言を受けた小島は、ひとまずゲーム制作を継続する決断を下した[19]。

そして、ファンから最も強く要望されていた「諜報(エスピオナージ)アクションゲーム」を最優先で制作することを決断。DEATH STRANDING 2: ON THE BEACHとODの制作と並行して、本作『PHYSINT』の企画を練り始めた。

小島は自身のラジオ番組において当時の心境を、「本当は全く別のモノを企画していて、それをやりたかったが、毎日のように『メタルギア...メタルギア...(を作って欲しいというファンの声があった)。』コロナ禍で大病を経験したので、人生が残り10年と考えた時、そこまで望まれるのであれば(再び諜報アクションゲームを作ろうと思った)。」と回顧している。なお、本作が『メタルギア』シリーズとは異なる作品であることも強く示唆している。「メタルギアは作りません」と明言したほか、「(既存のジャンルの中で)新しいことをします」「『メタルギア』だと思ってやると”ちゃうやないか”と絶対言う」といった趣旨の発言もしており、あくまで独立した新規IPであることを強調している[20]。

脚注

  1. ↑ “ビル・スカルスガルド、『PHYSINT』の主演に決定 | Kojima Productions”. www.kojimaproductions.jp. 2026年9月18日閲覧。
  2. 1 2 “KOJIMA PRODUCTIONS “アクション・エスピオナージ・ゲーム”の制作を発表 | Kojima Productions”. www.kojimaproductions.jp. 2025年9月8日閲覧。
  3. 1 2 3 KOJIMA PRODUCTIONS (2024-02-09), HideoTube (ヒデチュー):特別版 (with Eng. +🇫🇷🇮🇹🇧🇷🇵🇹🇪🇸 🇩🇪subtitles) 2025年7月21日閲覧。
  4. 1 2 「小島秀夫監督新作『PHYSINT』PlayStationとの協力関係が解消…『OD』と同じくXBOXとパートナーシップへ」『Game*Spark』2026年9月10日。2026年9月10日閲覧。
  5. 1 2 “ビル・スカルスガルド、『PHYSINT』の主演に決定 | Kojima Productions”. www.kojimaproductions.jp. 2026年9月18日閲覧。
  6. 1 2 3 はくまいさん (2025年9月23日). “小島秀夫監督の新たな“エスピオナージ”アクションゲーム『PHYSINT』主人公が描かれたポスターアートが公開。浜辺美波さん、チャーリー・フレイザーさん、マ・ドンソクさんが出演することも明らかに”. 電ファミニコゲーマー – ゲームの面白い記事読んでみない?. 2025年9月23日閲覧。
  7. ↑ PlayStation Japan (2024-01-31), State of Play | 2.1.2024 [日本語 - JAPANESE] 2025年7月21日閲覧。
  8. ↑ https://www.kojimaproductions.jp/ja/PHYSINT-announcement
  9. ↑ (日本語) ライムスター宇多丸×宇垣美里『アフター6ジャンクション 2』2024年2月5日(月)♯71 2026年9月15日閲覧。
  10. ↑ (日本語) KOJIMA PRODUCTIONS 10周年記念イベント「Beyond The Strand」配信 | Supported by IGN [日本語-Japanese ] 2025年9月23日閲覧。
  11. ↑ “小島秀夫のan‐an‐an、とっても大好き○○○○⚫︎:第35回目『唯一無二(One and Only)』”. anan. 2026年5月13日閲覧。
  12. ↑ “Instagram”. www.instagram.com. 2026年7月15日閲覧。
  13. ↑ XBOX Japan (2026-09-17), [日本語 - 4K XBOX Tokyo Game Show 2026 Broadcast] 2026年9月18日閲覧。
  14. ↑ IGN (2026-09-17), PHYSINT - Official Cast Reveal Video | Xbox TGS 2026 Broadcast 2026年9月18日閲覧。
  15. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 Robson, Daniel (2026年9月20日). “小島監督、PlayStationが『PHYSINT』への支援を打ち切って以来初となる独占インタビューで、ソニーとの間に何が起きたのかを明かす”. IGN Japan. 2026年9月21日閲覧。
  16. ↑ “ソニー・インタラクティブエンタテインメントの新経営体制について”. Sony Interactive Entertainment Japan. 2026年9月21日閲覧。
  17. ↑ Park, Gene (2026年9月20日). “Hideo Kojima explains the surprise split with Sony”. The Washington Post (アメリカ英語). ISSN 0190-8286. 2026年9月21日閲覧.
  18. ↑ “#10 小島秀夫監督×TGAスペシャル”. open.spotify.com. 2025年9月19日閲覧。
  19. ↑ “小島秀夫、還暦を迎え「隠居生活は頭にはない。生涯現役で物創りを続けたい」”. ananweb. 2025年12月25日閲覧。
  20. ↑ 公式 TBS Podcast (2024-11-27), ep.9「小島秀夫流 ゲームの作り方」 2025年9月19日閲覧。



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