中津川 (仁淀川町)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 中津川 (仁淀川町)の意味・解説 

中津川 (仁淀川町)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/01 14:26 UTC 版)

杣場川
中津渓谷

テンプレートを表示

中津川(なかつがわ)は、四国を流れる仁淀川の上流にある支流のひとつ[1]愛媛県との県境にある中津明神山や雑誌山に発し、高知県仁淀川町を東へ流れて仁淀川に注ぐ[2]。認定流路延長は9.0km、流域面積は32.20km2[3][4]

流域は中津渓谷と呼ばれる景勝地で、上流の上名野川地区一帯や中津川の両岸は中津渓谷県立自然公園に指定され、「四国の水辺88か所」に選出されている[5][2][6][7]

流路

水源の中津明神山
中津川・概略図
中津明神山
槇ノ谷
中津川
県道363号
北川川
中津渓谷
国道33号
名野川発電所
仁淀川

中津川の源流は仁淀川町(旧吾川村)西部の中津明神山に発する。ここから東へ斜面を下り、上名野川地区で、北の雑誌山からくる槇ノ谷を合わせる。源流域の上名野川地区は全域が中津渓谷県立自然公園の区域に指定されている。上名野川地区はかつては「奥菜ノ川村」といい、源平時代に平宗盛が郎党を連れて落ち延び、明神山城(名野川城)を築いたという伝承がある。戦国時代には、文禄年間(1593-1596)に丸石四方太夫という落人が勧請したという大山神社があり、かつての村社だった[7][8][9]

上名野川地区の下流には下名野川地区がある。ここには元亀年間(1570-1573)に築城と伝わる「寒草城」跡があるが、長宗我部元親による検地の頃には既に廃れた。近年は高齢化率が50%を超え、2004年(平成16年)に下名野川小学校が廃校となった。翌年から校舎を利用した「山村自然楽校しもなの郷」をオープンさせ、宿泊客の受け入れや、山岳・観光ガイド、山村・農村の生活体験などを行っている[8][7][9][10]

雑誌山から南流してきた北川川をあわせると、中津渓谷となる。中津渓谷を過ぎると名野川地区で仁淀川に注ぐ。合流点付近には1924年(大正13年)開業の名野川発電所がある。名野川発電所は中津川中流の下名野川から取水しており、184.57mの標高差を利用して発電している[3][11]

中津渓谷

雨竜の滝

中津渓谷は、断崖や巨岩、滝や淵に富んだ景勝地である。中津渓谷県立自然公園の中核を成し、谷沿いに2kmあまりの遊歩道が整備され、温泉宿泊施設も設けられている[12][6][13][2]

渓谷内には四国八十八景31番に雄大さで選ばれている落差20mの「雨竜の滝」、高さ約8mの「石柱」、「紅葉の滝」、「竜宮淵」などの景勝地があり、11月頃の紅葉の名所としても知られている[13][12][5][14]

中津渓谷県立自然公園

中津渓谷と上流の山岳地域は1958年(昭和33年)に中津渓谷県立自然公園に指定された。指定範囲は1,684ヘクタールあり、域内には太平洋と瀬戸内海、四国カルストなどを展望できる中津明神山、中津渓谷といった自然景勝地のほか、大山神社、寒草城跡などの旧跡が含まれている[7][9]

ギャラリー


脚注

注釈

出典

  1. ^ 国土交通省 河川整備基本方針(仁淀川水系)仁淀川系流域及び河川の概要 流域の自然状況 (PDF) 2016年5月12日閲覧。
  2. ^ a b c 高知県 林業振興・環境部 環境共生課中津渓谷 2016年5月12日閲覧。
  3. ^ a b 経済産業省 中国四国産業保安監督部四国支部 四国地区水力発電所一覧表 (PDF) 2016年5月12日閲覧。
  4. ^ 仁淀川町HP 資料1 山及び河川の概況 2016年5月12日閲覧。
  5. ^ a b 一般社団法人 仁淀ブルー観光協議会 自然・観光資源 2016年5月12日閲覧。
  6. ^ a b 仁淀川町観光協会 中津渓谷県立自然公園 2016年5月12日閲覧。
  7. ^ a b c d 高知県 林業振興・環境部 環境共生課中津渓谷県立自然公園 区域図 (PDF) 2016年5月12日閲覧。
  8. ^ a b 日本歴史地名大系40巻『高知県の地名』p422-427
  9. ^ a b c 国土交通省 河川整備基本方針(仁淀川水系)仁淀川系流域及び河川の概要流域及び河川の自然環境 (PDF) 2016年5月12日閲覧。
  10. ^ 山村自然楽校「しもなの郷」 しもなの郷とは 2016年5月12日閲覧。
  11. ^ 京都大学経済学研究科・独立法人科学技術振興機構・社会技術研究開発センター,中山琢夫,2013 高知県仁淀川町における小水力発電ポテンシャル調査と地域経済波及効果 (PDF) 2016年5月12日閲覧。
  12. ^ a b 仁淀川町役場 産業建設課 中津渓谷 2016年5月12日閲覧。
  13. ^ a b 公益財団法人 高知県観光コンベンション協会 よさこいネット 中津渓谷 2016年5月12日閲覧。
  14. ^ 仁淀川町公式ガイドブック 仁淀川町で遊ぶ本 仁淀川町お出かけ暦 遊び道あんない図 仁淀川本流エリア・中津川エリア 2016年5月12日閲覧。

参考文献

関連項目


「中津川 (仁淀川町)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「中津川 (仁淀川町)」の関連用語

中津川 (仁淀川町)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



中津川 (仁淀川町)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの中津川 (仁淀川町) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS