バックパス・ルールとは? わかりやすく解説

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バックパス・ルール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/19 01:17 UTC 版)

バックパス・ルール (英語: back-pass rule) は、サッカー競技規則第12条に記されている規則である[1]

概要

バックパス・ルールは、同じチームに属するサッカー選手(フィールドプレイヤー、以下「FP」)がゴールキーパー(以下「GK」)へと「意図的に」ボールを「蹴った」場合もしくはスローインのボールをGKへと戻した場合に、GKがそのボールを手で扱うことを禁止した規則である[2]

バックパス・ルールでは反則を犯した選手はバックパスを出したFPではなく、ボールを手で扱ったGKとなる。従って、GKがバックパスを手で扱った場所から対戦相手に間接フリーキックが与えられる。ただ、バックパス・ルールの反則を犯してフリーキックが与えられるという実例は少ない。

バックパス・ルールは以下の3つの節から成り立っている。

  1. GKと同じチームに属する選手によりボールが蹴られた(足でのプレー、膝、太腿、脛は含まない)際に、
  2. GKが直接ボールを手で扱う(間に他の選手のボールへの関与が一切ない場合、「手で扱う」行為にはボールに手で触れる行為、片手もしくは両手による捕球行為を含む)行為が行われた場合、
  3. この行為は審判により、GKへの意図しないミスキックとしてではなく故意かつ意図的なプレーであるとみなされる。

上記のように、バックパス・ルールに違反するパターンはFPがGKに向かって故意に足で蹴ったボールをGKが直接手で捕球した場合に限られる。

従って、頭部、胸部、膝によってFPがGKにバックパスを送った場合はGKはボールを手で扱うことができる。

また、例えばディフェンダーがボールをクリアする際にキックミスなどでボールがGKの方向へと転がった場合のように、同じチームに属する選手が故意ではなくボールをGKに戻す場合でもGKはボールを手で扱うことができる。

バックパスはアイルランド代表GKパット・ボナーの時間稼ぎ行為が話題となった1990 FIFAワールドカップ終了後、時間稼ぎのプレーや、過度に守備的なプレーを減らすため1992年に導入された[3]。また、リヴァプールFCブルース・グロベラーは一度ボールを手でキャッチし、ボールを手から離した後少しドリブルをし、相手選手が接近してきた場合に再度ボールを手で扱い時間稼ぎをするといったプレーを頻繁に用いるGKとして知られていた。これを防ぐため、バックパス・ルールと同時にこの行為を防ぐ目的を意図したルールが導入されており、一度手から離したボールを他のプレーヤーを介さずに手で扱うことを禁止している。このルールを破り反則を犯した場合も間接フリーキックが与えられる。

2011年11月にバックパス・ルールの反則を取られゴールを決められた後、ストーク・シティの代表ピーター・コーツは「競技規則のあの部分は実際には全く機能していない。私はGKへのバックパスでフリーキックが与えられた場面を最後に見た時期を覚えていない。至極当然のように無視されてきたように思う」と述べた[4]

脚注

  1. ^ Laws of the Game”. fifa.com (2009年7月4日). 2012年1月23日閲覧。
  2. ^ Laws of the Game - 2010/2011, p. 33; 112”. fifa.com. 2012年1月23日閲覧。
  3. ^ The History of the Laws of the Game - From 1863 to the Present Day”. fifa.com. 2012年1月23日閲覧。
  4. ^ “Peter Coates criticises Howard Webb's display at Bolton”. BBC Sport. (2011年11月9日). http://news.bbc.co.uk/sport1/hi/football/15642013.stm 2013年1月23日閲覧。 



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