氷堆丘の地形学的な解説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/30 23:29 UTC 版)
氷堆丘は1本の軸に対してだいたい左右対称の形状をしており、その軸は、その氷堆丘を形成した氷河が動きと平行となっている。氷堆丘の一般的な規模は、長さ約1km〜2km程度、幅約300m〜600m程度、高さは50m未満。そして、(長さ):(幅)=7:4 程度であることが普通である。氷堆丘は、しばしば複数の氷堆丘が固まって存在しているわけだが、このような氷堆丘群を形成する氷堆丘は、どれも似た形状、似た規模、似た向きであることが普通である。 さて、氷堆丘の断面を見ると、通常の氷堆丘は幾つもの層を持っている。このことは、氷堆丘が形成される過程で、幾度も幾度も氷河が削り取ってきた砂礫が追加されたであろうことを示唆している。氷堆丘を構成している物質(材料)は、氷河によって運ばれてきた砂礫である。このため、氷堆丘が存在している場所とは全く関係の無い砂礫を含んでいることもある。(全く別な場所から運ばれてきた迷子石のように、現在氷堆丘が存在している場所の岩盤とは全然性質の違う砂礫によって、その氷堆丘が構成されている場合もある。)なお氷堆丘は、砂礫が積み重なってできているとは言っても、砂が主な場合、礫が主な場合、両者が混じったものである場合、いずれもあり得る。 更新世に形成された複数の氷堆丘が固まって存在している場所の多くでは、そこの氷堆丘群の配置が、扇のようになっているのを観察できる。例えば、ムーラ氷河(Múlajökull)の氷堆丘群も、180度の弧を持った扇状に並んでいる。
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