竜生九子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/12 07:12 UTC 版)
竜生九子(りゅうせいきゅうし)とは、中国の伝説上の、竜が生んだ九匹の子を指す[1]。いずれも親である竜になることはできなかったとわれ、それぞれ姿形も性格も異なっている[1]。「竜には九匹の子がいる」と言う伝承と、「古今の怪物または怪物をかたどった装飾様式」が混ざって生じた。
一覧
『升庵外集』の説
『升庵外集』(楊慎, 1488–1559)や『天禄識余』(高士奇, 1645-1704)は次の9種とする[1][2]。
- 贔屓(ひいき)
- 形は亀に似て、重きを背負うことを好む。石の柱の下の亀の形の台座である。
- 螭吻(ちふん)
- 形は獣に似て、遠きを望むことを好む。屋根の上に置く獣頭である。
- 蒲牢(ほろう)
- 形は龍に似るが小さく、吼えることを好む。釣鐘の上の鈕(吊るすために綱などを通す部分)である。
- 狴犴(へいかん)
- 形は虎に似て、力が強いので牢の門に置かれる。
- 饕餮(とうてつ)
- 飲食を好むので、鼎の蓋に置かれる。
- 𧈢𧏡(はか)
- 水を好むので、橋の柱に置かれる。
- 睚眦(がいし)
- 殺すことを好むので、刀環に置かれる。
- 金猊(きんげい)
- 形は獅子に似ており、火と煙を好むので、香炉に置かれる。
- 椒図(しょうず)
- 形は貝に似て、閉じることを好むので、門の鋪首(門環の台座)に置かれる。
またその他に、
- 金吾
- 魚のような頭と尾と二つの翼を持ち、眠らないので、警巡に用いられる。
『懐麓堂集』の説
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『懐麓堂集』(李東陽, 1447-1516)は次の9種とする[4]。
- 囚牛(しゅうぎゅう)
- 音楽を好み、今の胡琴の頭にその像を遺す。
- 睚眦(がいさい)
- 殺すことを好み、今の刀の柄にその像を遺す。(『升庵外集』に同じ)
- 嘲風(ちょうふう)
- 険しいところを好み、今の屋根の角の獣にその像を遺す。
- 蒲牢(ほろう)
- 鳴くことを好み、今の釣鐘の上の鈕(吊るすために綱などを通す部分)にその像を遺す。(『升庵外集』に同じ)
- 狻猊(さんげい)
- 座ることを好み、今の仏座の獅子にその像を遺す。(『升庵外集』と金猊と同一視される)
- 覇下(はか)
- 重きを背負うことを好み、今の石の柱の台座の獣にその像を遺す。(『升庵外集』の贔屓と同一だが名称が異なる)
- 狴犴(へいかん)
- 訴訟を愛し、今の牢の門の獅子頭にその像を遺す。(『升庵外集』の狴犴と同一だが性質が異なる)
- 贔屭(ふき)
- 文章の読み書きを好み、今の石碑の左右を挟む竜にその像を遺す。
- 蚩吻(しふん)
- 呑むことを好み、今の殿脊(屋根の大棟)の獣頭にその像を遺す。(『升庵外集』の狴犴と同一だが性質が異なる)
『菽園雑記』
陸容(1436—1494)による『菽園雑記』に「様々な古い器物の異名」として、屭贔、螭𧉚、徙牢、憲章、饕餮、蟋蜴、䘎𧊲、螭虎、金猊、椒図、虭蛥、鰲魚、獣𧉚、金吾が載り、またその内容は例えば屭贔であれば「形は亀に似て、重きを負うを好むので石の柱を載せるのに用いられる」、憲章は狴犴と名は異なるが「獣に似て、力が有り、囚えることを好むので牢の門に置かれる」など、よく似る[5]。
画像
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嘲風
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蒲牢
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贔屓
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負屓
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螭吻
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覇下
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狻猊
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椒図
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饕餮
脚注
竜生九子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 23:05 UTC 版)
詳細は「竜生九子」を参照 明代のいくつかの書物では、竜生九子という竜の子供について記されている。
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