交叉理論
サイクルの交叉多重度の定義を導く原理は、ある意味では連続性にある。次のような基本的な例を考える。放物線 y = x2 と x-軸 y=0 の交叉は、 2·(0,0) である。理由は、もしサイクルの一つが動いたとすると(未定義な状態であるが)、ちょうど 2つの点である交叉があって、描いた位置にサイクルが近づくと、両方とも (0,0) にまとまる。(右の図は、y=-3 の放物線の交叉がないように見えることは、明らかに誤っているが、この理由は、単に実数解に限った描写をしているからである。)
最初に満足のいく交叉の定義をしたのは、ジャン・ピエール・セール(Jean-Pierre Serre)である。周囲の多様体 X が滑らかである(もしくは、全ての局所環が正則局所環とする。さらに、V と W を 2つの(既約、被約かつ閉である)部分多様体で、交叉が固有であるとする。構成は局所的であるので、従って、X の座標環の中の 2つのイデアル I と J で(交叉)多様体が表せるかもしれない。Z を集合論的な交叉 V ∩ W の既約成分とし、z をその生成点(generic point)とする。Z の交叉積 V · W の中の多重度は次によって定義される。