光劇場とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 光劇場の意味・解説 

光劇場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/19 23:43 UTC 版)

光劇場
情報
収容人員 300人
用途 映画上映
運営 赤瀬光
所在地 岡山県笠岡市北木島町7887-52
テンプレートを表示

光劇場(ひかりげきじょう)は、かつて岡山県笠岡市北木島町7887-52にあった映画館。北木光映劇、ひかり劇場、光映画劇場ともいう[1]

昭和20年代末頃に開館し、1967年(昭和42年)頃に閉館した[2]。経営者は赤瀬光。2015年(平成27年)以降には光劇場友の会によって見学施設となっており、2019年(令和元年)には日本遺産「日本の礎を築いた せとうち備讃諸島~」の構成文化財の一つに認定された。

歴史

北木島の繁栄

北木島笠岡諸島で最大の面積と人口を有する離島であり[1]、特に近代以降には花崗岩の北木石の採石業で栄えた。北木島における採石業の最盛期は1950年代であり、1955年(昭和30年)の国勢調査によると北木島は5,889人の人口を有していた上に、島内には120か所もの丁場(採石場)が存在した[1]

光劇場

映写機

映画黄金期の北木島には4館の映画館があり、島北部の金風呂地区には光劇場とOK劇場(港劇場)の2館があった[1]。笠岡市は光劇場の開館を昭和20年代末としている[2]。1965年(昭和40年)の『映画便覧』(映画館名簿)によると経営者は赤瀬光であり、木造2階建で定員300の映画館だった[3]。光劇場の名称は経営者の名前に由来している[1]。赤瀬は醤油商などを経て映画館経営に着手した人物であり、1970年代初頭から1990年代中頃には笠岡市議会議員も務めていた[1]

開館当初の客席は長椅子だったが、後に一般的な1人掛け椅子に交換された[1]。営業は一週間のうち土日の2日間程度であり、小林旭赤木圭一郎らが主演する日活作品などを上映していた[4]。館内ではポップコーンではなくいかり豆が食されていた[1]。笠岡市は光劇場の閉館を1967年(昭和42年)頃としている[2]。『笠岡シネマ風土記』著者の世良利和は、光劇場の廃業は1960年代前半であると推測している[1]。もとは旧道側に入口があった。

保存と活用

2014年(平成26年)には建物の修復再生プロジェクト「北木ノースデザインプロジェクト」が行われ、プロジェクト参加者によって光劇場が“発見”された[5]。プロジェクトで製作された映像の上映場所とするために、2015年(平成27年)4月20日には光劇場復活友の会(後の光劇場友の会)が結成され[6]、地域活性化の拠点としての利用が開始された[1]。光劇場の館内には木製椅子や[2]2台の映写機[7]現存している。

2019年(令和元年)には「日本の礎を築いた せとうち備讃諸島~」が日本遺産に選定され、「旧映画館『光劇場』」が構成文化財の一つに認定された[8]。2021年(令和3年)5月10日、産業遺産学会によって推薦産業遺産に認定された[9][10]。この際には光劇場友の会が功労賞を受賞している[10]。2023年(令和5年)、縦5メートル×横9メートルのスクリーンの張替えが行われ[10]、8月13日には北木島に伝わる盆踊りを記録したドキュメンタリー作品『鳶と烏』が上映された[11]

現地情報

所在地
交通アクセス
  • 北木島金風呂港から徒歩5分[2]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j 世良利和『笠岡シネマ風土記』(岡山文庫)日本文教出版、2020年、pp.94-101
  2. ^ a b c d e 旧映画館「光劇場」 笠岡市
  3. ^ 『映画便覧 1965年版』時事通信社、1965年
  4. ^ 「半世紀ぶり 島の映画館 北木島『光劇場』アーティストら映像上映」『朝日新聞』2014年9月25日
  5. ^ 『石の島』を訪ねて 岡山県北木島」『しま』日本離島センター、274号、2023年6月
  6. ^ 「光劇場復活友の会」について KITAGI 光劇場友の会
  7. ^ 鷹取洋二『消えた映画館を探して』吉備人出版、2020年、pp.173-176
  8. ^ 旧映画館「光劇場」 日本遺産ポータルサイト
  9. ^ 石材業の歴史映す3施設、産業遺産に 『石の島』北木島」『朝日新聞』2022年2月2日
  10. ^ a b c 北木光劇場友の会「スクリ-ンの張り替えプロジェクト」20230729 KITAGI 光劇場友の会
  11. ^ 北木島盆踊り 保存活動の記録上映 旧映画館で住民ら30人鑑賞」『山陽新聞』2023年8月

参考文献

  • 世良利和『笠岡シネマ風土記』(岡山文庫)日本文教出版、2020年
  • 鷹取洋二『消えた映画館を探して』吉備人出版、2020年

外部リンク

座標: 北緯34度23分17.1秒 東経133度31分45.8秒 / 北緯34.388083度 東経133.529389度 / 34.388083; 133.529389




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  光劇場のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「光劇場」の関連用語

光劇場のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



光劇場のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの光劇場 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS