ブール値モデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/19 18:35 UTC 版)
数理論理学において、ブール値モデルはモデル理論の通常のタルスキ流の構造概念の一般化である。ブール値モデルにおいて、命題の真理値は"真"と"偽"に限らず、その代わりに事前に選んだ完備ブール代数の値を取る。
ブール値モデルは1960年代にデイナ・スコット、ロバート M. ソロヴェイ、ペトル・ヴォピェンカによってポール・コーエンの強制法の手法の理解の助けになることを目的として導入された。これは直観主義論理におけるハイティング代数の意味論にも関連がある。
定義
完備ブール代数 B [1]と一階の言語 L を一つとっておく; L の非論理記号は定数記号、関数記号、関係記号からなる。
言語 L のブール値モデルは、要素 (と名前)の集合である宇宙 M と記号の解釈から構成される。具体的には、L の各定数記号には M の元を割り当て、L の各 n-項関数記号 f と M の元の各 n-つ組 ⟨a0,...,an-1⟩についての項 f(a0,...,an-1) も M の元に割り当てられなければならない。
L の原子論理式の解釈はさらに複雑である。M の元のペア a と bについて、a = bという式にはその真理値 ‖ a = b ‖ を割り当てられなければならない; この真理値はブール代数 B の元である。同様に、L の n-項関係記号 R と M の元の n-つ組 ⟨a0,...,an-1⟩について、‖ R(a0,...,an-1) ‖ という真理値を B の要素が割り当てられなければならない。
論理式と文の解釈
原子式の真理値は、ブール代数の構造を利用して、より複雑な式の真理値を再構築するのに利用できる。論理演算の場合、これは簡単で、対応するブール演算子を部分式の真理値に適用するだけでよい。例えば、φ(x) と ψ(y,z) がそれぞれ1つと2つの自由変数を持つ式であり、a,b,c が x,y,z に代入されるモデルの宇宙の要素である場合、
- ブール値モデルのページへのリンク