Bell 430とは? わかりやすく解説

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ベル 430

(Bell 430 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/11 22:57 UTC 版)

ベル 430

中日本航空のベル 430(着陸用スキッド付き)

ベル 430(Bell 430)は、ベル・ヘリコプターによって製造されたアメリカ/カナダの双発軽量中型ヘリコプター。ベル 222の発展型であるベル 230をベースとしており、胴体を延長し、より強力なエンジンを積んだモデルである。

開発

ベル社は、ベル 222のエンジンを組み換えたモデルをベル 230として開発する一方で、1991年に4枚ブレードのメインローターを備えた胴体延長型の派生モデルの予備設計作業を開始した。このモデルはベル 430として1992年2月に正式に発表され、ベル 230を改造した2機の試作機が製造された。機体構造のみ改造を受けた最初の試作機は1994年10月25日に初飛行し、2機目の試作機は430用の完全なアビオニクスを搭載して1994年12月19日に初飛行した[1]。

ベル 230の生産は1995年8月に終了し、代わって430が生産を開始した。430の量産初号機は同年後半に完成した。カナダでの耐空証明は1996年2月23日に付与され、納入は1996年半ばに開始された[1]。

2008年1月24日、ベル社は2008年受注分の納品完了後、ベル 430の生産を終了すると発表した[2]。生産は136機の完成をもって終了し、最終機の納入は2008年5月であった[3]。

設計

ベル 430は230からいくつかの大幅な改良が施されており、その中で最も重要なのは、4枚ブレード、ベアリングレス・ヒンジレス構造、複合材製の新型メインローターであった。また、 ベル 430と230はどちらもロールスロイス(アリソン)250ターボシャフトエンジンを搭載しているが、ベル 430のエンジンは230よりも10%強力である。その他の変更点としては、1フィート6インチ (46センチ) 延長された胴体と2つの追加座席、オプションで装備できるEFIS(電子飛行計器システム)パネル、スキッドまたは格納式車輪から選択可能な降着装置があった[1]。

標準的な機体構成では、機長と副操縦士を含む10人乗りで、後方のメインキャビンにある3列座席に8人の乗客が着席できる。また、6人乗りと8人乗りの高級レイアウトも用意されている。救急ヘリコプターとして運用する場合は、ストレッチャーに乗せられた1人または2人の患者と、3人または4人の医療従事者を輸送できる。最大機外搭載量は3,500ポンド(1,600キログラム)である[1]。

運用史

ベル 430は1996年に就航し、同年に13機が納入された[4]。1998年には約50機が就航しており、総飛行時間は9,000時間であった[5]。

1996年9月3日、アメリカ人のロン・バウアーとジョン・ウィリアムズは、ベル 430に乗ってイギリスから西に17日6時間14分かけて世界を一周し、当時のヘリコプターによる世界一周記録を破った[1][3]。

運用者

ベル 430

軍用

 ブルガリア
ドミニカ共和国
エクアドル


民間

インドネシア
日本
アメリカ合衆国
  • AirMed[14]
  • ニューヨーク州警察[15]
  • リー郡緊急医療サービス[16]
  • GrandView Aviation[17]
  • ルイジアナ州警察[18]
  • Uber Elevate[19]

事故

2009年9月2日、インド南部にあるアーンドラ・プラデーシュ州のY・S・ラジャセカラ・レッディ(英語版)州首相と随員を乗せた州政府のベル 430が、州都のハイデラバード空港を離陸し、チットゥールへ飛行中にナッラマラ森林地帯で行方不明になった。翌朝、インド空軍の捜索ヘリによって丘に墜落し黒焦げとなった機体が発見されたが、生存者はおらず、搭乗していた5人全員が死亡した。[20][21][22]

諸元

ベル 230 / ベル 430 比較表
モデル 230 430
発表 1990年 1991年
初飛行 1991年8月12日 1994年10月25日
耐空証明 1992年3月 1996年2月23日
納入開始 1992年11月 1996年
座席数 2(機長、副操縦士)+ 5–6(乗客) 2 + 6–8
高さ 11 ft 8 in (3.56 m) 12 ft 3 in (3.73 m)
胴体長 42 ft 3 in (12.88 m) 44 ft 1 in (13.44 m)
ローター径 42 ft (13 m)
全長 50 ft 3 in (15.32 m)
エンジン(2基) アリソン 250C30G2 ロールスロイス 250-C40B
出力(2基) 700 hp (520 kW) 783 hp (584 kW)
最大速度 140ノット (160 mph; 260 km/h) 140ノット (160 mph; 260 km/h)
上昇率 1,600 ft/min (8.13 m/s) 1,350 ft/min (6.86 m/s)
運用高度 15,500 ft (4,700 m) 14,600 ft (4,500 m)
ホバリング高度 12,400 ft (3,800 m) 11,350 ft (3,460 m)
燃料搭載量 188+ US gal (710+ L) 188+ US gal (710+ L)
航続距離 378 nmi (435 mi; 700 km) 324 nmi (373 mi; 600 km)
空虚重量 5,097ポンド (2,312 kg) 5,305ポンド (2,406 kg)
最大離陸重量 8,400ポンド (3,800 kg) 9,300ポンド (4,200 kg)
シリアルナンバー 23001–23038 49001–49123+

出典:Airliners.net[23][24]、helicopterdirect.com[25]、AircraftOne.com[26]

脚注

出典

  1. ^ a b c d e Frawley, Gerard: The International Directory of Civil Aircraft, 2003-2004, p. 46. Aerospace Publications Pty. Ltd., 2003. ISBN 1-875671-58-7.
  2. ^ “Bell Streamlines Product Line to Better Align with Customer Demands”. ベル・ヘリコプター (2008年1月24日). 2010年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月11日閲覧。
  3. ^ a b “Bell Helicopter Textron Canada (BHTC) Model 430”. globalsecurity.org (2011年7月7日). 2025年5月11日閲覧。
  4. ^ Jackson 2004, p. 41.
  5. ^ “Bell Model 430”. Flug Revue. 2010年2月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月11日閲覧。
  6. ^ “Airscene: Military Affairs: Bulgarian VIP Bell 430”. Air International 59 (6): 324. (December 2000). ISSN 0306-5634. 
  7. ^ “Dominican Republic Air Force”. 2013年1月3日閲覧。
  8. ^ “armada ecuatoriana”. 2013年1月3日閲覧。
  9. ^ “Ecuadorian Navy”. 2013年1月3日閲覧。
  10. ^ IISS 2024, p. 432.
  11. ^ “Our Fleet”. pelita-air.com. 2021年3月12日閲覧。
  12. ^ “Bell 430”. 朝日航洋株式会社. 2025年5月11日閲覧。
  13. ^ “ベル430”. 中日本航空. 2025年5月11日閲覧。
  14. ^ “AirMed Uath”. University Health Care AirMed.org. 2010年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月3日閲覧。
  15. ^ “Aviation: Current Equipment”. New York State Police. 2012年7月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月11日閲覧。
  16. ^ “NBC2 gets first look at new MEDSTAR chopper”. © Copyright 2000 - 2013, WorldNow and WBBH. 2013年1月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月15日閲覧。
  17. ^ “BHS Fleet”. BHS.com. 2013年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月17日閲覧。
  18. ^ “Louisiana State Police Bring Air Support Back to Northern la. — Police Helicopter Pilot”. 2017年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月19日閲覧。
  19. ^ Samantha Murphy Kelly (2019年10月4日). “Uber's new helicopter service is an expensive, time-consuming adventure”. CNN. 2022年10月16日閲覧。
  20. ^ “India politician killed in crash”. BBC (2009年9月3日). 2009年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月11日閲覧。
  21. ^ “Andhra CM Chopper Found”. India Summary. (2009年9月3日). オリジナルの2009年9月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090905034721/http://www.indiasummary.com/2009/09/03/ysrs-chopper-located-near-kurnool-indian-air-force-ysr-helicopter-found-ysr-found/ 2009年9月4日閲覧。 
  22. ^ “REPORT ON ACCIDENT TO ANDHRA PRADESH GOVERNMENT BELL 430 HELICOPTER VT-APG AT RUDRAKODU HILLS IN KURNOOL DISTRICT OF ANDHRA PRADESH ON 02.09.2009”. インド民間航空総局. 2013年12月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月11日閲覧。
  23. ^ Bell 222 & 230 page. Airliners.net
  24. ^ Bell 430 page. Airliners.net
  25. ^ Bell helicopter technical data. helicopterdirect.com
  26. ^ “Helicopter Aircraft Helicopter Manufacturers and Models from A - BEL”. aircraftone.com. 2016年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月11日閲覧。

参考文献

  • Jackson, Paul, ed (2004). Jane's All the World's Aircraft 2004–2005. Coulsdon, UK: Jane's Information Group. ISBN 0-7106-2614-2 
  • The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2024) (英語). The Military Balance 2024. Routledge. ISBN 978-1-032-78004-7 



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