ジョドレ (俳優)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ジョドレ (俳優)の意味・解説 

ジョドレ (俳優)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 09:22 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
ジョドレ
Jodelet
本名 Julien Bedeau
生年月日 (1591-10-14) 1591年10月14日
没年月日 (1660-03-26) 1660年3月26日(68歳没)
出生地 ナント
死没地 パリ
国籍 フランス
職業 俳優
ジャンル 演劇
活動期間 1603-1659
活動内容 笑劇喜劇
テンプレートを表示

ジョドレJodelet、本名 Julien Bedeau 1591年10月14日 - 1660年3月26日)は、フランスの喜劇役者。17世紀フランスにおいて、最も有名な喜劇役者の1人であった。彼を題材にとった戯曲も数多く制作されている。

生涯

※彼の生涯について、詳しいことはよくわからない。

1591年10月14日、ナントに生まれた。1603年、アンジェの劇団に見習いとして加入したことから、彼の役者人生は始まったようである。パリの演劇関係の資料に彼の名が現れるのは、マレー座が創設された1634年のことである。この記録にはマレー座の創設メンバーとして名前があるが、1635年初頭前後にオテル・ド・ブルゴーニュ座に移籍した。1641年にはマレー座に復帰し、中心役者として活動した。とくにマレー座で演じたピエール・コルネイユの『嘘つき男』では下僕役を演じ、一躍パリ劇壇で人気役者となった。1657年にはマレー座から離れ、1659年には弟のレピーとともに、パリに戻ってきたモリエール劇団に加入した。モリエール劇団では『才女気取り』において重要な役を演じ、同作品は大成功を収めるなどしたが、翌年の3月26日に老衰で息を引き取った[1]

役者としての特徴

あの人は他人を笑わすことしか考えていないみたい、
することなすこといつもめちゃくちゃで、
癖か偶然か知りませんけど、
絶えず鼻声で話します。その話し方は
わざといつもでたらめに喋ろうとするみたい。
ポール・スカロン『ジョドレ、あるいは主人になった召使』より[2]

愚直な白塗り役としては、ジョドレは良い役者である。今ではもう、彼のいるマレー座でしか笑劇は演じられないが、それも、彼がいるからこそ演じられているのだ。(中略)彼の当たり役は下僕で、ド・ヴィリエ嬢の夫であるヴィリエ、芸名フィリパンも下僕役として悪くなかったが、彼ほど鮮やかではなかった。ジョドレは鼻にかかった声でしゃべった。それというのも、かさっ気の治療をきちんと受けなかったからであるが、却ってそれが魅力となっている。 - タルマン・デ・レオー『逸話集』から[2]

この2つの評に見えるように、鼻声が特徴的な役者であったようである。ジョドレは下僕役で大成功を収めていたが、どの下僕役にも通底する特徴は「鯨飲馬食」であって、スペイン演劇におけるグラシオーソ(道化役、gracioso)の流れを受け継いでいる。

主な出演作品

  • 嘘つき男 - Le Menteur (ピエール・コルネイユ、1643年)
  • ジョドレ、あるいは主人になった召使い - Jodelet ou le Maître valet (ポール・スカロン、1643年)
  • 決闘者ジョドレ - Jodelet duelliste (ポール・スカロン、1643年)
  • 三人のドロテ、あるいは横っ面を張られたジョドレ - Trois Dorothées ou le Jodelet soufflté (ポール・スカロン、1645年)
  • 占星術師ジョドレ - Jodelet Astrologue (ドゥーヴィル、1645年)
  • 利口者 - Le Dénisaisé (ジレ・ド・ラ・テッソヌリー、1647年)
  • ドン・ベルトラン・ド・シガラル - Dom Bertrand de Cigarral (トマ・コルネイユ、1651年)
  • 己自身の牢番、あるいは王侯ジョドレ - Le Géoloer de soi-meme ou Jodelet prince (トマ・コルネイユ、1655年)
  • 喜劇なしの喜劇 - La Comédie sans Comédie (フィリップ・キノー、1655年)
  • 田舎貴族 - Le Campagnard (テッソヌリー、1656年)
  • 才女気取り - Les Précieuses ridicules (モリエール、1659年)

脚注

  1. ^ フランス十七世紀の劇作家たち 研究叢書52,中央大学人文科学研究所編,P.46、64、66,中央大学出版部,2011年
  2. ^ a b フランス十七世紀の劇作家たち P.65から引用

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ジョドレ (俳優)」の関連用語

ジョドレ (俳優)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ジョドレ (俳優)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのジョドレ (俳優) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS