ザウエル&ゾーン 38Hとは? わかりやすく解説

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ザウエル&ゾーン 38H

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/26 08:45 UTC 版)

ザウエル&ゾーン 38H
概要
種類 自動拳銃
製造国 ドイツ国
設計・製造 ザウエル&ゾーン
性能
口径 7.65mm[1]
銃身長 83mm[1]
ライフリング 4条右回り
使用弾薬 .32ACP弾[1]
装弾数 8発[1]
作動方式 シンプルブローバック方式
シングルアクション
ダブルアクション
全長 171mm[1]
重量 720g[1]
銃口初速 280m/s[1]
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ザウエル&ゾーン 38H(Sauer&Sohn 38H)は、ドイツのズールに拠点を置くザウエル&ゾーン社が開発した自動式拳銃である。第二次世界大戦中には、ドイツ国防軍陸軍空軍及びドイツ警察に制式採用された。

概要

同社のモデル30自動式拳銃の発展型で、全体的に大型化が図られた[1]。38HのHはHahnの頭文字で、ハンマー(撃鉄)装備を意味する。外面からはハンマーが見えないが、撃発機構に内蔵式ハンマーを使用する。

フレームの左側面にデコッキングレバーとマガジンリリースボタンがある。二番目の生産型を除き、マニュアルセーフティは無い。ハンマーが起きた状態でデコッキングレバーを押し下げるとハンマーが戻され、薬室に弾薬があっても安全に携帯できた。デコッキングレバーを押し上げるとハンマーを起こして、再び射撃準備が整う。引き金の根元には貫通孔があり、この孔が見えていると安全位置、引き金が下がって孔が隠れていると撃発位置であることを示した。薬室に弾薬があると、スライドの後端にインジケータピンがせり出した。また、マガジンを挿入しないと発砲できないマガジンセーフティを装備していた。

38Hの固定銃身、シンプルブローバック方式、内部構造はSIG SAUER P230、マニュアルセーフティを無くしてデコッキングレバーが安全装置の役割をする特徴はSIG SAUER P220へ、スイスSIG社と共同開発した拳銃にそれぞれ引き継がれた。レバー操作でハンマーを引き起こす機能は、H&K P9Sでも採用された。

1938年から1945年までに大きく分けて三つの型が製造された。最初の生産型はスライド左側に「JP Sauer und Sohn」と「CAL 7.65」が刻印された。二番目の生産型では、スライドの左側面にマニュアルセーフティが追加された。三番目の生産型ではスライドの刻印が「CAL 7.65」のみとなり、マニュアルセーフティも廃止された。

当初は警察向けに生産されたが、1939年からは軍用として配備が始まり、陸軍の戦車兵や空軍の航空兵の自衛用として広く使われた[1]。数万丁以上が生産されたとみられている[1]

脚注

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j 『ドイツ兵器名鑑 陸上編』株式会社 光栄、2003年4月30日、18頁。ISBN 4-7758-0063-9 

参考資料

「ドイツ軍用ピストル図鑑1901-1945」(ホビージャパンMOOK 625)、ホビージャパン

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