電設器材とは? わかりやすく解説

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電設器材

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/30 17:07 UTC 版)

電設器材(でんせつきざい、電設資材とも、英: electrical construction materials / electrical installation materials)は、建築物・プラント・社会インフラの電気設備の設計・施工・保守に用いる機器・部材・消耗材の総称である。照明・スイッチ・コンセント・分電盤などの機器(低圧配電・制御)、電線・ケーブル・端末、電線管・ダクト・ケーブルラックなどの配線支持材、端子・スリーブ・絶縁テープ・ビスなどの消耗材を含む[1][2]。日本では見積・積算の便宜上、機器類のA材、主要材料のB材、消耗材のC材という区分が慣用される[3]

範囲と分類

配電・制御機器
受配電設備、分電盤、開閉器・遮断器、保護継電器、端子台、計測・監視装置など。配電盤内の機器取付けには機器取付け用レール(DINレール)が用いられ、JIS C 2812が寸法・互換性を規定する[4]
配線材料
600V配線用ケーブル(例:VVF/VVR)はJIS C 3342が規定する[5]
管路・配管・ボックス
硬質ポリ塩化ビニル電線管(VE管等)はJIS C 8430が寸法・構造・試験方法を定める[6][7]
ケーブル支持設備
ケーブルラック/トレイ、ダクト、支持金具など。実務上は材質・表面処理・支持間隔・接地要件などの設計条件が定められる[8]
端末・付属品・消耗材
圧着端子、スリーブ、ジョイント、絶縁テープ、固定具、各種ビス等。
情報・弱電関連
通信・防災・インターホン・監視・LAN配線など、低電圧設備の機器・配線・管路・成端材。

主要規格・法令

日本の電設器材は、電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)や建築・道路等の個別要領、JIS、IECとの整合規格の適用を受ける。代表例は次のとおり。

電気設備の技術基準の解釈(最新版PDF)— 耐燃性・不燃材料、管路・トラフ、通信線被覆、暗渠の自動消火設備 等の要求[9]

  • JIS C 3342 — 600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル(VVF/VVR)[5]
  • JIS C 8430 — 硬質ポリ塩化ビニル電線管(VE管ほか)[6]
  • JIS C 2812 — 配電盤・制御盤内の機器取付け用レール(DINレール)[4]

(解説)電気設備技術基準・解釈の解説— 日本電気技術者協会による概説[10]

調達と市場

日本の電設業界では、材の性格に応じたA材・B材・C材の区分が見積・積算上の慣行として用いられる(A=機器・比較的高額、B=主要材料、C=消耗材)[11]。全国の専門商社・流通網を通じて供給され、総合展示会JECA FAIR(電設工業展)では電設機器・資材・工具・ソフト等の新製品が発表される[12][13]。2025年の第73回 電設工業展はインテックス大阪で開催された[14]

保守・点検と温度監視

盤内端子・遮断器・母線接続部などのホットスポット(異常昇温)は事故の誘因となるため、赤外線サーモグラフィや温度表示ラベル(示温ラベル)などで監視される。示温ラベルは設定温度到達で不可逆に変色し、履歴管理に適する[15][16]。日本では示温ラベルの多点タイプ(10℃刻み等)が配電盤や受変電設備の保守点検に用いられている[17]。 注:メーカー資料は一次情報であるため、Wikipediaでは帰属を明記して限定的に使用する。独立出典(学会誌・業界紙等)と併用することが望ましい。

関連項目

脚注

  1. ^ 八州電工「電材とは?電材の種類や入手方法について」
  2. ^ Denzai-Bank「電材とは?種類や特徴」
  3. ^ 同上(A材・B材・C材の定義と例示)。
  4. ^ a b JIS C 2812:1998「機器取付け用レール」
  5. ^ a b JIS C 3342:2012「600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル」
  6. ^ a b JIS C 8430:2019「硬質ポリ塩化ビニル電線管」
  7. ^ kikakurui(JIS翻訳サイト)JIS C 8430 解説
  8. ^ どこでも実務「【解説】ケーブルラックの選定から支持間隔、接地まで!」
  9. ^ 経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」PDF(最新版)
  10. ^ 日本電気技術者協会「電気設備技術基準・解釈の解説(その1)」
  11. ^ 前掲 Denzai-Bank、八州電工。
  12. ^ JECA FAIR 公式サイト「イベントコンセプト」
  13. ^ 日本電設工業協会「JECA FAIR の開催」
  14. ^ JETRO「JECA FAIR 2025 – 第73回電設工業展」
  15. ^ Brady “Temperature Indicating Labels” — 「motors, gear boxes, electrical equipment」に適用
  16. ^ 極東産業「サーモラベルで電気機器の温度管理(可逆・不可逆の使い分け)」
  17. ^ 日油技研工業「サーモラベル®-3E(配電盤の異常発熱監視の使用例)」

外部リンク




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