フョードル・トルストイ

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フョードル・トルストイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2025/08/14 20:44 UTC 版)

フョードル・トルストイ
Фёдор Толстой
セルゲイ・ザリャーンコによる肖像画 (1850)
生誕	(1783-02-21) 1783年2月21日 ロシア、サンクトペテルブルク
死没	1873年4月25日(1873-04-25)（90歳没） ロシア、サンクトペテルブルク

フョードル・ペトロヴィチ・トルストイ（ロシア語: Фёдор Петро́вич Толстой, ラテン文字転写: Fyodor Petrovich Tolstoy、1783年2月21日 - 1873年4月25日）は、ロシアの画家、彫刻家、彫金家である。

略歴

サンクトペテルブルクで生まれた。トルストイ家のピョートル・アンドレーエヴィチ・トルストイ(1645-1729)の孫で政治家のアンドレイ・イワノビッチ・トルストイ伯爵（1721-1802）が祖父で、先祖と同名の父親のピョートル・アンドレーヴィチ・トルストイ伯爵(Pyotr Andreevich Tolstoy: 1746-1822)は軍人であった。有名な文学者レフ・トルストイ（1828-1910）の父親はフョードル・トルストイのいとこにあたる。

母親から絵を学び、4歳の時に描いた作品がトレチャコフ美術館に所蔵されている。1795年にポロツクのイエズス会の学校に入学し、絵画と科学を学んだ。1796年にパーヴェル1世が皇帝に即位した後、父親は解雇された。

1798年6月から1802年6月まで、海軍士官候補生学校で学び、その後、有名な科学者の指導の下で訓練を受けた。同時に独学で、静物画や肖像画、風景画を描き、ロシア帝国美術アカデミーを訪づれ、肖像画家のオレスト・キプレンスキーらに学んだ。

1804年に海軍を退役し美術に専念し、蝋を素材にしたレリーフやミニアチュールの肖像画、彫金（メダル制作）などの分野で活動した。1810年からサンクトペテルブルク造幣局で働き、1812年のナポレオンによるロシア戦役（ロシアでは祖国戦争と呼ぶ）を題材にしたメダルを作成した。

1828年に美術アカデミーの副学長に任じられ、後に教授になった。彫刻家として、モスクワの救世主ハリストス大聖堂などの装飾彫刻の仕事もした。

1873年にサンクトペテルブルクで亡くなった。娘のエカテリーナは画家になり、眼科医で、サンクトペテルブルクの医学校の教授のエデュアルド・ユンゲと結婚した。

作品

• 
  フィンランドの別荘の風景(1855)
• 
  窓辺、月明かりの夜
• 
  蝋を素材にしたレリーフ
• 
  彫刻作品モルペウス

参考文献

• Junge, Yekaterina F. (2017). Rozanov, Aleksandr N. (ed.). Воспоминания. Переписка. Сочинения. 1843—1911 (in Russian). Moscow: Kuchkovo Pole. ISBN 978-5-9950-0756-2.
• Kamenskaya, Mariya F. [in Russian] (1991). Bokova, Vera M. (ed.). Воспоминания (in Russian). Moscow: Khudozhestvennaya Literatura. ISBN 5-280-01767-1.
• Petrov, Vsevolod N. [in Russian] (1978). "Самуил Гальберг и Федор Толстой". Очерки и исследования. Избранные статьи о русском искусстве XVIII–XX веков. Библиотека искусствознания (in Russian). Moscow: Sovetskiy Khudozhnik. pp. 107–116. OCLC 6044274.
• Wrangel, Nikolai N. [in Russian] (1913). Grabar, Igor E. (ed.). История скульптуры. История русского искусства (in Russian). Vol. 5. Moscow: Joseph Knebel. pp. 249–260. OCLC 995561716.