鋳鉄管
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/10/06 05:54 UTC 版)
鋳鉄管(ちゅうてつかん、英語: cast iron pipe)は、材料としてねずみ鋳鉄を使用した管のこと。
主に水道本管に用いられ、日本においては近代水道が始まった明治初期から昭和30年頃まで、導水・送水・配水管として広く使用されたが、より優れた特性を持つダクタイル鋳鉄管が製品化され普及したことから、令和現在は製造されていない。
特性
歴史
日本の水道に初めて鋳鉄管が使用されたのは明治18年(1885年)の横浜市である。当時鋳鉄管は日本国内で生産されておらず、イギリスより輸入されたものが使用された。明治26年(1893年)から鋳鉄管の国産が始まったが、技術的難易度が高く当初は難航[注釈 1]。徐々に研究が進んで明治30年代には大規模な生産工場[注釈 2]が出来、明治40年代に入るとほぼ全てを国産品で賄えるようになった。昭和5年には、より高い強度を持つ(JIS G 5501 FC250に相当)鋳鉄管が開発された。この鋳鉄管は高級鋳鉄管と名付けられ、従来の鋳鉄管を普通鋳鉄管と呼び、区別された(普通鋳鉄・高級鋳鉄は水道用語[3]であり、学術上は、どちらもねずみ鋳鉄(片状黒鉛鋳鉄)に分類される。)。高級鋳鉄管が普及したことから、普通鋳鉄管は使用されなくなり、昭和15年頃には製造を終了している。昭和28年には、より優れた特性を持つダクタイル鋳鉄管が製品化され、その後普及したことから、高級鋳鉄管も徐々に使用されなくなり、最終的に昭和46年頃(1971年)には製造を終了している[4][5][6]。
鋳鉄管の継手
継手には、主に印ろう継手やフランジ継手が用いられ、後期にはメカニカル継手も使用された。印ろう継手は受け口と挿し口の間にヤーン(麻)を詰め、その後部に溶解鉛を流し込み、コーキングする構造である。ヤーンは水を吸水して膨潤することで止水する現在のゴムパッキングに相当するものであった[7]。
脚注
注釈
出典
- ↑ 『久保田鉄工八十年の歩み』久保田鉄工、1970年、23-24頁。NDLJP:11956680/26。
- ↑ 尾高煌之助、山本有造 編『幕末・明治の日本経済』 数量経済史論集 4、日本経済新聞社、1988年3月、251頁。NDLJP:13098436/129。
- ↑ 普通鋳鉄と高級鋳鉄はどう違うのですか?日本ダクタイル鉄管協会 ダクタイル鉄管に関する素朴な疑問集(基本編)
- ↑ 鋳鉄管類規格の変遷[リンク切れ] 日本ダクタイル鉄管協会
- ↑ ダクタイル鉄管管路のてびき日本ダクタイル鉄管協会
- ↑ 普通鋳鉄管および高級鋳鉄管はいつ頃まで製造されていましたか?日本ダクタイル鉄管協会 ダクタイル鉄管に関する素朴な疑問集(基本編)
- ↑ 地震と管路について 4.耐震管路について 日本ダクタイル鉄管協会
関連項目
外部リンク
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