斉次形への帰着
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/27 01:16 UTC 版)
b ≠ 0 として非斉次の定数係数方程式 y n = a 1 y n − 1 + ⋯ + a p y n − p + b {\textstyle y_{n}=a_{1}y_{n-1}+\cdots +a_{p}y_{n-p}+b} を解くには、斉次形に変形するのが便利である。そのためにはまず、n を無限大に飛ばしたときの定常値 y*(それはこの線型変換の不動点である)を求めることが必要である。これは上記の方程式における任意の yn を y* と置いて解けば y ∗ = b 1 − a 1 − ⋯ − a p {\displaystyle y^{*}={\frac {b}{1-a_{1}-\cdots -a_{p}}}} と得られる(この分母が 0 ならば、定常値は存在しない)。 定常値がわかれば、上記の差分方程式は定常値からの各項の偏差に関する方程式 ( y n − y ∗ ) = a 1 ( y n − 1 − y ∗ ) + ⋯ + a p ( y n − p − y ∗ ) {\displaystyle (y_{n}-y^{*})=a_{1}(y_{n-1}-y^{*})+\dotsb +a_{p}(y_{n-p}-y^{*})} に書き直せて、これは非斉次項を持たない。xn := yn − y* と置けばより簡潔に x n = a 1 x n − 1 + ⋯ + a p x n − p {\textstyle x_{n}=a_{1}x_{n-1}+\dotsb +a_{p}x_{n-p}} となる。 定常でない場合には、方程式 y n = a 1 y n − 1 + ⋯ + a p y n − p + b {\textstyle y_{n}=a_{1}y_{n-1}+\dotsb +a_{p}y_{n-p}+b} と添字を一つずらした方程式 y n − 1 = a 1 y n − 2 + ⋯ + a p y n − ( p + 1 ) + b {\textstyle y_{n-1}=a_{1}y_{n-2}+\dotsb +a_{p}y_{n-(p+1)}+b} から b を消去すれば y t − a 1 y t − 1 − ⋯ − a n y t − n = y t − 1 − a 1 y t − 2 − ⋯ − a n y t − ( n + 1 ) {\displaystyle y_{t}-a_{1}y_{t-1}-\cdots -a_{n}y_{t-n}=y_{t-1}-a_{1}y_{t-2}-\cdots -a_{n}y_{t-(n+1)}} が、もとの方程式より階数が一つ大きいものの斉次方程式として得ることができる。
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