カンディディアヌスとは? わかりやすく解説

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カンディディアヌス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/05 14:51 UTC 版)

ガイウス・ウァレリウス・カンディディアヌス[1]ラテン語: Gaius Valerius Candidianus296年頃 - 313年)は、ローマ皇帝ガレリウスの息子。ガレリウスの皇后であるガレリア・ウァレリアにとっては養子にあたる。

経歴

カンディディアヌスは、ガレリウスと氏名不詳の愛人との間に生まれた。その後、ガレリウスはディオクレティアヌスの娘であるガレリア・ウァレリアを后に迎え入れるが、彼女との間には子供がいなかったため、カンディディアヌスを養子とした[2]。著述家のルキウス・カエキリウス・フィルミアヌス・ラクタンティウスによれば、ガレリウスは自身の皇帝即位20年祭が行われる312年に、カンディディアヌスを副帝に就けようと考えていた。しかし、式典の準備が進められていた311年にガレリウスが死去したため、ローマ皇帝の地位はリキニウスマクシミヌス・ダイアに引き継がれ、かつての計画は頓挫した[3]

ガレリウスの死後、カンディディアヌスは皇帝フラウィウス・ウァレリウス・セウェルスの息子であるフラウィウス・セウェリアヌス英語版とともに、リキニウスから逃れるようにしてマクシミヌス・ダイアの元へ移り、313年までその地に滞在していた。なお、若きカンディディアヌスは、当時7歳だったマクシミヌス・ダイアの娘とこの時に婚約したと推測されている[4]

リキニウスが権力闘争の末にマクシミヌス・ダイアを破った後の313年に、カンディディアヌスは捕らえられた。ラクタンティウスによれば、リキニウスの宮殿へ連れていかれた彼は、栄誉をもって迎えられた。この場は安全だと思わせた上で、リキニウスは彼の処刑を命じたと伝えられている。カンディディアヌスの処刑にあわせて、氏名不詳の婚約者と、その兄であるマクシムスもともに処刑されている[5]

脚注

  1. ^ Il nome completo è una ricostruzione ipotizzata in Cambi, Nenad, "Tetrarchic practice in name giving", in Diokletian und die Tetrarchie: Aspekte einer Zeitenwende, Alexander Demandt ed., Walter de Gruyter, ISBN 3-11-018230-0, pp. 42-43.
  2. ^ Lactantius. Lord Hailes (transl.) (2021) On the Deaths of the Persecutors: A Translation of De Mortibus Persecutorum by Lucius Cæcilius Firmianus Lactantius Evolution Publishing, Merchantville, NJ ISBN 978-1-935228-20-2, p. 91
  3. ^ Lactantius. On the Deaths of the Persecutors, p. 63
  4. ^ Lactantius. On the Deaths of the Persecutors, p. 91
  5. ^ Lactantius. On the Deaths of the Persecutors, p. 91

参考文献




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