Kochanek–Bartelsスプライン曲線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/22 08:37 UTC 版)

Kochanek-BartelsスプラインまたはKochanek-Bartels曲線は、接線の動作を変更するために定義されたtension、bias、およびcontinuityパラメータを持つ3次エルミートスプラインである。コンピュータアニメーション制作において、キーフレームの補間モーションに対してアニメーターが望む効果の実現を自動化し、追加情報の入力の手間を削減する目的で、カナダ国立映画庁のKochanekと同国ウォータールー大学のBartelsにより考案された。 [1] [2]
定義
各キーフレームのキー位置(データ点)を
各



木に当たって跳ね返るボールの動きなど、事前に減速することなく衝突点で運動方向を変える急激な変化についてリアルな効果を生み出す。
の場合、incoming接ベクトルについては後方の弦()の重みが大きくなり、outgoing接ベクトルについては前方の弦()の重みが大きくなる。
この場合の動作の経路は を大きくした場合と似ているように見えるが、動作のダイナミクスは異なる。 を大きくした場合は、接ベクトルの長さ、つまり速度はキー位置に接近するにつれて低下するため、不連続性は生じない。 一方、 を小さくした場合は、速度は低下せず一定のままで、キー位置で運動方向が急激に変化する。
実装例
1996年のSteve Noskowiczのソースコードは、実際にこれらの値が描画されたカーブに与える影響を記述している。
Tension | T = +1→ Tight | T = −1→ Round |
Bias | B = +1→ Post Shoot | B = −1→ Pre shoot |
Continuity | C = +1→ Inverted corners | C = −1→ Box corners |
コードには、これらのスプラインをBASICダイアレクトで生成するために必要なマトリックスサマリーが含まれている。
脚注
- ^ Kochanek, Doris H. U.; Bartels, Richard H. (January 1984). “Interpolating splines with local tension, continuity, and bias control”. ACM SIGGRAPH Computer Graphics. 18. pp. 33-41. doi:10.1145/800031.808575. ISBN 0-89791-138-5.
- ^ Alan Watt; Mark Watt (1992). Advanced animation and rendering techniques. ACM Press. pp. 353-356. ISBN 0-201-54412-1
- ^ Kochanek, Bartels (1984), p.36, Figure 6 に基づき作成
外部リンク
- Shane Aherne. “Kochanek and Bartels Splines”. Motion Capture — exploring the past, present and future. 2007年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年4月15日閲覧。
関連項目
- Kochanek–Bartelsスプライン曲線のページへのリンク