ギルフォード郡庁舎の旗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/25 05:30 UTC 版)
ギルフォード郡庁舎旗とは、ノースカロライナ州の民兵が掲げた旗に付けられた名称で、1781年3月15日にノースカロライナ州グリーンズボロで起きたギルフォード郡庁舎の戦いで掲げられたものと伝えられている。この旗は通常の星条旗を逆色にした旗で、赤と青の縞模様と縦に細長く白いカントンに青い八芒星が描かれていることで識別できる。

その独特な色彩と寸法は、インフラ整備が不十分かつ通信手段も乏しい戦争の最中の新興国家における統一性の欠如を示すものとして、暫し批判されることがある。しかしアメリカ独立戦争中、軍隊が一般的なアメリカのシンボル(ストライプ、星など)を含んだ旗を掲げることは、中隊旗や連隊旗として識別しやすいように工夫された当時の慣習であった[1]為、国旗として使用されることを想定していなかったと考えられている。
実物の旗は1914年にノースカロライナ州ローリーのノースカロライナ歴史博物館に展示されている。旗の幅は110cm、掲げた状態では250cmになり、カントンの縦幅は89cm、横幅は190cmで、星は20cmで8つの先端を持つ。[2]八星を持つ旗としては米国最古のものとされている。[3]
歴史
旗は1909年、ミカジャ・ブロック大佐の息子で当時81歳だったエドワード氏によってノースカロライナ州のグランド・メイソニック・ロッジに贈呈された。この旗が戦闘中で使用されたことを示す歴史的記録は現存しないが、研究によるとかつては15個の星と15本の縞模様が描かれていた可能性が示唆され、これは元々作られたものか、あるいはアメリカの国旗が15本の縞模様だった際に付け加えられたものとされている。[4]旗の生地が主に綿布であることから、1790年代以前に制作されたと考えられている。[2]
しかし、これらの要素の信憑性やブロック家の話に疑問を呈する声もある。同博物館の政治・社会経済史学芸員のアル・ホイルマン氏は旗に関する報告書を研究した結果、旗が戦闘中に掲揚された可能性があると考えていた。
ノースカロライナ州にある全米アメリカ独立戦争娘協会のミカジャ・ブロック支部は膨大な資料と記録を収集して生地の年代や旗に他の星が描かれていたという確固たる証拠もないことから、旗は本物であると結論づけられた。依然として物議を醸す箇所もあるが、ブロック家が残した文章では、ミカジャが戦いで疲労して旗を掲げながら帰還したことが記録されている。逝去後に息子であるのエドワード氏がその管理を託された。今日では独立戦争の象徴の一つとして受け入れられている。[5]
脚注
- ^ Mastai, pg 39.
- ^ a b National Park Service
- ^ Cooper, 27
- ^ Cooper, 27. クーパー氏は15星の旗のイメージ図を示すイラストを提供を提案している。
- ^ “Micajah Bullock Chapter | Guilford Flag”. www.ncdar.org. 2014年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
参考文献
- Cooper, Grace Rogers Thirteen Star Flags 1973. Smithsonian Institution Press. Available online (21.7 MB).
- Mastai, Boleslaw and Marie-Louise D'Otrange The Stars and the Stripes. The American Flag as Art and History from the Birth of the Republic to the Present ©1973. Alfred A. Knopf, New York. ISBN 0-394-47217-9
- National Park Service, The North Carolina Militia Flag
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